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日米で球場を盛り上げるさまざまな応援の形

Full-Count 7/21(木) 19:01配信

本拠地ファンの応援が対戦相手を飲む威力を発揮

 応援とは、時に不思議な力を発揮する。

 メジャーリーグで応援が大きな力を発揮した場面は数多くあるが、記憶に新しいのが2013年10月1日、ピッツバーグで開催されたナショナル・リーグ・ワイルドカードの一発勝負での試合だ。マウンドに立っていたのは、当時シンシナティ・レッズに所属していたジョニー・クエト投手だった。

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 試合開始からパイレーツファンはクエト投手の名前を連呼し、マウンド上での動揺を誘っていた。するとクエト投手は、普段難なくこなしている投球に入る前の動作でボールを落としてしまった。明らかに、敵地の応援がクエト投手を動揺させていた。敵地の雰囲気に完全に呑まれてしまい、結局クエト投手は本来の投球を見せることなく4回途中でマウンドを降りた。試合序盤からファンの声援が作り出した雰囲気によりパイレーツは勝利し、プレーオフの次なる戦いへと勝ち進んだ。

 米国では「ホームフィールド・アドバンテージ」を生み出すために、ファンがホーム有利となる声援を送って相手チームにとって戦いにくい場とする。特に試合でホームチームが劣勢に立っている場合、ファンは逆転を願って応援をする。それを「ラリー」と呼び、各地では「ラリー○○」と名物応援がいくつか存在するようになった。

エンゼルスの名物応援は「ラリー・モンキー」

 一般的なのは、帽子のツバを後ろ向きにしたり、半分を裏返したりと、普段と違う被り方をして応援するラリー・キャップだ。MLBだけではなく、米国スポーツ界全体に浸透しているが、タオルを回した応援スタイルのラリー・タオルもある。

 さらにはロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムの本拠地、エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイムで有名なのがラリー・モンキーだ。シーズン中のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦での逆転劇から浸透し始めたようだが、2002年のワールドシリーズで、その応援スタイルは全米のファンへ届くこととなった。

 3勝2敗と王手をかけられていたワールドシリーズ第6戦、7回裏開始時点で5対0という絶体絶命の場面を迎えていたが、ファンが非公式のマスコットであるサルのぬいぐるみを振り回す応援でチームはその後逆転。勢いを保ったまま、第7戦も勝利して優勝を勝ち取った。

 他にもロサンゼルス・ドジャースにはラリー・バナナが存在する。ドジャースが2015年に35イニング連続無得点と不名誉な記録を続けていた時に、キケ・ヘルナンデス選手がベンチで見つけたバナナをたまたま振り回した後に得点したという逸話がファンにも伝わり、一つの応援として浸透していった。

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最終更新:7/21(木) 19:06

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