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子どもに紙芝居説法 みなべの安養寺

紀伊民報 7月19日(火)16時46分配信

 和歌山県みなべ町芝の安養寺(西山剛慈住職)は18日、お経を唱えながら大きな数珠を回す仏事「百万遍」に合わせて児童向けの勉強会を開き、集まった地区の子どもたちに、悪い行いをすれば地獄に落ちるという戒めを説いた紙芝居を上演した。大人と子どもの写経体験会も初めて開き、寺では「将来良い考えを持つ人間に成長してほしいと願い、保護者らと楽しく学んでもらえるように催した」と話している。

 安養寺は仏書「往生要集」を著した源信(942~1017年、通称=恵心僧都)が開いたといわれる。往生要集には仏教で説く地獄と極楽があり、子どもにこの教えを分かりやすく説明できればと、寺が同町埴田のイラストレーター、松下恭子さん(38)に紙芝居作りを依頼した。

 松下さんは快諾して縦27センチ、横29センチの水彩画9枚から成る紙芝居を制作。小学校低学年のゆうきくんという主人公を登場させ、閻魔(えんま)大王のいる地獄と、極楽の様子を説明した。

 紙芝居は同寺の寺務所で上演し、松下さんが、盗みを働くと火あぶりになるといった戒めを教える紙芝居を、集まった幼児や小学生とその保護者ら計約40人を前に披露した。子どもたちは地獄の場面になると、しんとして聞き入った。他に、松下さん手作りの「千里浜のウミガメ」や、クイズ形式の「いきものなんだ」の紙芝居も上演した。

 写経体験では、子どもたちは和紙に印刷されたひらがなの般若心経を鉛筆でなぞって書いた。

 続いて本堂に移動して西山住職(63)が読経し、観音講の女性や寺総代役員、地区の役員らの大人と、子どもに分かれて輪になって座り、お経を唱えながら大きな数珠を回す百万遍を営み、人や飼育動物、農作物の病害を追い払った。

 同寺によると、少子高齢化が進む中、小さいころから寺との関係を深めてもらおうと、昨年から百万遍や紙芝居の上演に地元の子どもたちに参加してもらっている。松下さんが作った紙芝居の上演は、今年が初めて。写経体験への子どもの参加も今年が初めてで、今年は昨年の2倍ほどの子どもの参加があった。

 参加した真造久美子さん(40)は「地獄の話は怖いけれど、絵が素晴らしくてよかった。最近は道徳心が薄れてきていると思うので、子どもたちがこの紙芝居を見て学んでくれたらと思う。このような集まりがあると親子で触れ合うのでいい」、次女の茉奈さん(8)は「地獄の話はちょっと怖かったけれど、紙芝居は面白かった。うそをついたらいけないと思った」と話した。

 寺では「昨年より子どもたちが多く参加してくれてよかった。この催しが非行防止につながり、良い子に育つように願っている。来年も開きたい」と話している。

最終更新:7月19日(火)16時46分

紀伊民報