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TOTO、ベトナムの工場でIoT活用の生産システムを構築

ITmedia エンタープライズ 7月21日(木)8時13分配信

 衛生陶器メーカーのTOTOがベトナム・ハノイのタンロン工業団地にあるTOTOベトナム第一工場にIoTを活用する新システムを導入し、7月1日に稼働を始めた。富士通と富士通システムズ・イーストが20日に発表したもので、TOTOのグローバルサプライチェーンの軸とに位置付けられているという。

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 TOTOなどが手掛ける大型かつ複雑な形状の衛生陶器の製造は、後工程での変形や収縮を考慮した成形作業、窯の温度管理、認定検査員による全数検査など、熟練の技と高度な技術が求められるという。同社はアジアの重要拠点となるベトナムで品質向上と優秀な作業員を育成するため、富士通システムズ・イーストと今回のシステムの構築を2015年9月から進めてきた。

 富士通によれば、以前は生産実績や製品の検査結果を作業員が紙に記録していたが、システム導入後はタブレットやハンディターミナルで入力できるようになった。独自開発のアプリケーションを搭載するタブレットの入力画面を実際に現場作業員に操作してもらいながら視認性や操作性を改善。文字の大きさから入力項目の配置、キーボードのサイズに至るまで共同で作り上げたという。

 新システムは、原料とひも付けて全工程の生産状況や品質情報を可視化する。ICタグやバーコードを活用し、原材料の調合から検査に至るまでの全工程の品質や進ちょくに関する情報に加え、原料調合時の湿度や温度、衛生陶器に吹き付ける釉薬の種類などの実績情報、熟練工の作業手順やノウハウなどあらゆる情報を収集して、デジタル化する。これにより、かつてはデータ化が難しかった熟練工のノウハウを可視化したり、統計的なデータに基づく分析をしたりできるようになった。

 情報収集には、仕掛品や各種設備に貼られたICタグやバーコードを利用。製品ごとのトレーサビリティをリアルタイムに把握し、製品出荷後も製造時の品質情報を利用して、ユーザーの問い合わせにも迅速に対応できる。また、品質検査データの管理では、検査結果を漏れなく詳細に記録するようにして、水洗便器の前後・左右・上下の6方向の図面をタブレット上に表示し、不具合の位置や状態を瞬時に登録したり、確認したりできるようになった。

 TOTOベトナムでは、システム導入によって作業者同士の意見交換やコミュニケーションが活性化し、現地社員自らが現場の改善へ積極的に取り組んでいるという。

 紙による情報管理からICタグやバーコードによるIoTシステムへの移行は、「製造現場の革新」ともいえ、現場の改善意識の定着にも寄与するシステム導入が注目される。特に、熟練工のノウハウを生かして品質向上を実現するには自律性が欠かせず、作業員の意見を聞きながら情報を収集・活用するシステムを実現している点が特徴的だ。

最終更新:7月21日(木)8時13分

ITmedia エンタープライズ