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「相馬野馬追」23日開幕

福島民報 7月22日(金)10時34分配信

 国指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追」は23日、開幕する。福島県南相馬市小高区の小高郷騎馬会は東京電力福島第一原発事故に伴う同区の避難指示解除後、初の野馬追を迎える。避難生活を乗り越え、節目の大舞台に臨む同騎馬会の江井芳秀さん(67)は「これからが本番」と士気を高める。同区では野馬追に合わせた「火の祭」の復活も決まっており、住民らは古里復興の思いを込める。
 江井さんは30回以上の野馬追出場歴を誇る。平成23年の東日本大震災、原発事故で市内外に避難していても、休むことなく出場を続けてきた。「野馬追は第二の仕事みたいなものだから」。人生の一部となった祭事への思いを語る。
 江井さん宅の馬房では、原発事故で自宅から離れている騎馬武者の馬も預かる。建設業に携わりながら、自宅に戻って世話を続けてきた。「野馬追を始めてから、家に馬がいなかったことはないよ」といとおしそうにたてがみをなでる。
 同区から相馬市に避難している本間隼人さん(24)は「馬を置いておく場所がないと出場は難しい。本当にありがたい」と感謝する。
 避難指示は解除されたが、小高区内からのそろっての出陣や古里に騎馬で凱旋(がいせん)する「帰り馬」は見送られた。江井さんは「一歩は進んだが、まだ本当の野馬追ではない」と複雑な胸中を明かす。来年こそは、小高郷勢が古里からの進軍を果たす-。熱い夢を抱きながら馬上の人となる。

福島民報社

最終更新:7月22日(金)10時43分

福島民報