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ボーイング、737 MAX設計変更で巻き返しへ 胴体伸ばし席数増

Aviation Wire 7月20日(水)9時32分配信

 ボーイングがファンボロー航空ショーで設計変更を発表した、開発中の小型機737 MAX 7。胴体を伸ばして座席数を増やし、航続距離も延長する。最大離陸重量なども見直し、次世代小型機で半数以上のシェアを握るエアバスのA320neoファミリーよりも1座席あたりの運航コストを抑え、巻き返しを図る。

◆胴体1.9メートル延長

 737の発展型で新型エンジンを採用した737 MAXは、4機種で構成。737 MAX 7はもっとも胴体が短い機体で、737-700の後継となる。標準型は1月29日に初飛行した737 MAX 8(1クラス最大189席)で、737 MAX 8をLCC向けに座席数を増やした737 MAX 200(同200席)、胴体がもっとも長い737 MAX 9(同220席)がある。

 今回の設計変更は、737 MAX 7を発注した米サウスウエスト航空(SWA/WN)と加ウエストジェット(WJA/WS)の要望に基づくもの。胴体の長さは737-700と同じだったものを、前部胴体を約0.8メートル(30インチ)、後部胴体を約1.2メートル(46インチ)の合わせて約1.9メートル(76インチ)延長。主翼と主脚は、1サイズ大きな機体となる737 MAX 8と同じものを使用し、翼上の非常口も増設する。

 胴体延長により、1列で6席ある座席を2列増やすことで12席上積みして138席にする。これにより、ボーイングでは1座席あたりの燃料消費量は737-700よりも17%、競合するエアバスのA319neoと比べて8%向上するとしている。また、同じ運航コストでA319neoよりも12席多く出来ると、メリットを強調している。

 航続距離は、設計変更前の3350海里(約6204キロ)を、565海里(約1046キロ)伸ばして3915海里(約7250キロ)にする。ボーイングではA319neoの3495海里(約6470キロ)を上回るとしている。また、高高度の空港でも年間を通じて満席で運航でき、高温地域の空港でも運航できると説明した。

 最大離陸重量は、737-700の15万5000ポンド(約70.3トン)から17万7000ポンド(約80.3トン)に引き上げる。最大着陸重量は12万8000ポンド(約58.1トン)を14万5600ポンド(約66.0トン)に、無燃料重量は12万500ポンド(約54.7トン)を13万8700ポンド(約62.9トン)に、それぞれ増加させる。

◆高高度・高温空港も

 737 MAXファミリーで最初の機体となる737 MAX 8の開発状況は、現在4機の飛行試験機で試験を実施中。量産初号機の引き渡しは、2017年上期を予定している。また、737 MAX 9は2017年に初飛行して2018年に引き渡し開始、737 MAX 7と737 MAX 200は2019年の引き渡しを予定している。

 ボーイングでは、737 MAX 7を長距離路線や高高度・高温の空港へ就航する路線向け、737 MAX 8を737 MAXの中核機種、737 MAX 200をより多くの座席数を求める航空会社向け、737 MAX 9を多くの座席数を必要とする路線や成長市場向けと位置づけている。

 エアバス機との座席あたりの運航コストは、737 MAX 7がA319neoと比べて8%低く、737 MAX 8はA320neoとの比較で8%、737 MAX 200はA320neoの高密度仕様と比べて6%、737 MAX 9はA321neoと比較して7%、それぞれ低くなると優位性を強調している。

 6月末時点での確定発注は、737 MAXファミリーが3218機に対し、A320neoファミリーは4583機と、1365機(約1.4倍)多い受注を獲得している。両社による次世代ナローボディー(単通路)機市場で、737 MAXのシェアは41%。エアバスの後塵を拝するボーイングは、737 MAX 7の設計変更で受注拡大を狙う。

Tadayuki YOSHIKAWA

最終更新:7月20日(水)9時38分

Aviation Wire