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【柔道】名伯楽・吉村和郎氏が五輪柔道男子代表に喝!

東スポWeb 7月21日(木)10時13分配信

 ついに、あの柔道名伯楽が口を開いた――。全日本柔道連盟の元強化委員長で数々の五輪金メダリストを育て上げた吉村和郎氏(65)が本紙の直撃インタビューに応じた。柔道界の一連の不祥事後で、メディアに登場するのは初めて。第一線を退いた名伯楽はリオ五輪の柔道代表をどう見ているのか、2回にわたってお届けする。前編は男子だ。金メダルを取るための“超辛口エール”を聞くべし。

 ――選考された男子代表のメンバーを見ての印象から

 吉村氏:現状、ベターな選考だと思うよ。

 ――ベストではない

 吉村:4月の全日本体重別選手権が代表の最終選考会になっとるけど、100キロ級の羽賀龍之介(25=旭化成)が出場しとらんし、優勝していないのに代表に選ばれた選手もおる。そういう意味ではベストとは言えない。というか、昔からそう思うんだけど、これを最終代表選考にうたわなくてもいいんじゃないか。

 ――どういうことか

 吉村:もっと早く決めればいいのよ。講道館杯、グランドスラム、あとはヨーロッパ遠征を考慮すれば十分。時期としては2月ぐらいで決められるだろう。

 ――早ければ選手も調整しやすい

 吉村:ケガをしても治療する時間が得られるしな。よくわからないのは、代表決まったのにマスターズとか実業団とかの試合に出とるやつ。五輪前にケガしたらどうすんだ。

 ――男子の中で金メダルに近いのは

 吉村:73キロ級の大野将平(24)と、81キロ級の永瀬貴規(22=ともに旭化成)だとみている。大野は刈るし、跳ねるし、思いっきりのいい柔道をする。一番面白いと思う。永瀬は何というか、フワフワした雲をつかむような柔道が外国人に効く可能性がある。それでいて懐が深いし、力強い。結局、その選手の長所を最大限の武器に使えるかどうかが勝負なんよ。90キロ級のベイカー茉秋(21=東海大)は腕力があるらしいが、外国人に対して腕力がどこまで通用するかはわからんな。

 ――先陣を切る60キロ級の高藤直寿(23=パーク24)は

 吉村:いろいろな柔道の形を持っているからハマれば強い。でも、初戦で敗退したり、最近はポカも多い。やはりメンタルに問題があるんだろう。100キロ級の龍之介もそう。技は切れるのにケガに弱すぎる。本番までどこまで追い込んでいるかにかかっている。

 ――ケガにも負けない心が金メダルを引き寄せる

 吉村:考えてもみろ。五輪は4年に1回しか巡ってこないんだ。そのチャンスが与えられているのに、どこそこが痛いとか言うか? 2008年北京五輪で、(谷本)歩実(34=現コマツコーチ)が決勝でリュシ・ドコス(34=フランス)に内股で一本勝ちしたときがあった。歩実は腰を痛めていたけどな。次にチャンスがあるなんて思うなと言いたい。66キロ級の海老沼匡(26=パーク24)は別の意味でメンタルに問題がある。

 ――どういうことか

 吉村:真面目すぎて、気持ちに余裕がない。パターンが決まっているから、外されたら返されてしまう。柔道にはどこか遊びが必要。だからこそ相手の想定外の仕掛けにも対応できる。所属の監督でもある(吉田)秀彦(46)を少しは見習えと言いたい。相手に応じて組み手をいろいろ考えられるから1992年バルセロナ五輪で金メダルを取れるわけだ。まあ、2000年シドニー五輪では3回戦で右ヒジを脱臼して敗退したんだけどな。オレに言ったセリフは「いや~先生、(シドニーに)来るんじゃなかったです」だもん。「お前、ここまで来て言うセリフじゃねえだろ」って怒ったけど(笑い)。言葉にも遊びがある。

 ――100キロ超級の原沢久喜(24=日本中央競馬会)は難敵テディ・リネール(27=フランス)をどう攻略すべきか

 吉村:今まで対戦したことがないというのが面白いかもしれん。とにかく釣り手を落とされないようにすること。あとはガンガンいくしかない。先に圧力を与えれば、人間は守りに入るから勝機が生まれる可能性がある。相手はベテランだ。胸を借りるつもりでイチかバチかいくことよ。

(次回の女子編に続く)

☆よしむら・かずお=1951年7月6日生まれ。熊本県出身。71年全日本新人体重別選手権優勝。73年スイス・ローザンヌ世界選手権軽中量級3位。80年に引退後は柔道私塾「講道学舎」の指導者として古賀稔彦氏、吉田秀彦氏らを育てた。96年から日本代表女子監督を務めて谷亮子氏らを指導。2004年アテネ五輪では日本女子に金メダル5個をもたらした。11年7月の本紙連載「金メダリストのつくりかた」では柔道界に反響を呼んだ。13年1月に発覚した女子柔道の暴力問題の責任をとり、第一線を退く。

最終更新:7月21日(木)10時13分

東スポWeb

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