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化粧品メーカーで「見た目の印象研究」が進んでいる!

ニュースイッチ 7月21日(木)11時50分配信

若さ、表情のメカニズム解明へ

 自分の顔の印象は―。大手化粧品メーカー各社が「人の見た目の印象」を科学的に解明すべく、研究を推し進めている。対人印象の効果を、化粧品に求める需要は根強い。だが、顔の動きやメークの仕上がりが他者の潜在意識にどのように働きかけるのかは、いまだに未知な部分が多い。大手化粧品メーカー各社は、これを解明できれば新たな化粧品の開発や化粧方法の提案が期待できると見て、研究を加速する。

若い見た目検証

 「若い見た目」は手に入るのか。その検証に道を開いたのがポーラ・オルビスホールディングス(HD)だ。同社は正面から見た真顔と、さまざまな顔の角度や表情を対象に年齢印象評価試験を実施した。同試験から正面から顔を見るよりも、下、右下、右、右上から見た顔の方が若く見られることが判明。また、これまで表情がある方が世代を問わず、共通して「若々しく見える」と考えられていたが、30代までは若く見られた一方で、40歳を超えると老けた印象を与えることが分かった。

<皮膚の動き着目>

 ポーラ・オルビスHDの子会社、ポーラ化成工業(横浜市戸塚区)の黒住元紀研究員は、シワやたるみなどの老化と異なる新たな兆候として「相手の顔の向きや顔の皮膚の動きに注目して、見た目の年齢を判断している可能性が高い」と指摘する。

 さらに、「素顔と化粧の濃淡」も重要な要素と考えられている。資生堂は、こうした要素を考慮して顔を比較し「他人の記憶に残りやすいメーキャップ」を検証した。その結果、素顔は個人を識別する情報が多く覚えやすいが魅力の度合いが低く、濃い化粧は印象は強いが個人の特徴が薄れ正確に記憶されにくかった。同社は、自然な化粧が「好印象かつ個人の特徴を残して記憶に残る」と結論付ける。

 また、魅力アップにつながる「笑顔」にも、メークが影響するようだ。人が持つイメージをモノづくりに生かす「感性工学」の視点から資生堂は、素顔とメーク顔の笑顔が相手に与える印象を検証。「無表情」を0%とし、「大きな笑顔」を最大120%に数値化して実験した。すると人が「最も魅力的」と感じる笑顔は、メーク顔で80%笑った顔だった。これに対して「最も親しみやすい」と感じる笑顔は、素顔で120%笑った顔との結果になった。

 親しみに関する研究ではコーセーが、まつげをテーマに関係性を明らかにしている。カーブ形状が緩やかなほど親しみやすく、急なほど社交的な印象に変化するという。

<他人目線応用>

 大手化粧品各社は「印象」のメカニズムの確立に伴い、製品化の動きも加速している。ポーラ・オルビスHDは、研究が進むにつれ「頬」の動きが見た目の年齢判断に関係することを突き止めた。表情の変化に頬部の皮膚の動きが遅れ「潜在的な老け顔の印象を与える」という。同社は17年にも頬の動きや肌表面に対応したメーキャップ商品を発売する計画だ。資生堂は脳科学や感性科学などから得た“他人目線”の知見を、「マキアージュ」ブランドなどの化粧品開発に応用している。

最終更新:7月21日(木)11時50分

ニュースイッチ