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イマドキの新人はメモを取らないのが当たり前?

ITmedia エンタープライズ 7月22日(金)12時26分配信

 何とかExcelの研修が無事に(?)終わった。自分の席に座ったとたん、つい「はぁぁぁぁ~~」と深いため息が。このため息は、研修が終わったことに対してか、それとも研修が予定通りにいかなかったことに対してか……。

【画像:メモを取らないイマドキの人たち。昔と何が変わったんだろう?】

A子: 盛大なため息ねぇ。

わたし: あ、ごめん。なんか自然にね。研修って、普段の仕事の倍くらい疲れる気がする。困っている人や分からない人を相手に話すのは、普段と変わらないのに。

A子: 何か分かる気がする。私も前、OJTやらされたけどさ、新入社員たちにパワーを吸い取られているんじゃないかってくらい疲れるよねぇ。ふしぎぃ~。

 「ふしぎー」とか「疲れるー」とか言いながら、A子は軽やかにどこかへ消えていった。私からしてみれば、A子も「ふしぎ」の一部だと思うんだけど。

 OJTをやらされた……かぁ。そうか、その仕事を「すすんでやっている」と思うか、「やらされている」と思うかで疲れ方が違うのかもしれない。やっぱり、やらされていると思っちゃだめよねぇ。

 その日は、研修報告書を書くと逃げるように(何から?)会社を後にした。新入社員研修についていろいろと話を聞いてみようと思い、飲み仲間であるY子とK子を呼び出していたからだ。

わたし: そっちの新入社員研修はどう?

Y子: 私のところはいつも通りじゃないかなぁ。小さい事件はいろいろあるけど。

K子: ウチんとこは、かわいい新入社員たちなのよぉー。女子は元気だし、男子は優しいし。

 女子と男子が逆じゃ? と思ったけど、イマドキはそんなの関係ないのかもね。それにしても、私の聞き方がよくなかったんだろうけど、2人の答えは何ら参考にならない。もうちょっと何か情報が欲しいなぁ。

 おっと、曖昧な聞き方をしたら曖昧な答えしか返ってこないのは、ヘルプデスクの常識。仕事柄、気を付けてきたと思っていたけれど、そうでもないらしい――なんてことを考えていたら、注文していた料理が机の上に並び始めた。残念なことに、私たち3人は「花より団子」タイプ。おかげで話は脱線して、本筋から離れたところで大いに盛り上がってしまった。

 お酒も入って、すっかりいい感じになってきたころ、ふいに本筋だった新入社員研修の話題に戻ってきた。とはいえ、その切り口は少し違っていたけれど。

●メモより「検索」、新入社員は知識を覚えたがらない?

Y子: そういえば、今年の新入社員ってメモを取らないよね。

K子: あー、確かに。年々取る人が減ってるよね。毎日「メモは?」って聞いてるわ。何でかなぁ。昔は「メモを取りなさい」なんて言わなくても、みんなメモっていたと思うのよ。そう思わない?

 K子が急に話を振ってきた。いやいや、私はまだ社内講師1年生。「前」の話をされても知りません。けれど、スマホやタブレットにメモする人が増えているから、紙とペンを使う習慣がなくなってきたのかな? でも、学校の授業はどうしているのかしら……と考えていたら、ふと思い出した。

わたし: そういえば、研修が始まる前の朝礼で、研修課が連絡事項などを話しているときに「メモを取ってねー」って叫んでたわ。それかな?

Y子: うん。間違いない。それそれ。そっちもそうか。となると学年色だな。

わたし: が、学年色?

Y子: そう。毎年“今年は全体的に元気”とか、“今年は例年以上に素直”とかいう傾向があるのよ。それを学年色って言ったりするわけ。ほら「消えるインクタイプ」だの「ETCタイプ」といったキャッチフレーズ聞いたことない? そんな感じのよ。今年は「ドローンタイプ」なんだって。

 そんなものなのか? 会社の採用方針にもよるし、たった3カ所で学年色と決めてしまっていいのかどうか分からないけれど、今はさらっと流しておこう。

わたし: 今年の新入社員の“学年色”って他にあるの?

Y子: んー。何だか覚えようとしてくれない気がする。覚える気がないわけでもないし、覚えられないわけでもない。地頭(じあたま)は良いような気がするのに。覚える習慣がないのかしらね。

K子: うんうん分かる。“分からなかったらググる”癖がある気がする。こっちが話していることを片っ端から目の前にあるPCでググっている人がいて、ちょっとショックだったもの。「私の言っていることがそんなに信じられないか!」って。

わたし: そういや、Excelの講座でそんな感じのことを質問されたわ……。

Y子・K子: やっぱり、学年色なのよ!!

 うーん。これはこれで「決めつけ」って気がするけどなぁ。メモを取らないのも覚えようとしないのも、そういう人たちがいたのは事実だろうけれど、そんな人ばかりじゃないはず。驚いたこともあって、余計に印象が強く残っているだけかもしれない。別に新入社員に限った話じゃないかもしれないし。

 ただ、3つの現場で「覚えようとしない」人が目立って存在していることからも、そういう人が例年より多いのは事実なんだろう。多数派じゃないにしてもね。一応気に留めておこう。

わたし: えっと……。他に何かある?

Y子: そうね。目立ちたがらない、かな。

●目立ちたがらない今どきのワカモノ

K子: そうだね。何も今始まったことじゃないけど、とにかく周りの様子を見るのよね。率先してやろうとするよりも、誰かがやってくれるならそれについていきますって感じ。

Y子: そうそう。失敗したくないのか諦めているのか分からないけれど、頑張るより適当なところで手を打って、みんなで“よかったねー”みたいになるのよ。このあいだ、研修でグループワークをやらせたんだけど、どのグループも時間内に終わらなくてね。振り返りのときに「完成しなくて悔しい」というようなコメントを言うチームが1つもないの! それどころか「一生懸命がんばったから良かった」みたいなことを言うのよ。“石にかじりついてでもやり遂げる”というような気概はないのか! って。ねぇ、これどう思う?

 Y子よ……。お酒のせいか話がずれているぞ。

わたし: 目立ちたがらないってことは、親分肌の人とか「俺についてこい」みたいな人がいないってこと?

K子: そんな感じかなぁ。親分肌の人がいないってわけじゃないけどね。グループワークをさせたとき、親分肌の人がいたらその人をリーダーにして、他の人はもう「あなたについていきます」みたいな感じになるし、いない場合は“全員で納得いくまで話し合う”完全合議制をとることが多いわね。かといって、奇抜なアイデアを出すこともしないのよね。思い付いていてもそれを言わないって感じなのよ。

Y子: 手痛い失敗をするのが嫌なのかな。失敗に慣れてないって感じなのよね。若いんだから、もっと失敗を恐れないでぶつかってきてほしいのよ。人生は1度や2度じゃないんだから。

 うんうん……え? 最後、何って言った!? 妖怪じゃないんだから。飲ませすぎたかな。

K子: Y子ぉ。それをいうなら、会社は1つや2つじゃない、じゃない? 失敗だと思ったら転職したらいいのよ。

 K子まで何を言い出すんだ! 2人がお酒のせいで壊れていく……。

わたし: つまり、メモを取らないし、かといって覚えないし、周りにあわせようとして目立ちたがらないってこと?

 私は急いで軌道修正しようと、こんなふうに聞いてみた。Y子とK子は二人そろってうなずく。

わたし: えっと……逆に何か良いところはないの? そういうところばかりじゃないと思うんだけどさ。

(7月29日公開予定、後編につづく)

最終更新:7月22日(金)12時26分

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