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新VRアトラクション『ZERO LATENCY VR』を体験 特殊部隊になりソンビに襲われた街で死闘してきた

ファミ通.com 7月21日(木)1時16分配信

文・取材:編集部 工藤エイム、撮影:カメラマン 永山亘

●コードレスで自由に歩き回れるVRコンテンツ!
 セガ・ライブクリエイションが運営する東京・台場の屋内型テーマパーク“東京ジョイポリス”にて、世界初となるフリーロームで6人同時プレイ可能なVRアトラクション『ZERO LATENCY VR』が、2016年7月23日(土)に登場する。今回、一足早く第1弾ソフト『ZOMBIE SURVIVAL(ゾンビサバイバル)』を体験したので、試遊の感想とともにゼロ・レイテンシー CEOへのインタビューをお届けしよう。

 『ZERO LATENCY VR』とは、ゼロ・レイテンシー社(オーストラリア)が開発した最新のVRアトラクション。プレイヤーがヘッドマウントディスプレイなどを装着することで、VR空間で全身を使ってゲームを体験することができる。
 本作の第1弾ソフト『ZOMBIE SURVIVAL(ゾンビサバイバル)』は、メルボルンにて約1年間、β版の営業を実施。その圧倒的な没入感によりSNSを中心に話題が広がり、現在予約が困難なほど大ヒットを記録している。

 本作最大の特徴はプレイヤーが能動的に動くことが出来る“フリーローム”と、ほかのプレイヤーと協力プレイが可能な“6人同時プレイ”。今回体験した第1弾ソフト『ZOMBIE SURVIVAL(ゾンビサバイバル)』では、ゾンビの大群に襲われ壊滅的被害を受けた街を舞台に、住民を救出するため、プレイヤーは救出チーム(プレイヤー)として街に送り込まれることになる。迫りくるゾンビを6人で協力して撃退し、無事救出計画を成功させるというものだ。

●上官とブリーフィング(作戦会議)
 体験用に用意された部屋に赴き、さっそくプレイに臨む。とその前に、ブリーフィングだ。上官(スタッフ)から本作戦の任務や注意事項、ゾンビの情報を叩きこまれる。
 ゾンビは頭が急所となり、ヘッドショットをきめることで死亡、あるいはダウン状態にさせることができる。プレイヤーはVR空間のバトルフィールドを自由に歩き回れ、ゾンビの進行を防ぐバリケードとエレベーターをうまく利用して優位な状況に持っていくのが、生き残るための秘訣だという。
 プレイヤーが使用するガンコントローラーは、重さ約2kg。長時間持つには少々しんどい重さだが、重さも本物の銃の重さに近く、リアリティーを感じる。ガンコントローラー横のボタンを押すことで、アサルトライフルのほかに、サブマシンガン、ショットガン、スナイパーライフルに切り替え可能。状況に併せて使い分けていくのも、攻略のカギとなりそうだ。
 ちなみにソンビに襲われて死亡してもリスポーン可能。10秒間幽体離脱した後、戦場に復帰できる。

 ブリーフィングが終わると、ヘッドマウントディスプレイを始めとする機器の装着へ移る。写真のリュック型PCは重さ4kgとのことだが、重さはそんなに感じられない。リュックには、ロープでヘッドマウントディスプレイとヘッドホンが繋がっているので、ずれ落ちて壊す心配はなかった。装備を整え終わると、いざバトルフィールドへ進行だ。

 さて、ヘッドマウントディスプレイに画面が映しだされ、VR空間へ入り込む。余談だが、筆者は3月に行われたGDC2016で『Paranormal Activity VR』を体験してから(→記事はこちら)、VR向けのホラーやゾンビものにトラウマがある。荒廃しあちこちで火事が起きているフィールドにいるだけで、恐怖感が込み上げ逃げ出したくなった。VRの没入感、恐るべし。
 さて、ソンビが出現する前に、ガンコントローラーの練習時間が設けられる。先述したとおり、VR上ではAK-47やM16のような銃から、レミントンM870のようなポンプアクション式ショットガンを使用でき、練習時間で存分に試し撃ちができる。VR上ではスコープやレティクルは映し出されなかったが、レーザーサイトがあるので、容易に照準を合わせることができた。

●ゾンビを撃退して任務を成功させろ!
 いよいよゾンビと対決だ。フィールドには3ヵ所ほどバリケードがあり、スパナのマークを撃つと、バリケードがどんどんできあがる。序盤はゾンビの排除とバリケードの構築のくり返しで、サブマシンガンなどで難なく迎え撃つことことができた。しかしど徐々に時間が経つにつれ、ゾンビの出現数が増えいく。しまいには背後から襲ってくるソンビに気が付くことができず、一気に囲まれてしまった。6人で背中を守り合いながらゾンビを迎え撃つのがベストだが、やはり初めて会う相手とは、なかなかすぐにチームワークは発揮できない。ヘッドセット越しの「あの、助けて下さい……」の声もむなしく、あえなく1デスを稼いでしまった。

 気を取り直して、再度戦場へ。出現するゾンビも、大柄なものから、ゾンビ化してしまったであろう兵士まで、さまざまな種類が出てくるようになる。終盤に差し掛かると、1マガジンでは倒せないほどの屈強なゾンビが出てくるので、ここでショットガンに変更することにした。ショットガンで順調にゾンビを排除しているが、かなりアクティブに動きまわっていたせいなのか、腕が辛くなってきた。ポンプアクションにもたついていると、あっという間にゾンビに囲まれて、ふたたびピンチに。しかしここで、後方からの援護射撃で生き残ることに成功! 徐々に芽生えてきた“チームワーク”で、なんとか救出計画を成功させました。

 ということで、あっというまに体験は終了。本コンテンツにはスコアが計測されており、記者は6人中6位という残念な結果になってしまった。日々FPSゲームをやっているとはいえ、仮想現実でのフリーロームではまったく力を発揮できず悔しい。ぜひ再挑戦したい。

 体験後は、『ZERO LATENCY VR』制作者に合同インタビュー。お相手はゼロ・レイテンシー CEOのティム・ルーズ氏だ。

――“東京ジョイポリス”での展開に至った経緯を教えてください。

ティム アメリカで開催されたトレードショーで、Sega of Americaのエージェントに声をかけてもらったのがきっかけです。日本でどのように取り組んで行くか昨年から話しあっており、今回出展に至りました。SEGAで出展するにいたったポイントは、新しい技術やテクノロジーを世に出す歴史があるというのがひとつ、ふたつめのポイントは強いブランドをもっている、3つ目は運営的に経験豊富で、うまく日本のマーケットに出せる企業だと思ったからです。

――『ZERO LATENCY VR』を開発するきっかけは?

ティム ゼロ・レイテンシー社の創立者のひとりがこのアイデアを立案して、仲のよかった人が集まっていっしょに作ろうということになりました。ゲームをスクリーンでやるのではなく、ゲームの世界に入るということをビジョンに、制作していきました。

――技術的な面の話ですが、6人の動きをトラッキングするのはなかなか開発に苦労したのでは?

ティム 間違いないです! 開発に4年かかりました。スコット(ゼロ・レイテンシー社創設者のひとり)が非常に優秀だったので、彼が技術を一から作ってくれました。それでもいままでやってきた中で、一番難しかったです。動きをトラッキングすることも、すごく難しい技術です。トラッキングがうまくできていない、ソフトの一部分に支障が生じるなど、なにかひとつでも問題があったら没入感は感じられなくなってしまいますし、そのほかの問題も発生してしまうので、常にハイフレームレートでトラッキングをして、なおかつ精度の高いまま維持するようにしなければいけませんでした。

――背中に背負うPCは、特注なのでしょうか?

ティム Alienware Alphaを使用しています。

――背負ったPCどうしが、ネットワークで繋がっているということでしょうか?

ティム はい、そうなります。各1台それぞれがクライアント型になっています。システムにスケーラビリティが入っているので、メルボルンでは現在16人同時プレイをテスト中ですよ。まさに『バトルフィールド』(エレクトロニック・アーツのミリタリーFPSゲーム)のような世界で、フリーロームできるような作りを目指しています。また、ガンコントローラーだけではなくいろいろなコントローラーを使用した、ファンタジックなゲームからパズルゲームまで開発中です。

――第2弾のゲームについてもう少し詳しくお聞かせいただけますか?

ティム まだ詳細については話せませんが、現在、宇宙空間を舞台にしたものとパズルゲームを開発中です。時期が来たら公開するので、楽しみにしてください。

――今後、PCやヘッドマウントディスプレイはバージョンアップされて新製品がつぎつぎと出てくると思うのですが、ヘッドマウントディスプレイなども順次アップグレードして行く予定でしょうか?

ティム いま使用しているのは、独自にカスタマイズしたOS VR(開発・販売:Razer)になります。現在はOS VRバージョン1.4がベースです。仰るように、PCハードなどは非常に動きが早い業界ですので、自分でハードを設計するより、Alienware さんやRazerさんといったパートナー企業といっしょになって取り組んだほうがよいかと判断しています。

――将来的にはハードはアップグレードされていくと期待していいですか?

ティム ハードに固執せずにマルチに使えるプラットフォームを使用していますので、それに付随するハードには変えたりはできます。

――今回は6人同時プレイでしたが、今後はメルボルンのように16人同時プレイといったプレイ人数を拡張するのでしょうか? それとも遊べるコンテンツを増やす方針ですか?

ティム プラットフォームやシステムはそのままです。システムはマルチファンクションなので、コンテンツを拡張することもできますし、まったく新しいものを作ることも可能です。フリーロールは現在、一番没入感が高いVR体験だと思っていますが、それについても今後も改良を重ねていく予定です。

――今回遊ばせて頂いた『ZOMBIE SURVIVAL(ゾンビサバイバル)』には、上官(スタッフ・ゲームマスター)がいましたが、上官がボスを投入したりなど、ある程度の操作はできるのでしょうか?

ティム それについては現在試験段階で、ゲームマスターにコントロール権限を与えようか模索中です。メルボルンではそこそこ上手にプレイできる人も現在出てきいているので、そういう方を対象に実装しようかと考えています。もしメルボルンでうまくいけたら、ジョイポリスでも導入するかもしれません。とはいえ、ジョイポリス版はゾンビの量を増やしたり、ゾンビの移動速度を上げていたりと、メルボルンよりかなりアグレッシブな設定になっています。

――コンテンツについてですが、例えば『PSO2』の世界を題材にしたVRコンテンツといった、サードパーティーのものは考えていらっしゃるのでしょうか?

ティム サードパーティに自由度を与えて、Unityでもunreal engineでも制作できるような仕組みにはなっています。アセットやアイデアを持ってきて作るのもアリかもしれませんね。ただ、現在世に出ているFPSゲームは、ボタンひとつで屈んだりしゃがんだりができますが、リアルなフリ―ロームでは難しいかと思っています。

――『ZERO LATENCY VR』は現在アーケード向けですが、家庭用での提供予定はあるのでしょうか?

ティム 今後、大阪 対 東京といったPvP対戦を計画しています。そのほかにも、自宅のPCを使用して、ゾンビとして参加したりと、リアルスペースでプレイしなくてもいい企画は検討中です。

――PvP対戦ではインターネット回線を使用しますが、遅延問題は大丈夫でしょうか?

ティム メルボルン 対 日本は難しいかと思いますが、東京 対 大阪でしたら可能だと思います。先ほども申しげたと思いますが、PvPはメルボルンで現在テスト中で、非常に楽しいのですが生き残るのが本当に大変です。すぐ撃たれて死んでしまいますので……(笑)。すごい運動にはなりますね。

――実際にプレイして、激しい運動だと感じました。汗でレンズが曇ってしまうことがあるかと思いますが、なにか対策はされていらっしゃるのでしょうか?

ティム それは認識していますし、解決方法も模索しています。ちなみに、メルボルンでは逆の問題があって、施設が寒いのでゲームをやる前にヘッドセットをあたためているんですよ。

――(笑)。ちなみに、メルボルンでの女性参加者の割合ってどのくらいでしょうか?

ティム 約30%です。

――プレイ終盤、ガンコントローラーが重く感じてしまったのですが、女性用の軽い銃などは計画しているのでしょうか?

ティム ガンコントローラーは初期段階から大きさは約半分になっています。初期はかなり本物の銃の重さに近いです。また、女性からのフィードバックでは、「VRの世界に入るのはすごく楽しいが、別にゾンビじゃなくていいよね? シューティングゲームじゃなくてもいいのに」という意見がありました。先ほどの話に戻ってしまいますが、シューティングじゃない、ガンコントローラーを使わないコンテンツを現在制作中です。ほかにも、メルボルンの女性参加者の中には、ゲーマーではなくVRにも興味がない人がいらっしゃったのですが、パートナーに誘われていざプレイしてみると、ゲームという枠を超えた“新しい領域の体験”として、「思った以上に楽しかった」という反応はありました。

――料金設定はどのように決めたのでしょうか?

ティム クラウドファウンディングの時点で、約60ドルで30分のプレイを提供をしたら反応がよかったので、もう少し値段を高くしてもいいかなと。けど高すぎるのも問題なので、そこをうまく調整して決めています。ちなみに現在メルボルンで展開しているバージョンは、1ゲーム45分程かかります。ブリーフィングなどを含めると、約1時間かかります。

――ちなみに1時間プレイして、何カロリーくらい消費するんですか?

一同 (笑)。

ティム 今度数式で計算してみます(笑)。

――最後に、これからプレイする方に向けてにメッセージをお願いします。

ティム いままで体験したことのないものになっています。未来的な感じがするはずです。

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ZERO LATENCY VR概要
第1弾ソフト:『ZOMBIE SURVIVAL(ゾンビ サバイバル)』
ジャンル:シューティングゲーム
料金:東京ジョイポリス入場料+1800円[税込]「オープニング価格」
プレイ人数:1~6名
年齢制限:13歳以上
プレイ時間:30分(ブリーフィング時間 15分+プレイ時間 15分)
ゲームエリア:16.8m×16.8m
グランドオープン日:7月23日(土)
予約受付開始日時:7月19日(火)9:00 から

最終更新:7月21日(木)1時25分

ファミ通.com

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。