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一振りに全て懸け 横浜DeNAベイスターズ・後藤武敏内野手

カナロコ by 神奈川新聞 7月22日(金)8時15分配信

 「長かったね。最後の勝負、そういう覚悟で練習してきた」。プロ14年目、ことし6月に36歳になった後藤武敏が並々ならぬ決意で戻ってきた。

 今季は度重なるけがに苦しんできた。ことし2月の嘉手納での春季キャンプ中に右太もも裏の肉離れで離脱。ようやく実戦に復帰しても左手首に死球を受け、さらに左太ももの炎症で状態は一向に良くならなかった。

 「このままだと現役が終わってしまう」。危機感を募らせた4月下旬、ベイスターズ総合グランドで、右脇腹を痛めていた横浜高の後輩筒香から食事に関して助言をもらったという。

 痛感していたのは自身のウエートへの意識の足りなさ。「故障している理由に体重オーバーは否めない」と肉類などの動物性タンパク質をほとんど避け、毎日のように飲んでいた微糖の缶コーヒーも断ち、妻がいれたブラックコーヒーを水筒で持ち歩いた。

 ついつい口にしていた菓子にも手を出さず、約1カ月で体重は10キロ減の82キロへ。丸かった顔の輪郭が鋭くなると、体の切れとスイングスピードが増したのを実感した。

 その取り組みが正しかったことは既にバットで証明している。前半戦ラストゲームの13日の中日戦。六回2死二塁の好機で代打として今季初めて出場し、快勝を呼び込む適時二塁打を放った。何より待っていてくれたホームのファンの大歓声がうれしかった。

 昨季は2012年から在籍する4年間で自己最低の打率2割6厘、11打点に終わった。西武時代に2度の日本一を味わった背番号55は役割を理解する。「最後まで気を抜くことなくやり切る。経験も大事になってくると思うし、ベテランと若手の融合が後半戦の鍵になる。良い方向に導いていけたらいいかな」

 野手最年長は、その一振りに全てを懸けている。

最終更新:7月22日(金)8時15分

カナロコ by 神奈川新聞