ここから本文です

地方教育行政の支出は増えたが…気になる背景と今後

ベネッセ 教育情報サイト 7/20(水) 16:00配信

文部科学省がまとめた2015(平成27)年度「地方教育費調査」で、学校教育などのために都道府県教育委員会や市町村教育委員会が支出した教育費が5年ぶりに増加したことがわかりました。しかし、その中身をよく見ると、地方自治体の教育費支出が増えたことを単純に喜んでもいられないようです。

背景に二つの震災対応

調査によると、決算が終了した2014(平成26)年度中に地方自治体が支出した教育費は総額16兆900億円で、前年度より2.7%アップしました。地方教育費が前年度よりも増えたのは、5年ぶりのことです。

地方教育費の内訳を見ると、特別支援学校を含む公立の幼稚園から高校等までの学校教育費が13兆5,093億円(前年度比2.7%増)で2年ぶりの増加、図書館や公民館などの社会教育費が1兆6,299億円(同1.7%増)で2年連続の増加、教育委員会事務局などの教育行政費が9,508億円(同4.1%増)で5年ぶりの増加となっています。ただし、地方教育費は1996(平成8)年度に19兆996億円で過去最高を記録して以降、ずっと減少傾向を続けており、今回5年ぶりに増加したといっても、全体の減少幅から見れば微々たるものともいえます。

学校教育費の支出別項目を見ると、教員給与などの人件費が9兆3,859億円で前年度より1.5%増、校舎などの建築費が1兆5,572億円で同6.3%増となっており、この2項目が地方教育費の増加の主な要因といえそうです。人件費が上昇した理由としては、東日本大震災の復興財源確保の一環として削減された国家公務員給与の減額期間が終了し、それに準じていた教員など地方公務員の給与もアップしたことが挙げられます。

また、建築費の上昇も、東日本大震災以降、文科省の強い指導により公立学校の耐震化が進められ、校舎などの耐震化経費が増えたことが原因と思われます。こうして見ると地方教育費が前年度より増えたのは、必ずしも積極的な理由によるものではないことがうかがえそうです。

1/2ページ

最終更新:7/20(水) 16:00

ベネッセ 教育情報サイト