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尾口のでくまわし、絵本に 白山の団体、現代語訳で

北國新聞社 7/21(木) 2:34配信

 白山市の旧尾口村地区で受け継がれる、国重要無形民俗文化財の文弥(ぶんや)人形浄瑠璃「尾口のでくまわし」の演目が現代語に訳され、子ども向けの絵本になる。市内で絵本作りに取り組む団体が製作し、小中学校や図書館、公民館に配布する。児童、生徒に民俗芸能の魅力を分かりやすく伝え、ふるさとへの関心を高めてもらう。

 絵本作りに取り組む団体は有志6人で構成する「リトル・モウ」で、年内をめどに100冊を製作する。登場人形のイラストを添え、主な読み手を小学生高学年以上に設定する。人形浄瑠璃の起源や解説も用意し、スタッフによる出張読み聞かせを計画している。

 現存する「源氏烏帽子折(げんじえぼしおり)」「門出屋島(かどいでやしま)」「出世景清(かげきよ)」「大職冠(たいしょくかん)」「酒呑童子(しゅてんどうじ)」「嫗山姥(こもちやまんば)」の6演目のうち、1、2演目を絵本にする予定だ。

 絵本化は「リトル・モウ」代表の関沢正美さん(54)が、4年前に旧尾口村の白山市東二口で開かれた「東二口文弥まつり」を観賞したことがきっかけとなった。関沢さんは人形を操る巧みな技、情緒あふれる語り口に心を打たれた半面、言葉遣いが難しく、容易に作品の世界に入り込めるよう、絵本の製作を思い付いた。

 現在、東二口文弥人形浄瑠璃保存会の道下甚一会長(71)らと絵本にする演目の選定や脚本、絵の筆致などについて打ち合わせを重ねている。関沢さんは「民俗芸能には、地域の歴史や風土がにじみ出る。絵本を通じ、ふるさとに愛着を深めてほしい」と話した。

 同保存会によると、文弥節は、現在の文楽につながる竹本義太夫の浄瑠璃「義太夫節」の登場後に徐々に衰退し、現在は白山市を含め、全国で4カ所しか残っていない。12人の保存会員は大半が60代以上で、道下さんは「絵本をきっかけに将来の担い手が現れればうれしい」と期待を込めた。

北國新聞社

最終更新:7/21(木) 2:34

北國新聞社