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「安くても大手キャリアに負けない」――大攻勢をかける「楽天モバイル」の現在地

ITmedia Mobile 7月20日(水)21時36分配信

 2014年10月にMVNO事業を本格化させた楽天だが、丸2年を迎える前に、その勢いを加速させている。6月に発表されたMM総研の調査では、独自SIM型のMVNOとしてついに第3位につけ、老舗のIIJやNTTコミュニケーションズに次ぐシェアとなった。6月29日は、端末と通信料が一体となった「コミコミプラン」を発表。富士通の「arrows M03」や、ZTEの「Blade E01」、Huaweiの「P9」「P9 lite」など、夏モデルも充実させた。

【Xperiaと似ている?このスマホにも期待】

 楽天モバイルは、当初から大手キャリア型のビジネスを志向していたMVNOでもあった。端末のラインアップをきちんとそろえ、リアルな店舗も徐々に増やしてきた。また、傘下にフュージョン・コミュニケーションズ(現・楽天コミュニケーションズ)を抱えていたこともあり、「楽天でんわ」のような電話網で工夫を凝らしたサービスもいち早く展開。こうしたサービスの基礎を築いた上で、携帯電話の販売代理店と協力し、リアルな楽天モバイルブランドのショップをさらに増やそうとしている。年内の目標は100店舗だ。

 飛ぶ鳥を落とす勢いの楽天モバイルだが、参入当初、三木谷浩史会長兼社長は、その目標数を「1000万」と掲げていた。楽天から契約者数は公開されていないが、MM総研のシェアを見る限り、現状ではまだ数十万といったところだろう。目標と現実には、まだギャップもある。この溝を、楽天モバイルはどのように埋めていくつもりなのか。これまでの軌跡と、今後の展開を、楽天でMVNO事業を率いる執行役員 楽天モバイル事業長の大尾嘉宏人氏と、チーフプロダクトオフィサーの黒住吉郎氏に、お話を聞いた。

●端末ラインアップを増強したことで躍進

――(聞き手:石野純也) 先日発表されたMM総研のシェアでは、第3位になり、躍進している印象があります。その理由を教えてください。

大尾嘉氏 今年(2016年)1月に発表した内容が、ある意味象徴的ですね。そのときには、確か通話SIMとデータSIMの比率が62%と38%で、端末バンドル率が72%という数字を出していました。安価な価格でお客さまにサービスを提供するには、どうやるのが一番いいのか。そのためにはMNOのサービスで、受けているところはちゃんとやっていく。逆に、過剰だったり、そのためにプライスに跳ね返ったりしているところは、僕らなりに工夫をしてきました。その結果として、MNOに行かれるようなお客さまと、同じような行動の仕方をしていただけたということです。

 この点に関しては、本当にお客さまに対峙し、愚直にやってきただけですが、振り返ってみると、それが通話SIMの比率やバンドル率の高さ、公表はしていませんがMNPの数の多さに反映されています。一言で言えば、安いが大手キャリアに負けないサービスを提供しているということですね。

―― 端末やサービスなど、他のMVNOにはない楽天モバイルならではの施策も多いと思いますが、中でも一番効いているのはどこだと思いますか。

大尾嘉氏 昨年(2015年)1年間を振り返ると、やはり端末のラインアップが豊富だったことです。月額料金は安くても、お客さまがちゃんと選べるラインアップがあった。「honor6 Plus」もそうですし、ZenFoneやAQUOS、Xperiaまであった。どのお客さまが来ても、そこに合ったセレクションができるというのが昨年の話です。

 今年(2016年)に入ってからは、5分間かけ放題になるオプションを出したことで、データメインだったお客さまでも安心して通話が使えるようになりました。ここで、さらにお客さまに魅力を感じていただくことができたと思います。

―― 通話が多いためにMNOから離れられないという人もいますからね。

大尾嘉氏 あれをいち早く出せたのも、お客さまのニーズを見ながらやってきたからです。そうはいっても、まだ情報リテラシーが高い方が多く、スマホと料金プランを選んで、自身で「こういう使い方をする」と決めることができました。どんどん格安スマホというキーワードが広がる中で、もっと分かりやすくしてほしいという声もありました。今回、「コミコミプラン」を出した理由は、そこにあります。層の広がりに合わせて、値段は安いが大手キャリアに近い形のサービスが提供できるようになってきました。オプションサービスや店舗は、今後もどんどん拡充していきます。

●販路をネットに限定すると全てのユーザーにリーチできない

黒住氏 ユーザーの方は、組み合わせることを楽しむ方もいます。これとこれを組み合わせると、どれだけ安くなるのかとういのを楽しむような……。

―― パズルを攻略している感じ、“攻略感”とでも言ったらいいのでしょうか。

黒住氏 そう、それです。攻略している感じのようなもの。それと分かりやすさの2つがあるのだと思います。格安スマホは当初からありましたが、やはり攻略感を楽しむ方だけがお客さまではありません。「これだよ」と説明してほしい。1880円、2480円の中に、必要なものが入っている方がいいという方もやはりいます。ここを1つにしてしまってはいけないと思いますし、われわれが今やっているのもそういったことです。

大尾嘉氏 スマホとプランを自由に選べる仕組みは残しつつも、やはり店舗を見ると、「オススメは何?」と聞く方が多い。そういう意味では、お店からの声が多かったことを受けてというのはありますね。

―― 確かに、端末1つ1つの特徴や、料金プランを説明していると、それだけ時間もかかりそうです。店舗を拡充してきたのも、そういったところを丁寧に説明するためでしょうか。

大尾嘉氏 ケータイに関しては、もともとネットをまったくしない人もいます。ガラケーは見ても、PCは使わないという方ですね。そのため、(販路を)ネットに限定してしまうと、本当に意味でのスマホを使いたいユーザーにリーチできません。

―― オンラインショッピングを開拓してきた楽天さんがそれを言うのも、面白いですね。

大尾嘉氏 私自身もオフラインの重要性は説いていましたし、グループ全体として、オフラインの利便性を上げていこうということはやっていました。ポイントカードの加盟店を増やしているのも、その一環ですね。

黒住氏 事業の早い段階でリアルなタッチポイントを持っていたことは、やはり強い。われわれがやっていることをメッセージとして出せるのも強いですし、ユーザーさんがどのようなことに悩まれているのかを学習することもできます。われわれが自信を持ってやっていても、お客さまは不満だったことを改善できますし、逆に、何々店の誰々さんに親切にしてもらったという声も届き、それを積み重ねることで自信にもつながります。

―― リアルなタッチポイントという点でいえば、触ったこともない端末を、オンラインでポチっと買ってしまうのは、ちょっと怖いところはありますね。僕らは仕事柄、発表時に触れるのでいいのですが、ネットだけだとどう動くのかもちゃんと分かりません。

黒住氏 言い方は難しいのですが、例えば、AppleさんやSamsungさんの商品であれば、広く触れる機会はあると思います。ただ、Huaweiさん、ASUSさん、ZTEさんにしてもそうですが、どの会社がどんな商品を出しているというところまでは、分からない人の方が多いと思います。

●P9/P9 liteは想定以上に売れている

―― その端末ラインアップが豊富なのは楽天モバイルの強みだと思いますが、どういったポリシーでそろえているのでしょうか。

黒住氏 事業開始当初から、できるだけたくさんのニーズにお応えするというものはありました。とにかく安くなるよう、グローバル端末を安く調達して売るというわけではなく、国産も含め、バランスよくニーズに応えるラインアップを組みましょうという方針です。夏に関しても、MVNOの中では、他社に負けないような選択肢をそろえました。

 比較対象は、MVNOだけではありません。MNOに対しても、商品の質で負けないようにしようというのがあります。ただ、それだけになってしまうと、どうしてもお客さまが求めているコストやニーズに応えられません。国産端末には国産端末が得意とする領域があり、グローバル端末にはグローバル端末の得意な領域があります。

 1つの方向性は、やはりコストパフォーマンス重視で、たまたまなのか、意図的なのかは分かりませんが、海外メーカーはそのカテゴリーに入っています。逆に、日本市場に独特な防水やワンセグ、おサイフケータイがしっかり入っているものは、国内メーカーです。ZTEのBlade E01は、前者の延長線上にある商品ですね。

―― 昨年(2015年)出た「P8 lite」は売れ行きもよかったと聞きますが、P9 liteはいかがでしょうか。

黒住氏 実際触ってみると分かりますが、やっぱりバランスがいいですね。僕も端末を作っていたので分かりますが(※黒住氏はソニー・エリクソン在籍時にXperiaブランドを立ち上げ、Xperia Z3発表直前にソフトバンクに移籍、その後楽天に入社する)、このクオリティーでよくこの価格が出せるなと思います。もともと、日本市場は高い端末がほとんどで、後はとにかく安いものしかありませんでした。そのちょうど中間の領域、いいデザインで、いい機能が入っていても安いというものが、この1年から半年ぐらいできちんとそろい始めています。

―― 一方で、P9のようなハイエンド端末も入れているのは、楽天モバイルならではです。

黒住氏 ハイクオリティーでプレミアム感のある商品を求められているお客さまもいます。楽天はイノベーティブな会社でありたいし、しっかりそういうものを提供したい。デュアルカメラは他社もやっていますが、正直ここまで作りこめているのは、Huaweiさんならではです。仕組みも勉強しましたが、よく考えられていますね。

―― 反応はいかがですか。

大尾嘉氏 いいですね。P9 liteとP9で当然価格に差はありますが、僕らが想定していた以上に売れています。僕らのビジョンとして、「ちょっといいモバイル、もっと楽しい毎日」という言い方をしていますが、ボリュームゾーンだから売る、そうじゃないから売らないではなく、全てのお客さまに楽しく過ごしてほしい。もちろん、ある程度数も追わなければいけないのは事実ですが、同時に、少しでも違ったものを提供したい。例えばP9であれば面白い写真やプロ並みの写真を撮ることができますし、そういった楽しさは提供していきたいですね。

●当初より女性ユーザーが増えている

―― 傾向として、今までより高い端末が売れるようになってきたということはあるのでしょうか。

黒住氏 これから変わるかもしれません。高い方の端末が売れるようになるには、やはり時間がかかります。いくら日本の市場がハイセグメントに集中しているとはいっても、そこにわれわれが同じような価格帯の商品を用意するだけでは通用しません。これまで日本に流通していなかったブランドなり商品なりを認知してもらうためにも、時間が必要です。

 ただ、兆しとして、当初より女性のユーザーが増えてきて、年齢層が40歳前後だったところから若い方、高い方にも徐々に広がっています。今後、そういったユーザーが(SIMフリー端末を)認知したとき、より大きくなってくるのだと思います。

―― そのときに、コミコミプランが威力を発揮しそうですね。

黒住氏 効いてくると思います。

―― まだ始まって数日ですが、利用状況はいかがですか。

大尾嘉氏 期待していた通りですね。

黒住氏 コミコミの方とそうじゃない方がいるという前提で作ったもので、やはりそういう形になっています。一極集中にはなっていませんね。

大尾嘉氏 ですが、これから徐々に上がっていくと見ています。今回は新しい端末との組み合わせにしていますが、ニーズのあるところでやっていこうと考えています。

●arrows M03はXperiaと似ている?

―― 黒住さんがarrows M03を持っているのが、今までの経緯を考えると驚きというか、複雑というか、面白いというか……(笑)。ぶっちゃけ、Xperiaに似ていませんか?

黒住氏 僕も富士通さんには行きましたが、最初はどういう説明をするのか、楽しみにしていました(笑)。ただ、モチーフはどうされたのかを聞いたところ、答えとしては彫刻的なアプローチを取っていて、四隅に削りも入っています。ここは、一番の差別化です。ガラスの1枚板の商品の表情を作るのは、こういうところですからね。

 しかも、テレビ用のアンテナまでちゃんと入っているのは、素直にすごい。このコストで、ここまでやれるのかと感心しました。背面はガラスではありませんが、MIL規格まで通してしまっている。ここまでやって大丈夫なのと聞きましたが、彼らは日本市場のことをよく分かっていて、「ここまでやらないと満足してもらえない」と言っていました。ミッドレンジだと手を抜いてしまうところがある中で、一切手を抜いていないのはすごいと思いました。

―― 今回であれば、Blade E01は他のMVNOにない端末ですが、こういった点での差別化も意識しているのでしょうか。

黒住氏 FREETELさんがやられているような自社開発という道もありますが、楽天には、マーチャントさんがいて、彼らが作ったものをしっかり流通させるというカルチャーがあります。honor6 Plusは独占でしたが、あれもHuaweiさんにああいった商品があって、それを独占的に提供した形です。honor6 Plusに関しては、ダブルレンズであの価格帯のものはなかったので、そこに踏み込んでいきましたが、そういうことは、今後もやっていきたいですね。特徴のある商品やブランドを、一緒にやっていくことで、目玉は作っていけると思います。


●ポイントサービスなら大手キャリアにも勝てる

―― 先日の発表で、楽天スーパーポイントを毎月の料金に充当できるようになりました。こちらは、以前からの方針でしたが、かなり時間がかかった印象があります。やはりシステムを作るのが大変だったということでしょうか。

大尾嘉氏 早い段階から発表していたこともあり、重要視はしていました。お客さまのニーズに応じて優先順位をつけていたのは確かですが、開発に時間がかかったのも事実です。特に、決済システムに関わるものでもあるため、万全を期した結果、今回のタイミングになっています。

―― 楽天でちょっと高いものを買えば、通信料も払えてしまうので、これは大きいですね。

大尾嘉氏 モバイルは毎月払うもので、どちらかというと、ポイントを使う側になります。確実に使うものがあるからポイントをためるわけで、ライフラインの1つであるケータイがタダになると思えば、逆に楽天スーパーポイントをためようというモチベーションにもなります。

 楽天スーパーポイントはたまりやすいですからね。今はSPU(スーパーポイントアッププログラム)をやっていて、楽天プレミアムカードを使い、楽天市場アプリを月1回経由し、かつ楽天モバイルユーザーであれば7倍のポイントがつきます。10%に近いので、ドカッとまとめて買うと、ポイントのたまり方もすごいことになります。

 僕自身もヘビーユーザーですが、やはり一番楽しいのは、商品をポイントだけで買えると分かったときです(笑)。

―― 確かにスカッとするので、その感覚は理解できます。チマチマ使うより、なぜか得したようにも感じます(笑)。

大尾嘉氏 それも含めて楽天の強みなので、グループのサービスを使い倒している人には、すごくお得になるのではないでしょうか。

―― 大手キャリアは、逆にポイントプログラムを強化していますが、最初からそれを持っているのは強いですね。

大尾嘉氏 高い視点で見たとき、大手キャリアは自分たちでポイントを作ろうとしていますが、そこの勝負だったらMVNOでも勝てるのではないでしょうか。そこには、バリューがあるからです。

黒住氏 ケータイサービスに対する見方が違って、今まではドコモさんがあって、auさんがあって、ソフトバンクさんがあって、そこにひも付くポイントがあるという考え方でしたが、楽天モバイルは違う見方を提供できるのだと思います。

●MVNOに埋もれず、MNOでもない第三極を目指す

―― 伸びてはいる一方で、目標としての1000万回線にはまだまだ遠いようにも感じます。これに関しては、いかがでしょうか。もう諦めて、現実的な数字を持っているというようなことはありますか。

大尾嘉氏 インスピレーショナルターゲットというような言い方もしていますが、長期的な目標としては、もちろん持っています。今のMVNOのマーケットの規模を超えている数字ではありますが、そこに向けて、頑張っています。

黒住氏 だからこそ、第三極というような言い方をしています。他のMVNOに埋もれるのではなく、MNOでもない。そういうポジションを作っていかなければならないと思います。

―― そこに向けては、先ほどお話いただいた店舗も重要性を増してくるのではないでしょうか。

大尾嘉氏 はい。直営店自体は去年(2015年)からやっていますが、今回は初めて、ITXさんやティーガイアさんと共同でやっていくことも発表しました。もともと、自分たちで直営店を始めた理由は簡単で、まずやってみないと分からないからです。お店の場所を決め、カウンターを設置し、お客さまの導線はどうすればいいのか、どういう接客がいいのかといったことは、試行錯誤の連続でした。

 その直営店をやり、ブランドイメージやルック&フィールはこれがいい、ブランドアウェアネス(ブランドの認知度)はこうすればいいということが分かり、横展開できるようになったため、パートナーにお願いするという流れになりました。自らやってみて、確立したものを代理店さんに展開して、一緒にマーケットを拡大する。今後は、この代理店型の店舗も増えていくことになります。

―― 一方で、代理店で一気に広げると、コストが掛かって価格に跳ね返る心配もあります。その点はいかがでしょう。

大尾嘉氏 その点は、お客さまに跳ね返ることがないようにやっています。根幹のビジネスモデルを納得していただき、その中でできることをやっています。お店を出す場所もものすごく選んでいますし、この点は量販店さん、代理店さんにも納得をいただいた上で、パートナーシップを結んでいます。これだけ掛かったのだから、料金がこうなりますということはしません。

―― HLR/HSS開放の議論もありますが、楽天モバイルさんとしては、この点をどうお考えでしょうか。

大尾嘉氏 検討はしていて、調査、勉強をしているところです。ただ、ユーザーメリットがあることが前提で、これもコストに跳ね返ってしまっては意味がありません。

―― 最後に、中期的、長期的な目標を教えてください。

大尾嘉氏 1つは年内100店舗という言い方をしていますが、そうなるとお客さまがどこに住んでいても、取りあえず話を聞いてから購入できるようにはなります。ある程度距離はあるかもしれませんが、遠すぎて行けないということも少なくなります。そういったタッチポイントは、張り巡らせていきたい。また、お店が近くにない方にも、訪問サポートや出張申し込みを提供しています。まずは、そこをやっていきます。

黒住氏 今だと大手キャリアか格安スマホかという分類になっていますが、第三極として楽天と言っていただけるところに持っていきたい。今、その準備が整った段階です。5分のかけ放題があり、ポイント利用があり、充実のラインアップがあり、アクセサリーにも力を入れています。そういったものがあり、「やっぱり楽天モバイルだね」と言っていただけることが、インスピレーショナルターゲット(1000万契約)への道なのだと思います。

大尾嘉氏 われわれは携帯電話会社というより、モバイルのライフスタイルをサポートし、提案する会社です。スマホやモバイルで楽しいことをしたいときは、楽天に聞けば教えてくれる。通信会社を飛び越え、そういったサービスを提供していきたいですね。

●取材を終えて:第三極のポジション争いも激化

 MVNO同士の競争が激化していることもあり、データ通信の価格は徐々に下落している。特に低容量のプランに関しては、まさに“格安”といえるレベルにまでになった。一方で、単に価格を下げるだけでは、ただの消耗戦になってしまう。そこに何らかの付加価値をつけ、ARPUを上げていくことは、MVNOだけでなく、ユーザーにとってもプラスになるはずだ。

 こうした状況をにらみ、格安でもプレミアムでもない、「第三極」を目指すMVNOが増えている。楽天モバイルも、その有力な1社だ。インタビューからは、もともとあった知名度の高さを生かしつつも、端末やサービスを地道にそろえてきたことがうかがえる。ネットで低価格なSIMカードを販売しているだけでは、ここまでの成長はなかっただろう。

 ただ、この第三極のポジション争いも、徐々に激化している。立ち位置的にライバルといえそうなのが、Y!mobileやUQ mobileだ。この2ブランドには、既にiPhoneもある。ここに楽天モバイルが対抗するには、店舗数を増やしつつ、魅力的な端末をそろえ、サービスを強化していく必要がある。ある意味、これまでやってきた施策の延長線上にあることだが、その手綱を緩めないことが重要になりそうだ。

最終更新:7月21日(木)16時31分

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