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基準地震動評価、議論やり直し 大飯原発で規制委、計算精度に問題

福井新聞ONLINE 7月20日(水)12時36分配信

 原子力規制委員会は20日の定例会合で、過小評価の可能性が指摘された福井県おおい町の関西電力大飯原発の基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)について、指摘を受けて行った再計算の精度に問題があるとして、議論をやり直すことを決めた。

 規制委は13日の前回会合で基準地震動を見直す必要はないと判断したが、計算手法に関する事務局の原子力規制庁の説明が不十分だった。田中俊一委員長は「規制庁はデータをそろえて説明してほしい。その上で議論したい」と述べた。次回以降に再度、議論する。

 過小評価は前委員長代理の島崎邦彦・東京大名誉教授(地震学)が指摘。規制庁は島崎氏の提案に従い、別の計算手法を取り入れて再計算を実施。計算過程で断層面積などの設定に矛盾が生じたが、無理な仮定を重ねて計算した結果、審査で了承済みの最大加速度856ガルを下回る644ガルを算出したという。

 規制庁幹部は「前回の会合では課題をきちんと説明していなかった」と陳謝。計算結果の精度について「信頼性は高くない。レベル感を見ることにしか使えない」と説明した。

 田中委員長は19日の島崎氏との面談で、島崎氏が求めた別手法の採用に否定的な考えを示していた。

 大飯原発3、4号を巡っては福井地裁が14年、福井県住民らの訴えを認め、運転差し止めの判決を出した。この控訴審をはじめ、4件が係争中となっている。

 名古屋高裁金沢支部で開かれている控訴審口頭弁論で住民側は、関電の地震想定を「過小評価の可能性がある」とする島崎氏の陳述書を提出。「関電が策定した基準地震動(耐震設計の目安となる地震の揺れ)は不十分」と主張している。

福井新聞社

最終更新:7月20日(水)14時16分

福井新聞ONLINE