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北朝鮮が反発、高高度迎撃ミサイルシステム「THAAD」はどんなもの?

THE PAGE 7月21日(木)7時0分配信

 北朝鮮は19日早朝、日本海に向けて弾道ミサイル3発を発射しました。これは米国と韓国が、高高度迎撃ミサイルシステム「THAAD(サード:Terminal High Altitude Area Defense)」の在韓米軍への配備を決定したことに対する反発とみられています。ミサイルを3発も発射したということは、この出来事は北朝鮮にとって大きな脅威であることの裏返しでもあります。従来のミサイル防衛システムと比べてTHAADはどう違うのでしょうか。

THAADミサイルは日本用? 韓国で配備反対論の背景

パトリオットとはどう違うの?

 THAADは、米軍が開発した最新鋭のミサイル防衛システムです。これまでミサイル防衛システムの中核を担ってきたのはパトリオット(PAC2、PAC3)と呼ばれる迎撃ミサイルです。パトリオットは、弾道ミサイルの終末段階(大気圏に再突入してから地上に落下するまでのフェーズ)において、上空20キロから40キロという低い高度で撃ち落とすことを想定しています。

 パトリオットは短距離弾道ミサイルの迎撃には適していますが、中距離弾道ミサイルはより高速で落下してくるため、低い高度での迎撃は難しいと言われています(弾道ミサイルは放物線を描いて飛行するので、一般的に射程が長くなると高度が高くなり、結果的に落下速度も速くなる)。また、仮に迎撃に失敗した場合、数秒から数十秒で地表にミサイルが到達してしまいます。敵国からのミサイルを完全に防ぐには、さらに前段階からの迎撃が必要となりますが、この役割を担うのがTHAADというわけです。

北朝鮮だけじゃない。中国も探知範囲に

 THAADは、ミサイルの終末段階で迎撃するという点ではパトリオットと同じですが、上空50キロから150キロという高い位置でミサイルを破壊します。またTHAADはXバンドレーダーとセットで運用されますが、このレーダーは500キロから1000キロの探知距離があり(最大で2000キロも可能といわれる)、北朝鮮全域を探知範囲に設定することができます。PAC3だけの状態と比較すると、早い段階で、しかも広範囲にわたって迎撃が可能となりますから、ミサイルを打ち落とせる確率が飛躍的に高まります。

 もっともTHAADの配備に対しては北朝鮮だけでなく中国も強く反発してきました。今回ミサイル配備が決まったのは慶尚北道の星州という地域ですが、レーダーを西に向ければ中国沿岸部も探知範囲に含めることが可能です。中国としては、北朝鮮対策というのは名目で、事実上、中国のミサイルを迎撃するものだとして警戒しています。韓国側は中国に届かないよう探知範囲を数百キロに制限するとしていますが、中国側は納得していません。

 THAADについては日本の防衛省も導入を検討していますが、具体的な計画は定まっていない状況です。ただ米軍が構築しているミサイル防衛システムの一部を担うXバンドレーターについては、すでに国内に配備されていますので、THAADの配備計画が具体化しても不思議ではないでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:7月26日(火)12時44分

THE PAGE

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