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鉱山機械が低迷する中でコマツが大型買収に打って出る理由

ニュースイッチ 7月22日(金)7時31分配信

IoT活用し収益基盤強化

 コマツは21日、米国の鉱山機械メーカーであるジョイ・グローバル(ウィスコンシン州)を28億9100万ドル(約3036億円)で買収すると発表した。超大型の鉱山機械など、これまで持たなかった商品群を加えることができ、補完性が高いと判断した。資源価格の下落により鉱山機械市場は低調なものの、中長期的に需要が回復することを見据えて大型買収に踏み切る。ジョイの株主総会や当局の承認を経て、2017年半ばをめどに子会社化する予定。

 コマツが米ジョイ・グローバルを買収する背景には、ジョイが厳しい鉱山機械市場に対応できる収益基盤を持つことがある。利益率の高いサービス・部品販売が売上高の大半を占めており、2006年から10年間の平均営業利益率は17・5%。コマツも収益力を高めるために、部品事業などを重視しており、同社側から買収を提案して合意にこぎつけた。

「トラックと油圧ショベル間でのデータの共有」(大橋社長)

 コマツの大橋徹二社長は21日に開いた会見で、「鉱山機械市場はボトム(底)だが、今後は回復することが見込まれる。このタイミングで一緒になるのがよいと判断した」と述べた。

 資源価格の下落や新興国の成長鈍化の影響を受けている同市場だが、中長期的な収益拡大に向けて先手を打った格好。買収を後押ししたのが、安定してきた財務基盤。15年度までの前中期経営計画でも財務体質の改善を進めてきたことで、手元資金を成長投資に振り向ける。

 コマツはジョイとの連携により、鉱山機械の情報通信技術(ICT)化も加速させる方針。「トラックと油圧ショベル間でのデータの共有」(大橋社長)など、生産性や安全対策を強化する取り組みを見据える。

 IoT(モノのインターネット)を活用し、露天掘りや坑内掘り向け鉱山機械をコマツの鉱山管理システムに接続し、稼働の最適化や無人化も目指す。またジョイのブランドを継続する方針。ビジネスモデルや販売面で共通点が多いジョイの買収で、同市場での主導権も見えてきそうだ。

最終更新:7月22日(金)7時31分

ニュースイッチ