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見えない杭施工を3次元で可視化、品質向上や施工リスクの低減に

スマートジャパン 7月21日(木)6時10分配信

 安藤ハザマは2016年7月、地盤改良や杭工事の施工情報を可視化する「3Dパイルビューアー」を開発したと発表した。出来形や品質の確保、さらに帳票作成などのデータ管理の省力化に貢献する。

 地盤改良や杭工事では、品質の確保に加えて出来形の計測が重要になるが、いずれも地中の目に見えない箇所で行われるため、施工状況を目視で確認・評価できない

。そのため改良体の出来形の把握や支持層の変化に応じた補正をリアルタイムに行うことが難しかった。加えて従来の施工管理では、オシログラフの波形や材料使用量などの膨大な数値データの中から、必要なデータを抽出して効率的に評価したり、日報作成のためにデータを入出力したりすることに多くの労力が必要であり、工事担当者の大きな負担になっている。

 安藤ハザマではこうした課題に向けて、3Dパイルビューアーを開発した。同システムは「GNSSやトータルステーションを利用した位置誘導機能」と、「改良体・杭の施工情報(施工深度、電流値、スラリー量、地盤性状など)を即時に可視化・評価・記録する機能」の2つで構成される。

杭を正しく誘導

 GNSS(汎地球測位航法衛星システム)、トータルステーション、傾斜計を利用した杭位置誘導機能により、キャビン用モニターの表示に従い杭先端を計画した杭芯位置誘導する。目杭のずれやオペレータの誤認識による施工ミスの軽減に貢献する機能だ。

 杭先端の軌跡、電流値、スラリー量、回転数などの情報をリアルタイムにクラウドに集積し、施工状況を3次元で可視化することもできる。専用モニターを通して、地中での杭・改良体の形状を確認可能だ。杭の状態を未施工、施工中、施工後の区分で識別するとともに、進捗状況や地盤抵抗値などを色の変化で表現する仕様となっており、直感的に認識しやすくした。可視化した情報は登録ユーザーであれば、インターネット回線を通じてどこでも確認できる。管理値を越えた場合などは、即時に関係者に通知して異常を共有するといった活用が可能だ。

既存工法に幅広く適用可能、地盤性状のリアルタイム評価も

 深度や電流値などの施工情報は、さまざまなデータ形式を読み込むことができる。そのため深層混合処理工法や締固め杭工法、中堀式などの既製杭など、既存の工法に幅広く適用できる高い汎用性も特徴となっている。

 この他、削孔時の地盤抵抗値と土質に応じた換算係数から、地盤のN値や強度をリアルタイムに確認し、設計との差異を比較できる機能も備える。施工全数で地盤情報を評価できるため、限られた地盤調査結果から設定した条件の妥当性や、次に施工する隣接工区へのフィードバックを効率的に行える。施工仕様の見直しや追加対策の必要性を判断するのに役立つ機能だ。

データ管理の省力化にも貢献

 データ管理の省力化に貢献する機能も搭載している。日報やデータ分析に必要な出力項目と書式を自由に設定し、終業時にワンクリックで日報を作成できる。また、施工済みの大量の改良体や杭の情報を任意のグループに分けて管理したり、改良長、改良強度、施工日ごとの情報を引き出して確認したりすることも可能だ。など、各種データはCSV形式での出力も行える。

 安藤ハザマでは同システムを深層混合処理工法や締固め砂杭工法を対象に4現場に適用し、現場の要望を取り入れながら改良を重ねてきた。現在は、既製杭工事への適用を進めており、今後も、総合評価方式の技術提案や自社の施工工事に積極的に採用するとともに、国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)への登録も予定している。

最終更新:7月21日(木)6時10分

スマートジャパン

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