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[インタビュー]政府に「米国の信頼を失うことはできない」と言われた

ハンギョレ新聞 7月20日(水)6時58分配信

田中邦生・京都府京丹後市議会議員

 田中邦生さん(64・写真)は2014年末に本格的に稼動した米国の高高度防衛ミサイル(THAAD<サード>)のXバンドレーダー(AN/TPY-2)が設置された京都府京丹後市の市議会議員だ。日本共産党所属の地方議員としてレーダーの設置に反対してきた彼に、2013年12月に設置されたレーダーが地域社会にもたらした多くの変化について尋ねた。

―日本での配備はどう決められたのでしょうか。

 「2013年2月、米日首脳会談を通じて配備計画が発表された。事前に相談もなかった。地元住民は誰もが『これは一体何だ』という反応だった。皆不安に思っていた。2014年3月、過半数以上の市民の署名(6854人)を集めて市長に提出したこともあった」

―政府の意向を撤回できませんでしたね。

 「政府は『このレーダーは日本の国益のためのものだ、安保に寄与する』という主張を繰り返した。私たち(地元住民)はレーダーが人体に及ぼす影響や危険性、米軍や軍務員(軍属)が事件・事故を起こしたらどうなるのかなどを問い詰めた。攻防は自治体が(レーダーの設置を)正式に受け入れることを決定した9月まで続いた。政府は米国に対しては中途半端な態度を取った。 私たちは国会に行って防衛担当官僚を呼んで交渉したが、(彼は)『米国の信頼を失うことはできない』と言っていた。私はこのレーダーが米国のためのものであって、日本の防衛のためのものではないと思った。レーダーの後側に岳山がある。その上に自衛隊のレーダー(FPS-3)が設置されている。これまではこのレーダーで十分だと言っていたのに、立場を変えたのだ」

―地元ではどのような検証を行いましたか。

 「2013年3月、市議会に基地特別委員会を設けた。2006年6月には同レーダーが設置された青森県車力地域を視察した。青森のレーダーは、民家から3~4キロメートル離れた場所にあり、途中に防風林などが広がっているため、住民に対する電磁波や騒音被害はなかった。しかし、ここ(経ヶ岬)は(レーダーから)200メートルくらいに民家がある。立地条件があまりにも異なっていた」

―最初は健康被害を訴える住民たちも多かったそうですが。

 「最初は騒音があまりにも大きく、夜にも眠れず、母乳を飲ませるお母さんのおっぱいが出なくなるなどの健康被害が4カ月間ほど続いた。2015年2月、発電機にマフラーをつけてから、(騒音が)少しましになった。政府が基地再編交付金(30億円)や民生安定事業などを通じて、住民の要求の大半を受け入れている。だから、不合理なことがあっても、なかなか不満を言い出せない状況になった。電磁波が人体に与える影響を正確に知るためには、レーダーの性能と関連した具体的な情報が公開されなければならない。しかし、これは軍事機密だ。レーダーによる健康被害をめぐっては、科学者たちの間でも様々な見解がある。Xバンドレーダーを作る過程で、レーダーから発生する熱によって、作業員たちが白内障にかかったとする被害は報告されているが、電磁波や騒音被害は因果関係を立証するのが難しく、本人が異常を感じたとしても(これをレーダーによるものと)主張するのは難しい」

―韓国の星州(ソンジュ)では海に向かっている日本とは異なり、400メートルの山頂に、(たとえ高いところとはいえ)人の住む町に向かってレーダーが設置される予定です。

 「そうなのか?それはひどい。『設置すべき』という結論ありきで進められているからね。(しばらく沈黙して)人体実験を行うわけにもいかないし…。(レーダーの)前に住みたいとは思えないだろう。軍事対軍事で互いに緊張関係が高まっているのは、北東アジアの平和にとってもよくない。抑止力では平和を維持できない。 (日本では)平和や地位協定の問題についてあまり声をあげない地域に基地が作られた。ここは基本的に国家が何かをするなら、我慢せざるを得ないと思う保守的な地域だ」

京丹後(京都)/キル・ユンヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:7月20日(水)6時58分

ハンギョレ新聞