ここから本文です

広島・野村にエースの風格 両リーグトップ11勝、快進撃支える

山陽新聞デジタル 7月22日(金)11時44分配信

 プロ野球セ・リーグで首位を独走する広島の勝ち頭が、倉敷市出身の野村祐輔投手(27)だ。ここまで両リーグトップの11勝(2敗)をマーク。1軍と2軍を行き来した昨季の低迷からはい上がり、25年ぶりの優勝へ向かうカープの快進撃を支えている。

 シーズン前半を終え、2桁勝利は両リーグでただ一人。4月27日のヤクルト戦でプロ初完封を飾り、6月には初の月間最優秀選手に輝いた。ルーキーイヤー以来4年ぶりのオールスター出場も果たした。米大リーグに移籍した前田健太に代わるエースの働きが求められる中、自身の役割は「ゲームをつくり(先発)ローテーションを崩さないこと」と認識している。

 2012年の新人王も、この2年は苦しんだ。13年の右肩関節唇損傷が尾を引き、生命線の制球が「思い通りにいかなかった」。14年は7勝、昨季は自己最低の5勝と成績は下降線をたどった。

 復活へ、助言を求めた人がいる。日米通算200勝に王手をかける41歳の黒田博樹。元々、右打者から見た外角への制球を得意としながら「右バッターによく打たれていた」という。内角球をうまく使えていなかったことが一因で、「黒田さんもメジャーに行って変えたので」と今春のキャンプ中、投手プレートの立ち位置を三塁側から一塁側に移した。これが効いた。リリース位置が左打者寄りになることで、昨季習得したシュートを生かせるようになり、投球の幅が広がったからだ。

 考え方もエースらしくなってきた。直球は常時140キロ程度とプロでは決して速くないが「打者と投手はタイミングの世界。いくらすごいスイングをしてもタイミングが合わなければ打てない」。コースの出し入れや高低差で工夫を加え、投球モーションにも緩急を付けるなど「打たせない方法は一つじゃない」と語る。そんな境地に至ったのも、2年間の苦闘があったから。「完璧を求めすぎていた。でも打たれることだって当然ある。考え方を変えたことで気持ちに余裕が出てきた」

 佐々岡、川口、北別府らを擁し、リーグ制覇した1991年の歓喜の中にいた選手は今、一人もいない。「だからこそ、1試合1試合をしっかり戦う」。優勝マジック点灯が近づく中、風格漂う背番号19に油断はみじんもない。 

 のむら・ゆうすけ 倉敷・連島南小1年の時に地元の軟式チームで野球を始め、連島中時代は硬式の倉敷ビガーズに所属。広陵高に進学し、エースとして2007年夏の甲子園で準優勝した。明大では東京六大学史上7人目の30勝・300奪三振を達成し、11年の明治神宮大会で日本一に輝いた。同年、ドラフト1位で広島に指名された。右投げ右打ち。177センチ、82キロ。

最終更新:7月22日(金)11時44分

山陽新聞デジタル