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蓄電池のように水素を使う、再生可能エネルギーの出力変動対策に

スマートジャパン 7月21日(木)7時10分配信

 東北電力は再生可能エネルギーの導入拡大に向け、課題である出力変動の対策技術の研究開発を進めている。その1つとして研究開発を計画しているのが、水素製造装置を活用した出力変動の吸収だ。余剰電力で水素を作って貯蔵し、有効利用する狙いである。

 この技術の実証は仙台市青葉区にある東北電力の研究開発センターで2017年3月から実施する計画だ。東北電力ではこれに向け、2016年7月15日から水素製造装置の設置工事に着手した。

 水素製造システムは、研究開発センター内の約400平方メートルの敷地を活用して設置する。施設の屋根に約50kW(キロワット)の太陽光発電設備を設置し、発電した電力をためる容量約60kWh(キロワット時)も併設する。

 この電力と1時間あたり5Nm3(ノルマルリューべ)の製造能力を持つコンテナ型の水電解水素製造装置を使って水素を作る。水素は容量約200Nm3の水素吸蔵合金方式の貯蔵タンクにためておき、必要に応じて燃料電池で発電する。発電した電力は研究開発センターで利用していく計画だ。

蓄電池システムと同等の性能を目指す

 東北電力ではこれまで再生可能エネルギーの導入拡大に伴う系統安定化に向け、他の電力会社に先行して大型の蓄電池システムの活用に取り組んできた。既に複数の設備が営業運転を開始している。

 基幹の変電所の1つである宮城県の「西仙台変電所」では、2015年2月から容量2万kWhの蓄電池システムが稼働を開始している。続いて2016年2月からは福島県の「南相馬変電所」で、さらに容量が大きい4万kWhの蓄電池システムが営業運転を開始した。この南相馬変電所に導入した蓄電池システムだけで、再生可能エネルギーによる発電設備の接続可能量を5万kW増やせる見込みだという。

 東北電力このように再生可能エネルギーの出力変動対策に対して、蓄電池システムを活用した取り組みを先行して行っている。新たに開始する水素製造を活用した変動吸収技術については、出力変動対策としてこうした蓄電池システムと同程度の性能が見込めるかどうかを検証していく計画である。

 今回、設置工事を開始した水素製造装置は2017年10月に設置が完了する見込みだ。計画では2017年3月~2019年3月までの2年間実証研究を行う予定だ。東北エリアでは2016年4月に東北初の商用水素ステーションがオープンするなど、水素社会の実現に向けた取り組みが少しずつ広がってきた。再生可能エネルギーの導入拡大だけでなく、水素社会に向けた取り組みのどちらの観点からも期待が掛かる実証だ。

最終更新:7月21日(木)7時10分

スマートジャパン

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