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今年度粗鋼生産、3年ぶり増加の公算。6月は2.7%増の876万トン

鉄鋼新聞 7月21日(木)6時0分配信

 日本鉄鋼連盟が20日発表した6月の国内粗鋼生産量は前年同月比2・7%増の876万トンとなり、3カ月連続で前年同月実績を上回った。この結果、4~6月は当初見込みを若干上回る2620万トン(前年同期比1・3%増)で確定した。経済産業省が今月初めに発表した需要見通しを織り込んだ今年度上期の生産量は5356万トンと、2015年度上期に対し約150万トン増える計算。下期以降の鋼材需要の回復度合いにもよるが、粗鋼生産量は今年度、3年ぶりに前年を上回る可能性が出てきた。

 今年度下期の鋼材需要に関しては、輸出市場に不透明感が残るものの、「東京オリンピック関連の需要が本格化する」(関係筋)ことなどから、内需を中心に回復傾向が見込まれている。
 上期の粗鋼生産が、前年同期よりも150万トン程度上振れすることで、年度トータルでは15年度の1億423万トンを上回る可能性が濃厚。景気回復の遅れなどから、鉄鋼生産活動の停滞が心配されていたが、ここにきて「下振れ」懸念は後退した格好だ。
 今後、懸念材料となるのは鋼材輸出市場の動向。中国をはじめとする鉄鋼生産能力の過剰は解消までに相当な時間がかかる見通しで、鋼材マーケットの不透明感はこの先も続きそう。ただ、英国のEU(欧州連合)離脱問題に端を発した為替の混乱はここにきて落ち着きを取り戻しつつある。「アジア地域での需要は底堅い」(関係筋)との見方もあり、輸出市場の混乱が長期化するシナリオは描きにくい。
 粗鋼生産量はリーマン・ショック後の09年度に9600万トン台まで落ち込んだ後、回復傾向を示し、13年度には1億1152万トンまで戻した。しかし14年度、15年度は2年連続で減少。16年度が増加すれば3年ぶりとなる。
1~6月は5204万トン/暦年上期、2年連続減少
 日本鉄鋼連盟が20日発表した生産概況によると、16年上期(1~6月)の国内粗鋼生産量は前年同期比1・1%減の5204万トンにとどまり、暦年上期としては2年連続のマイナスとなった。
 一方、6月の炉別生産量は、転炉鋼が674万トン(前年同月比4・2%増)、電炉鋼が202万トン(同2・2%減)で、転炉が3カ月連続で増加したのに対し、電炉は19カ月連続の減少となった。鋼種別では普通鋼が3・0%増、特殊鋼が1・4%増といずれも増加。普通鋼は高炉メーカーの生産増に伴い2カ月ぶりに増加した。
 鋼材生産量(熱間圧延鋼材)は、普通鋼、特殊鋼の合計で759万トン。前年同月比では0・4%減となり、20カ月連続の減少。1~6月の鋼材生産量は4584万トンで、前年同期実績を2・2%下回った。

最終更新:7月21日(木)6時0分

鉄鋼新聞