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北朝鮮の作戦地図に韓国軍が注目 釜山など攻撃目標

聯合ニュース 7月20日(水)19時1分配信

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」が20日に公開した「戦略軍火力打撃計画」というタイトルの作戦地図に韓国軍当局が注目している。

 北朝鮮は19日に発射した弾道ミサイル3発の発射地点である黄海北道・黄州から北東方向の東海の着弾地点を線で結び、その線を半径とした弧を釜山周辺まで延長した地図を公開した。地図上には攻撃目標地点が2か所示されており、事実上の作戦地図といえる。

 韓国側の分析では攻撃目標地点は蔚山周辺の東海上と釜山周辺の東海上とみられている。

 短距離弾道ミサイル「スカッド」(射程距離300~700キロ)や中距離弾道ミサイル「ノドン」(同1300キロ)に核弾頭を搭載して両地域に向けて発射し、有事の際に慶尚北道・浦項や釜山港に入ってくる米軍の増援部隊に攻撃するという意図を明らかにしたものと軍は認識している。

 韓国国防研究院(KIDA)によると、北朝鮮が所有するミサイルについて、韓国軍はスカッド約400発、ノドン約450発と推定しており、米国はスカッド約600発、ノドン約200発と予想しているという。

 予想する数に違いはあるものの、北朝鮮が保有するスカッドとノドンは南側の港湾や飛行場を攻撃目標にしていることが明らかになった。

 北朝鮮の朝鮮中央通信は同日、19日の弾道ミサイル発射実験について、米国の核戦争のための装備が投入される韓国の港や飛行場を先制攻撃することを想定し、射程距離を制限して行ったと報じた。

 韓国軍の合同参謀本部が20日、陸海空軍の作戦指揮官らによる緊急会議を開催したのは、北朝鮮による同地図の公開が影響していたことが分かった。韓国軍の関係者は「北が露骨に南側地域を弾道ミサイルの打撃目標地点に指定して公開したのはただ事ではない」とした上で、「合同参謀が作戦指揮官会議を緊急に開催したのも北のこのような露骨な態度が背景にあった」と説明した。

 合同参謀本部も会議開催の理由について、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が見守る中で、韓国の港や飛行場を先制攻撃することを想定する挑発行為が行われたと説明。その上で「このような行動はこれまでのミサイル発射実験のレベルではなく、明白な野心を自ら示したもの」と指摘した。

 一方で、韓国軍関係者らは、韓米が主張していた米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」を慶尚北道・星州に配備することで得られる軍事的なメリットを北朝鮮が自ら証明した形になったとの見方を示した。北朝鮮戦が攻撃目標として示した地域は星州から近く、THAADを星州に配備するのは正しい決定である根拠を北朝鮮が示したと言える。

 韓国軍の関係者は「蔚山には大規模な化学工業団地や石油施設工業団地があり、北がミサイル攻撃の目標にする可能性がある」とした上で、「THAADのような高高度ミサイル防衛システムがなければ、これらの産業施設や主な港湾がすべて被害を受けることもありえる」と説明した。

 別の関係者は「スカッドとノドンは大気圏を出て再び下降する段階で速度がマッハ5~6程度」とした上で、「速度がマッハ7以上あるTHAADのミサイルで十分に迎撃することができる」と話した。

 また、地対空誘導弾・パトリオットミサイルで北朝鮮のミサイルをすべて防ぐのは難しく、まずTHAADで1次的な防衛をし、別の手段で2次防衛を行うのが効率的と説明した。

最終更新:7月20日(水)20時20分

聯合ニュース