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性犯罪相談踏み出せぬ女性9割超 女性捜査班、被害者受け止める覚悟

福井新聞ONLINE 7月22日(金)8時5分配信

 2007年、中部管区警察局管内で初となる女性だけの捜査チーム「女性選抜捜査班(SWING)」が発足した。福井県警捜査1課の4人が県内各署に派遣され、女性が被害に遭った事件の相談受理から摘発までを署の捜査員と連携して行う。女性を狙った犯罪のうち「魂の殺人」とまで言われる性犯罪に対して、特に力を入れている。心と体に一生残る傷を負った女性が病院に行くのに付き添ったり、親にも言えない思いを聞き出し、しっかり受け止めたり。女性警察官だからこそできることをやっていきたい。

 性犯罪で警察に相談に来る被害者は、全体の数%とされる。「墓場まで持って行く」ほど隠したいと悩み、意を決して訪れた人の「思い」を大切にしたい。だからこそ「話しに来てくれてありがとう。全部話そう、私が全部受け止めるから」と言葉をかけている。

 捜査では、親にも話さないようなデリケートなことも、はっきりと聞く必要がある。詳しく聞くことが犯罪を裏付け、結果的に被害者を守ると信じているから。同じ女性だから聞けることや、子どもを持つ母親になったから分かることもあると思う。住居に侵入するなどして、女性にわいせつな行為を繰り返していた容疑者を特定し、福井南署などと6度にわたり逮捕できたのは、こういった捜査を積み重ねた結果だと思う。

 未成年が性犯罪被害に遭ったある事件の捜査では、「魂の殺人」という言葉を痛感した。恐怖と不安を抱え、まるで出口のない真っ暗なトンネルにいるかのように苦しんでいた。

 被害者は、嫌と言えなかった自分が悪いから被害に遭ったのかもしれない、と自らを責めていることも少なくない。だからこそ「あなたは絶対に悪くない」と繰り返し伝えるようにしている。「もう大丈夫だよ。あなたは安全で安心なところにたどり着いたんだよ」って。

 言葉が出なくなるくらいつらい思いをした被害者が「頑張ります」と話してくれるようになったこともある。私たちを信じて話してくれるのだから、相応の覚悟を持つべきだと考えている。

福井新聞社

最終更新:7月22日(金)8時5分

福井新聞ONLINE