ここから本文です

石丸幹二「舞台は異次元空間。必ず感動がある」 入念な準備で限界を超え、映像にも挑戦

オリコン 7月23日(土)5時0分配信

 日本のミュージカル界の最前線で長く活躍し、最近はドラマやCMなど映像にも活躍の幅を広げ、お茶の間での人気も高まっている俳優・石丸幹二。この秋は、ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』の主演として正義のヒーロー役に挑む。映像作品への出演が続く多忙なスケジュールの中でも、ミュージカルへの挑戦を続ける俳優としての意気込み、そしてミュージカルの魅力について聞いてみた。

【写真】インタビューに応じた石丸幹二

■高いハードルへの挑戦が楽しみ「フランク作品は、まさにスポーツ」

 3月に上演された『ジキル&ハイド』に続き、今年2本目のミュージカルとして『スカーレット~』を選んだ理由を尋ねると「2つあります。1つは『ジキル&ハイド』と同じ作曲家のフランク・ワイルドホーンの作品だということ。もう1つは、宝塚歌劇団がかつて上演したのを拝見して、面白いストーリーだと思ったこと。フランクの作品は、多くのミュージカル俳優が『一筋縄ではいかない』というほどの楽曲ぞろい。でも、だからこそ挑みがいがあるし、楽しみでもあります」と言葉を弾ませた。

 「オリンピックイヤーなのでスポーツに例えますが、フランクの作品はトライアスロンのように多様な能力を求められる。ソロもデュエットもコーラスも、高いレベルの技を駆使しないと、最後までたどり着けないんです。歌い手が本気で挑んでいる姿が観客の皆さんに伝わって、劇場中が強力なエネルギーに包まれる。フランク作品にはそういう魅力があるので、みんなが熱くなれる。まさにスポーツですね」。

 今回は、2008年に上演された宝塚版で主人公を演じた安蘭けいが、ヒロインを演じるという配役の妙も見どころの一つ。石丸は安蘭について「歌やダンスは言うまでもなく、卓越したコメディーセンスの持ち主でもある。宝塚版も『安蘭さんだからできる作品だ』と感心しながら拝見しました」と賛辞を送り、「そんな安蘭さんが今回はヒロインで出演されるなんて、この配役は私にとってすてきなプレゼントです」と感激している。

 宝塚版との違いについて、「物語の光の当て方が異なるので、宝塚版をご覧になった方も、新しい視点で楽しめると思います。男臭さが前面に出るでしょうし、そこが見どころになったらイイなと思います」とポイントを紹介。「安蘭さんファンの方には、主人公を私が演じる期待と不安、そしてヒロインの安蘭への期待もあると思いますので、興味を持って見ていただけると思いますし、宝塚はあまり見たことがないミュージカルファンの方も、この作品を通して宝塚に興味を持っていただくきっかけになると思います。両方のファンの融合がはかれるのではないでしょうか」と、シーンの広がりにも期待を寄せた。

■映像作品への出演、そしてライフワークであるミュージカルへの思い

 本番に向けて、現在は「身体づくりのトレーニングをメインに、演出家から『主人公は上流階級の人間なので、立ち居振る舞いがエレガントになるようにバレエの所作を覚えてくれ』というオーダーもあったので、そのレッスンも取り組み始めました」。50歳を超え、「10年前、5年前とはトレーニングの組み方は変わってきました」と体の変化を実感している。参考にしているのは、先日現役引退を発表した、元ハンマー投げ選手の室伏広治氏や水泳の北島康介氏の言葉だった。

 「現役を長く続けるために、キャリアを重ねるごとに若い頃よりもハードにトレーニングをやってきたという話を耳にして、これは私に向けて言われているのだな、と感じました(笑)。限界に挑戦するのは、アスリートも俳優も同じ。成績や成果を残すには、自分に課さなきゃいけないことが多々あるけれど、そういうことも楽しみながらやろうと思っています」。

 舞台を軸にしながらも、2013年の『半沢直樹』以降、映像作品への出演も一気に増え、昨年はドラマ6作に映画2作、今年はすでにドラマ5作に出演する。「映像の場合は、リアリティーを求められるので、等身大の年齢の役をやることができる。短いスパンで多種多様な役をやれるのは貴重ですし、引き出しをいっぱい増やしながら、今の自分を映していきたいと思います」。

 現在は、ミュージカルのトレーニングをしながら、放送中のドラマ『営業部長 吉良奈津子』(フジテレビ系/毎週木曜 後10:00)にも出演。複数の作品が同時進行となるが「身体づくりが、暑さにバテずにドラマの撮影を乗り切るのに役立つはずだし、ドラマの役作りが舞台での演技に生きることもあるでしょうし、同時に動くことで物事の見え方が変わることもある」と、相乗効果のメリットがあるという。

 最後に、ミュージカルを見たことがない人に向けての魅力紹介をお願いすると、「この作品に限らず、舞台って『異次元』なんです。この特別な空間に実生活から飛び込んでみて、目の前で繰り広げられるパフォーマンスの臨場感を楽しんでいただきたいですね。スポーツ観戦が好きな方には、同じ感覚で見ていただければと思います。劇場に来ていただければ必ず感動がある。これは言い切れます」と力を込める。

 続けて「生の音楽を聴き、我々が全身で演じている演劇を目撃してほしい……。私たちが舞台から送るパワーは、客席へのプレゼント。お客様に満足して劇場を出ていただくのが、我々プロの仕事なので、そのために最高の努力をします」と、まるでミュージカルのワンシーンかのように、力強く語ってくれた。

 「私たちの真剣勝負をぜひ見にいらしてください。異次元空間でお待ちしています」。目の前の人に対して全力でパワーを届ける姿は、取材を通しても伝わってきた。石丸幹二の今の全力の姿、目に焼き付ける価値は十分にありそうだ。

◇ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』
1789年、フランス革命が勃発。その後、元貴族らが次々と処刑される恐怖政治が続いた。そんな中、無実の人々を救おうと、イギリス貴族のパーシー(石丸幹二)は「スカーレット・ピンパーネル」を結成し、救出計画を秘密裏に敢行。そんな夫の活動を知らないマルグリット(安蘭けい)。いつしか夫婦の間に大きな溝が生じていた。そんなとき、フランス政府特命全権大使のショーヴラン(石井一考)が、元恋人であるマルグリットに接近して…。恐怖政治の嵐の中で、愛憎が交差し、物語はスリリングな展開をみせていく…。
10月19日~26日 東京・赤坂ACTシアター
10月30日~11月7日 大阪・梅田芸術劇場メインホール
11月24日~29日 東京国際フォーラムホール ホールC
チケットは今月30日から発売。

(スタイリング/Shinichi Mikawa ヘアメイク/新井克英)

最終更新:7月23日(土)5時0分

オリコン

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。