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「考え、議論する道徳科」は次期指導要領の先取り

ベネッセ 教育情報サイト 7月21日(木)16時0分配信

小・中学校の「道徳の時間」が2018(平成30)年度以降、順次「特別の教科 道徳」(道徳科)へと格上げされます。道徳の教科化は、道徳教育を重視する安倍晋三政権の意向というだけにとどまらず、「考え、議論する道徳」へと転換することを目指したものです。そうした転換は、全面的な改訂を検討している次期学習指導要領(小学校は2020<平成32>年度から、中学校は21<平成33>年度から、高校は22<平成34>年度入学生から本格実施)を先取りするものでもあります。

「教え込み」からアクティブ・ラーニングへ

道徳教育をめぐっては、第1次安倍内閣の時の2007(平成19)年6月、「教育再生会議」第2次報告で「徳育」を教科化することが提言されましたが、同年9月の首相辞任で実現しませんでした。

その後、民主党政権も挟んで、安倍首相が再び政権を奪回すると、2013(平成25)年1月には「教育再生実行会議」を立ち上げ、いじめ問題への対応策を緊急に検討した同年2月の第1次提言の中で、道徳の教科化も改めて提案。文部科学省有識者懇談会の報告(2013<平成25>年12月)、中央教育審議会の答申(2014<平成26>年10月)を経て、2015(平成27)年3月に指導要領が一部改正され、小学校で2018(平成30)年度から、中学校で2019(平成31)年度から、それぞれ教科化されることが決まりました。現在、小学校教科書が検定中である他、教科としてどう評価するか、有識者会議での検討が大詰めを迎えています。

注意したいのは、第1次安倍内閣の時の教科化が「徳目」を教えることを目指していたのに対して、第2次安倍内閣では最初から「人間性に深く迫る教育」(実行会議第1次提言)を打ち出していたことです。中教審答申を受けて、文科省が付けたキャッチフレーズが「考え、議論する道徳科」でした。

ただ知識を覚えさせるだけでなく、問題解決的な学習や体験的な学習を取り入れて、知識をもとに考え、身に付けさせる……。こうした方向は、「アクティブ・ラーニング」(課題の発見・解決に向けた主体的・協働的な学び、AL)の導入をはじめとする次期指導要領の方向性と一致しています。道徳の教科化は、指導要領改訂を先取りする役割も担っているのです。

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最終更新:7月21日(木)16時0分

ベネッセ 教育情報サイト