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山梨ICT&コンタクト支援センター、地産地消フォーラムを開催

BCN 7月22日(金)17時20分配信

山梨ICT&コンタクト支援センター、地産地消フォーラムを開催

標的型攻撃の状況や対策などを語ったトレンドマイクロの萩原担当課長

 NPO法人山梨ICT&コンタクト支援センター(金成葉子理事長=シーシーダブル社長)は7月22日、23日、山梨県南アルプス市の「桃源文化会館」などで「第5回山梨ICT地産地消フォーラム」と地域交流会を開催した。今回は「ICT利活用による接続可能で豊かな未来社会の実現~官民一体のセキュリティ対策と農業の取り組み~」をテーマに、総務省や標的型サイバー攻撃の専門家による講演のほか、首都圏のIT企業や地元山梨の自治体、教育、農業などの関係者との地域交流会を実施し、約100人が参加した。

 初日に開かれた第一部のフォーラムでは、標的型サイバー攻撃などセキュリティ対策に関して専門家が講演したほか、地元の農業大学校講師が、ITCを活用した農業実践を紹介した。

 開会前には、南アルプス市の金丸一元市長が「さくらんぼの出荷が始まり、モモ、スモモなど果樹の出荷が最盛期になっている。山梨環状線が完成し、首都圏からも来やすい場所になった」と挨拶した。

 講演で最初に登壇した総務省情報流通行政局情報流通振興課情報セキュリティ対策室の今野孝紀氏が、「総務省における情報セキュリティ政策の最新動向」と題し話した。今野氏は「サイバーセキュリティ上の脅威が増え、目立たない攻撃、金銭を目的にした標的型攻撃、ランサムウェアなどの被害がある。一昨日は『ポケモンGO』に対する注意喚起も行った」と政府として対策を講じ、サイバーセキュリティ戦略にもとづき取り組んでいる現状を述べた。

 そのうえで、経済産業省や総務省の所管団体と協力し、各種の法改正を実施したり、被害を拡大しない研究開発を行っているとした。年金機構と同程度の攻撃を想定、実践的サイバー防御演習(CYDER)と題し、サイバー攻撃を最小化するための大規模演習の実施。また、危険性が高まるIoTにおけるサイバーセキュリティの脅威の具体例や「IoTセキュリティガイドライン」などを説明した。

 次いで、セキュリティソフト会社、トレンドマイクロの萩原健太・統合政策担当課長が「標的型サイバー攻撃の脅威とその対策」をテーマに講演した。萩原担当課長は「日本でも、ポケモンGOのAndroid版の配信が始まった。しかも、子どもは夏休み。みなさんがポケモンGOを勉強して、使ううえでの注意点を教えてほしい。ポケモンGOは位置情報を活用した現実世界を舞台にしたものだが、使い方をしっかり考えることが必要だ。位置情報を使ったゲームの利用は現状、3.6%でしかないが、ポケモンGOで変わるでしょう」と話した。

 その後、ウェブ経由でランサムウェア(身代金要求型)の不正プログラムが送られているというデータを示したあと、「最近では、ファイルを勝手に暗号化され、すべて見れず使えなくなる攻撃へと変わってきている。小規模な企業でネットワークがつながっていると、このランサムウェアでファイルが暗号化され永久に使えなくなるケースもある。私が知る限り、海外で身代金を払った事案を2件知っている」(萩原担当課長)と、危険性を喚起した。また、オンライン銀行詐欺ツールによる被害などについても課題があると語った。

 このような脅威は、「ほとんどがメールに標的型攻撃によるものだ。現状では内部で気づくことは難しく、外部組織からの指摘で発覚している。セキュリティベンダーのシーサートという組織が注意喚起をすることがある。攻撃者は素早く侵入し、足跡を残さず去る。その前に静かに深く拡散する。それで、一気に情報を集約・取得する。標的を決めたら徹底的に攻める」と、萩原担当課長は強調。対策については「自社が攻撃されて情報漏えいがあった場合、説明責任を果たせるのか、あるいは攻撃の被害を最小限にできるか、という観点で対応を講じてほしい」と、萩原担当課長は述べた。

 次に、シーシーダブル社長の金成葉子・山梨ICT&コンタクト支援センター理事長が、9月17日と18日に山梨県甲府市の山梨大学で開く「セキュリティ・ミニキャンプinやまなし2016」について説明した。金成理事長は「全国区のセキュリティ・キャンプは、若年層のセキュリティ意識の向上と優秀なセキュリティ人材の早期発掘と育成を目指し行われている。地域で開催するミニキャンプは今年、当NPO法人も支援して山梨県で開催することができた。初日は一般講座、二日目が専門講座として25歳以下の学生・生徒に実技を教える」と、参加を呼びかけた。

 最後の講演では、山梨県立農業大学校の千野正章・講師が「山梨県が挑戦する新しい農業」と題し、事例をもとにICTを使った農業を紹介した。この中で千野講師は、山梨県農業の特徴や地域課題、ICT導入のメリットなどを語った。山梨県はフルーツが有名で、ぶどう、モモ、スモモは生産高が1位。農業の現状については、「65歳以上の農家の割合は67%で、全国的ではあるが産業構造としてよろしくない。また、農地面積が農家の減少とともに減っている。ただ、売上高は、残った方が生産効率を上げるなどして、900億円前後で推移している。新規就農者は、年間280人まで増えたが高齢化が顕著だ。一方、農業に企業参入が北杜市を中心に増えて98社となった」と述べた。

 そのうえで千野講師は、山梨県の農業の課題を次のようにまとめた。「儲かる農業や魅力的な農業づくり、担い手が入りやすい環境づくりをすることが課題として挙がっている」。ICTが支援できる分野では「輸出の促進や農業経営の強化、品質の良い製品をつくること」などを示した。実際には、富士通と奥野田葡萄醸造が、センサーを使って管理することで「病気が発生しやすい条件などがわかり、必要な時に農薬を散布することができ、しかも農薬を半分にすることができた」(同)と説明した。

 また、甲州市にあるブドウ産地協議会がブドウの海外輸出を検討しているが、「ブドウ産地をつなぐシステムの構築の必要性はわかっているが、なかなかシステム化できていない」と、こちらも富士通に打診し快諾をもらったとしている。

 第二部の「地域交流会」は、南アルプス市の「岩園館」で、首都圏のITベンダー関係者と地元の関係者が親睦を深めた。(谷畑良胤)

最終更新:7月25日(月)14時8分

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