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4G/3Gのデュアル待受スマホが国内登場! ソフトバンク「アメリカ放題」で混乱も

ITmedia Mobile 7月22日(金)21時31分配信

 NTTドコモは、下り最大370Mbps対応のモバイルWi-Fiルーター「Wi-Fi STATION HW-01H」を6月29日に発売した。ドコモオンラインショップでの本体価格は一括(総額)で2万736円(税込、以下同)。月々サポートを差し引いたいわゆる「実質価格」は1万368円だ。
 HW-01Hは、ドコモが新しく提供を開始したTD-LTEの3.5GHz帯に対応しており、既存のFDD-LTEと組み合わせた3波CA(キャリアアグリゲーション)によって、東名阪エリアでは下り最大370Mbpsに、その他全国エリアでは332.5Mbpsに対応する。
 下り最大370Mbpsに対応するモバイルWi-Fiルーターは、KDDIおよびUQコミュニケーションズとMVNO各社から「Speed Wi-Fi NEXT W03」が発売されており、理論上ではHW-01HとW03の下り通信速度は同じだ。ただしKDDI系のW03は、既に多数のユーザーがいる周波数帯を使って通信速度を下り最大370Mbpsに引き上げた。
 これに対してドコモの場合、TD-LTEの3.5GHz帯に対応する機種がHW-01Hのみ。下り最大370Mbps対応エリア内で比較した場合、混雑具合などからHW-01Hの方が実効速度が高くなると考えられる。
●海外旅行シーズンにあわせてローミングサービスが拡充、ソフトバンクは「アメリカ放題」終了で混乱

デュアルSIM・デュアル待受のスマホが日本でも

 夏の海外シーズンにあわせて各社の海外ローミングサービスやキャンペーンの発表が相次いだ。

 KDDIが7月22日に提供を開始する「世界データ定額」は、24時間/980円(非課税)で海外データ通信が利用できるサービス。980円を支払うことで、国内で契約しているパケット定額サービスの容量を海外でも使えるようになる。当初は8月から提供予定とされていたが、サービス開始が前倒しされた。

 「利用開始から24時間、海外でのデータ通信が定額料金になる」という点はドコモの「海外1dayパケ」と同様だが、ドコモの場合は利用可能な高速データ通信量が30MBまでで、世界データ定額の方が使い勝手が高いのは明らかだろう。

 またKDDIの世界データ定額は、海外で利用可能な通信量が国内で契約しているプランの範囲内に収まるのも特徴だ。コストアップにつながる無制限な定額制ではないため、KDDIとしても過大な負担の恐れが少ない。ユーザーとしても、24時間ごと980円の追加料金はあるが普段使っているのと同じ感覚でデータ通信が利用できる。双方にバランスの取れた良いサービスであるように思う。

 このKDDIの世界データ定額に対抗してか、ドコモは海外向けのデータ通信定額サービス「海外1dayパケ」の通信量を無制限にするキャンペーンを7月14日から9月末まで実施中だ。通常は高速データ通信が30MBまでに制限されているが、キャンペーン期間中は韓国・台湾・グアム・サイパンの4エリアに限り、海外1dayパケでの高速通信がが使い放題になる。現地での通信量は国内契約のプランと関係ないため、対象エリアで思い切りデータ通信をするならメリットは大きい。

 ドコモとKDDIが海外向けローミングサービスを強化する一方、ソフトバンクの「アメリカ放題」では無料キャンペーンに関するちょっとした騒動が起きた。

 アメリカ放題は、米国滞在中の音声通話やデータ通信が国内と同様に定額料金で使えるサービス。本来は申し込みが必要で、月額980円(データ定額パック・標準(5GB)以上を契約時は無料)がかかる。

 しかし2014年9月のサービス開始直後から、キャンペーンとして申し込み不要・月額料金不要という状況が2年近く続いた。そのため多くのユーザーが、本来は申し込みが必要ということを意識しなかったのだろう。

 このキャンペーンが6月30日にいったん終了とアナウンスされたことで、問題が巻き起こった。7月1日以降は正式に申し込んでいないユーザーに海外ローミング時の料金が課金されるという事態が起き、告知が十分ではなかったこともあって「予期せぬ高額請求が発生している」というユーザーからの報告が相次ぐ結果となった。

 アメリカ放題はグループ企業のSprintのネットワークを利用するものだ。通常の海外向けローミングサービスとは異なり、ソフトバンクの端末はデータローミングを「無効」にしていてもSprintのネットワークには自動で接続し、データ通信が可能となる。このため「データローミングをオフにしていれば高額請求は発生しない」という一般的な対策が通用しなかったことも、アメリカ放題のキャンペーン終了に伴う影響が大きくなった原因といえる。

 結果的に、ソフトバンクはアメリカ放題が申込不要・月額料金不要で使えるキャンペーン期間を7月1日以降も延長することを発表したため、キャンペーン期間終了に伴って高額請求が発生したユーザーを含めて救済される形となった。ただ、次回のキャンペーン終了に伴って再度同様のトラブルが発生する可能性があることを考えると、ソフトバンクを契約しており米国へ渡航予定がある場合はアメリカ放題を申込しておいた方が良いだろう。

 あくまで個人的な見解ではあるが、アメリカ放題はキャンペーン期間終了後も申し込み不要とし、Sprintのネットワークに接続した場合に初めて月額料金が発生する―という仕組みの方がトラブルを避けられると思う。

●国内でもデュアルSIM・デュアル待受スマホが広がる?

 ASUSが7月12日に台湾で新製品発表会「Zenvolution」を開催。スマートフォンの「ZenFone 3」シリーズなどを発表した。また翌日13日には、モトローラ・モビリティが「Moto G4 Plus」を日本向けに投入すると発表した。ZenFone 3シリーズの国内発売は未定だが、Moto G4 Plusは7月22日の発売だ。

 2機種に共通しているのは「デュアルSIM、デュアル3G待受」に対応している点だ。2つのSIMスロットがあり双方のSIMで同時に3G待受が行えるため、日本国内で利用する場合に「片方のSIMカードはドコモの音声回線を、もう片方のSIMカードはMVNOのデータ通信回線を使う」ということが可能になる。

 国内で販売されているデュアルSIM端末は「3Gの同時待受」ができず、2Gサービスも既に提供されていないためその特性をあまり生かすことができなかった。

 もちろんZenFone 3やMoto G4 Plusは4G通信が可能で、「片方のSIMカードで4G LTEデータ通信を行いながら、別のSIMカードで3Gによる音声通話を受ける」こともできる。音声通話定額が付いた大手キャリアのSIMカードを使いながら、データ通信はMVNOの格安SIMカードを利用する、という使い方も便利だ。

 ただし、両方のSIMカードで同時にデータ通信と音声通話を行うことはできないため、データ通信を行っている最中に別のSIMカードで音声通話を受けると、データ通信を継続できないなどの制限がある。

 デュアルSIMで4G/3Gの同時待受に対応したMoto G4 Plusは、用途にあわせてMNOの音声通話用SIMとMVNOのデータ通信用SIMを「1台のスマートフォンで使い分けしたい」というユーザーにとって便利な機種であることは間違いない。

 国内投入が期待されるZenFone 3もこうしたデュアル待受に対応するデュアルSIM機であり、2016年は同様のスマホが日本でいくつも販売される可能性が高い。今後の動向に注目したい。

●ジェットスター・ジャパン、日本到着便で初期費用無料のSIMカードを配布

 ジェットスター・ジャパンは、KADOKAWA、角川アップリンクと提携し、7月20日から日本に到着する国際線の機内で、初期費用無料で50MBまでの通信に使えるSIMカードを最大3万人に配布すると発表した。

 初期状態で使えるデータ通信容量は50MBまで、有効期間は3日間。オンラインでデータ通信量を購入すると有効期間が延長できる。追加購入できる容量と延長できる利用期間は以下の通り。

・100MB/388円、利用期間延長なし
・300MB/988円、利用期間1日間延長
・500MB/1588円、利用期間2日間延長
・1GB/2988円、利用期間3日間延長

 訪日外国人向けのプリペイドSIMカードは主要空港に自動販売機が設置されているほか、JR山手線沿線のコンビニ「NewDays」でも取り扱うなど、入手しやすくなっている。初期費用無料のSIMカードを機内で配布するのは今回が初めてで、利便性がますます高まるだろう。

最終更新:7月23日(土)11時38分

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