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「子連れ狼」なぜハリウッドでリメイク? 米でカルト的人気呼びタランティーノにも影響

BuzzFeed Japan 7/21(木) 5:00配信

小池一夫氏原作の時代劇漫画「子連れ狼」がハリウッドでリメイクされると米ヴァラエティー紙などが先月27日に報じた。
【BuzzFeed Japan / 徳重辰典】

製作を手がけるのはスティーヴン・ポール氏率いるSPインターナショナル・ピクチャーズ。ポール氏はハリウッド映画「攻殻機動隊」を手がけるプロデューサーで、小池氏からリメイクと続編製作の権利を獲得したという。

過去には「ブラック・スワン」のダーレン・アロノフスキー監督や「ワイルド・スピード」シリーズのジャスティン・リン監督によるリメイクの噂があったが、いずれも実現しなかった。

リメイクにこぎ着けたポール氏は「僕は長年この作品の大ファン。このプロジェクトを始められるチャンスを得て、言葉にできないくらい興奮しているよ」と喜びのコメントをしている。

「子連れ狼」は原作・小池一夫氏、作画・小島剛夕氏が手がけた劇画だ。柳生一族の手によって、妻を含む一族を皆殺しにされた凄腕の剣士・拝一刀が、生き残った息子・大五郎を伴い、子連れの刺客として活躍する姿を描く。

これまでに若山富三郎が主演した劇場版のほか、萬屋錦之介、高橋英樹などの主演で4度テレビドラマ化されている。

なぜハリウッドで映画化されるのか

「子連れ狼」は1972年から若山富三郎主演で映画化されると、以後若山主演で6本の作品が作られた。この映画版がアメリカでカルト的なヒットとなった。

配給は「B級映画の帝王」と呼ばれたロジャー・コーマン率いるニューワールドピクチャー。同社では映画第1作「子を貸し腕貸しつかまつる」と第2作「三途の川の乳母車」を一本の映画に大胆に編集し「SHOGUN ASSASSIN」として1980年にアメリカで公開した。

映画はB級映画を2本立て、3本立てで公開する映画館「グラインドハウス」で主に上映された。空高く上がる鮮血、文字通り真っ二つになる人体、手足を斬られて芋虫のように転がる刺客と過剰すぎる殺陣が人気を呼び、後のスプラッター映画にも大きな影響を与えたといわれている。

影響を受けた一人がクエンティン・タランティーノ監督。若いころにグラインドハウスに通っており「キル・ビル」の殺陣シーンは「子連れ狼」の影響と公言している。

映画だけでなく、原作の劇画も世界的に評価が高い。1987年には子連れ狼の英語版「Lone Wolf and Cub」がアメリカで出版。日本漫画の英語翻訳の先駆けとなった。

表紙を手がけたのは原作の大ファンだったアメコミの大御所フランク・ミラー。作品は北米のみならず世界中でヒットし、海外で日本漫画が広まる一翼を担った。小池氏と小島氏は2004年、漫画界のアカデミー賞といわれる「アイズナー賞」で殿堂入りも果たしている。

トム・ハンクス主演で2002年に公開された映画「ロード・トゥ・パーディション」の原作は、子連れ狼の英語役を下敷きにマフィアの話へと置き換えた。
題名の「Road to Perdition(地獄への道)」は、子連れ狼の中に登場する「冥府魔道」との言葉からきている。

今回のリメイクは1993年公開の映画「子連れ狼 その小さき手に」が元となる。田村正和主演で撮られた映画は、血みどろだった若山版とは一線を画した親子の愛に焦点があてられた作品。原作者の小池氏も企画・製作に携わっている。

リメイクで気になるのは一体どの俳優が主人公・拝一刀を演じるか。ポール氏が手がける実写版「攻殻機動隊」では、主人公・草薙素子役をアジア人ではなくスカーレット・ヨハンソンが演じることで、一部ファンから配役を白人中心にする「ホワイトウォッシング」だと批判を浴びた。

このためポール氏は「子連れ狼」のリメイクに関しては、基本的に日本人のキャストで撮影する意向をヴァラエティー紙で明かしている。

映画は来年からタイや中国で撮影を開始する予定。配役がどの役者になるか注目が集まりそうだ。

最終更新:7/21(木) 18:45

BuzzFeed Japan