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「Razer Blade 2016」開封レビュー 覚えておきたい上質な高性能ノートPC

ITmedia PC USER 7月22日(金)6時25分配信

 こんにちは、ドリキンです。普段はサンフランシスコでソフトウェアエンジニアをしています。

【画像】箱を開けるとスタイリッシュなボディーが出現

 6月21日に日本でも発表された「Razer Blade」の2016年モデルをUSのRazer本社から一足先にお借りできました。まずは1週間ほど使ってみた段階での開封レポートとファーストインプレッションをお届けします。

●「Razer Blade」の2016年モデルとは?

 Razer BladeはゲーミングPC周辺機器の大手メーカーであるRazerが自ら開発して販売するノートPCです。ラインアップはSSD容量の異なる2モデルがあり、256GBモデルが24万8184円、512GBモデルが26万9784円(税込)です。

 ストレージ容量以外のスペックは固定です。CPUは第6世代Core(開発コード名:Skylake)の4コアモデルであるCore i7-6700HQ(2.6GHz/最大3.5GHz)、GPUはMaxwellアーキテクチャのGeForce GTX 970M(6GB GDDR5)、メモリは16GB(DDR4-2133MHz、デュアルチャンネル対応)を搭載しています。

 カスタマイズオプションをストレージ容量だけに限定したシンプルな製品ラインアップに加え、販売をメーカーからの直販に限定することでスペックの割に価格をかなり抑えていて、お買い得感の高いゲーミングノートPCと言えます。

 仕様のカスタマイズができないといっても、ゲーミングノートPCをうたっているので、CPUやGPUはかなりハイスペックな構成ですし、メモリ容量も十分なので、最近のゲームもかなり高画質で快適に楽しめます。

 RazerのノートPCは、スタイリッシュなデザインも大きな特徴です。Appleの「MacBook Pro」をブラックに塗ったようなデザインと質感は、他のWindowsノートPCを見渡しても高い完成度に仕上がっています。

●いざRazer Blade 2016を開封!

 それでは早速、開封しましょう。まず特徴的なのは外箱です。スタイリッシュなブラックのケースにRazerロゴとテーマカラーのグリーンを配置したデザインはよく作り込まれていて、開封前からテンションが上がります。

 外箱の上ぶたを開けると、まず目に飛び込んでくるのがRazer Bladeの本体です。ブラックを基調として、天面の真ん中にRazerのロゴが配置されています(ちなみにこのロゴはバックライトで光らせることが可能です)。

 本体を取り出すと、その下からはACアダプターと紙のマニュアル類が出てきます。パッケージは至ってシンプルで、基本的には本体とACアダプター、そして最低限の紙のマニュアルの3点です。無駄なコストを抑えつつもスタイリッシュにパッケージングしている辺り、センスのよさを感じます。

 さすがにハイパフォーマンスなCPUとGPUを駆動させるため、ACアダプターは165Wの大容量タイプです。大型でかなり重量感がありますが、薄くスマートなデザインにまとまっています。しっかりとしたベルトでケーブルを結束できて便利です。

 Razer BladeはUSB Type-Cポートを備えているので、Appleの新型「MacBook」のように電源端子はこれを使うものと想像していたら、独立したDC入力端子で接続するようになっていました。調べてみるとUSB Type-Cの電源供給は最大100Wなので、規格的にUSB Type-Cでは対応できません。しかし、結果的にUSB Type-Cポートが空いて外部拡張専用にできるのはうれしい仕様です。

●高性能で薄型ボディーながら配慮された放熱設計

 ゲーミングノートPCというと、ノートとは名ばかりで、携帯性をほとんど無視してパフォーマンス最優先に設計されているものが多く、省スペースなデスクトップPCとほぼ同じような印象を持つかもしれません。

 しかし、Razer Bladeはスタイリッシュなデザインだけでなく、厚さは20mmを大きく下回る17.9mm、重量は2kgを切る1.93kgと、14型のハイスペックなノートPCにしては携帯性が高いので、真に持ち運べるゲーミングノートPCと言えます。

 本体の右側面を見てみると、奥からセキュリティスロット、フルサイズのHDMI 1.4b、USB 3.0、そして先進的なThunderbolt 3兼USB Type-Cが並んでいます。Thunderbolt 3はリバーシブルなUSB Type-C端子を採用しつつ、最大40Gbpsという高速なデータ伝送に対応しているのが特徴です(USB 3.1 Gen 2は最大10Gbps、USB 3.0は最大5Gbps)。

 左側面にはACアダプター接続用のDC入力、USB 3.0が2つ、3.5mmのヘッドフォン/マイク兼用端子を装備しています。

 SDメモリーカードまたはmicroSDカードのスロットが内蔵されているとさらによかったのですが、ポートの種類と数は十分でしょう。

 さらにRazerは、純正オプションとしてThunderbolt 3接続でグラフィックスカードを外付けできるケース「Razer Core」を後日発売する予定です。これを使えば、デスクトップPC用のより高性能なグラフィックスカードの描画性能をRazer Bladeに加えることができます。またRazer Coreは、映像出力のほか、USB 3.0やギガビットLANの端子も備えていて、ドッキングステーションになります。

 個人的にすごく評価しているのが底面のデザインです。シンプルなデザインをキープしながら、中型のファンが2基配置されています。本体の負荷が上がりファンが回り始めると、2基のファンが底面から空気を吸い、キーボードと側面の拡張端子から排気する仕組みです。ラバー製の足が側面全体に伸びているので、吸気するための隙間をしっかり確保してくれます。

 ハイスペックとデザインの両立を図った薄型ノートPCの場合、発熱に無理がある製品も少なくなりません。物によっては、夏場に高負荷の状態が続くと、キーボードやパームレストに触れていられないくらい熱くなり、高温が原因で処理性能が低下する製品もあります。かつてRazerのゲーミングノートPCもかなり発熱するモデルが存在しました。

 しかし、Razer Bladeの2016年モデルは積極的に発熱の対策をしています。実際にゲームや動画エンコードなどを長時間動かし、ファンが最高速で回り続けていても、想像以上にキーボードやパームレストの発熱が抑えられている印象です。

 キーボード表面からの排気を指先で感じることができるので、風により発熱時のキー操作の不快感を低減してくれるのは、発熱問題にうるさい筆者としては評価の高いポイントでした。

●液晶ディスプレイ、キーボード、タッチパッドも高品質

 本体の天板を開いてみると、14型ワイドの高精細ディスプレイとフルカラーで光るキーボードに目を奪われます。

 液晶パネルはIGZOで、解像度はQHD+(3200×1800ピクセル)、画素密度は262ppi(pixels per inch:1インチあたりのピクセル数)というスペックです。液晶の美しさは、他メーカーのハイスペックノートPCと比較してもトップクラスのクオリティーだと思います。また、HiDPIに対応しているので、ソフトウェアさえ対応していれば日本語フォントなども美しく表示できます。

 今回お借りした評価機のキーボードはUS配列で、ゆとりがあるレイアウトです。ちなみに、日本語配列キーボードでもキートップに「かな」の刻印がないので、すっきりした印象を受けます。

 タッチパッドも大型で、タップによるクリック、2本指タップによる右クリックも可能です。さらに左右の物理ボタンが用意されているので、確実にクリックできます。最近のWindowsノートPCは、左右のボタンをタッチパッドに一体化した製品が多いのですが、ボタンが分離している方がクリックしやすいことは確かです。

 筆者はMacBookシリーズを長く使っていた経緯があり、Appleの左右ボタン一体型トラックパッドはとても快適に操作できるポインティングデバイスとして評価しています。それに比べると、WindowsノートPCのタッチパッドでは満足した経験がほとんどなかったのですが、Razer BladeはMacBookに匹敵すると言っても過言ではない操作性で、全く不満がありません。

 Razer Bladeの大きな特徴の1つが、約1680万色のフルカラーLEDを搭載したChromaキーボードです。光る様子を自慢できるだけでも、この機能に価値を感じる人がいるかもしれませんが、バックライトはソフトウェアでカスタマイズしたり、SDKを使って自分なりにプログラムで制御したりと、高度な設定が行えます。

 Razerはゲーム開発会社などへ積極的にSDKを提供して対応を促し、対応したゲームではタメージを受けるとキーボードが赤くフラッシュしたり、操作可能なキーだけをライトアップしたりと、単なる見た目だけではない実用も考えた機能に仕上げています。

 またキーボード自体もアンチゴースト機能と呼ばれるRazer独自のキーボード機構によって、キーの正確な同時押しが実現されているとのことです。正直、筆者ではその違いを体感するには至ってないのですが、ゲーミングPCならではの入力へのこだわりとチューニングが施されています。

●プリインストールソフトウェアは必要最小限

 Razer Bladeにプリインストールされているソフトウェアにも少し触れておきます。

 一昔前のメーカー製Windows PCというと、メーカー独自のソフトウェアが大量にプリインストールされているというイメージでしたが、ここ数年はその傾向も薄れてきて、余計な付属ソフトウェアが減ってきた印象があります。そこからRazerはさらに徹底して、独自のカスタマイズを最小限にとどめているとアピールしています。

 実際にプリインストールされているのは「RAZER SYNAPSE」という統合設定ソフトウェアだけです。このアプリケーションでは、Razer独自機能のカスタマイズやゲーミングPCならではのパフォーマンスのチューニングが行えます。前述したキーボードバックライトの点灯の仕方もこのソフトウェアで設定します。

 また、キー配列のカスタマイズや、独自のマクロ機能の設定などはゲームだけではなく通常のPC利用時にもかなり便利で、ツボを押さえたカスタマイズメニューが好印象です。Razer独自のドライバやファームウェアのアップデートを、Razer Synapseからメンテナンスできる点も評価できます。

 ちなみに、Razer Bladeにはプロ並みの音楽制作を可能にするソフトウェア「FL Studio 12 Producer Edition」のライセンスが付属しています。プリインストールはされてないので必要に応じてダウンロードしてインストールするのですが、通常は購入すると199ドルの有料ソフトウェアが無料で利用可能です。音楽制作ソフトウェアではかなり定評のある製品なので、興味のある人はお買い得度がアップするかもしれません。

●ゲーミング用途に限らず高性能なノートPCを求める人へ

 開封レビューと言いながら長文になってしまいましたが、Razer Bladeの魅力が少しでも伝わりましたか。ゲーミング用途に限らず、いつでもどこでもハイパフォーマンスなPCを使いたいという人にとって、有力候補で完成度の高い製品だと思います。

 Razer Bladeシリーズ最大の課題は、販売がメーカーサイトの直販のみで、購入前に実機を触ってみることが非常に難しいところです。直販だけに販路を絞ることで価格を抑えているそうですが、やはり実機を触ってみないと少し不安ではないでしょうか。そこで、このレビューが少しでも購入の参考になれば幸いです。

[ドリキン,ITmedia]

最終更新:7月22日(金)6時25分

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