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コロンビアを知って 元大使寺澤氏、経済史焦点の著書出版

カナロコ by 神奈川新聞 7月22日(金)18時7分配信

 駐コロンビア日本大使の経歴を持つ横浜銀行前頭取でコンコルディア・フィナンシャルグループ社長の寺澤辰麿氏が、同国の近現代経済史に焦点を当てた著書「コロンビアの素顔」(かまくら春秋社)を出版した。寺澤氏は「コロンビアに関する情報が日本国内には少ない。南米と取引のあるビジネスマンらに手にしてほしい」と話している。

 同書ではコロンビアの政治体制や社会構造の歴史的過程を踏まえ、中南米諸国に影響を与えた輸入代替工業化政策とコロンビアの経済運営の歴史や特徴を解説。キューバ革命後に出現した反政府ゲリラ組織にも言及したほか、近年の治安回復の礎となったウリベ大統領の民主的治安政策について紹介している。

 文化や歴史など共通要素の多い中南米諸国。コロンビアの特異性について「最も安定した経済成長を達しており、国内紛争を抱えた時期でさえもプラス成長を遂げてきた」と評する。健全な経済運営の背景について同氏は「政治家が言論の自由や人権制度をきちんと理解するといった政治・社会・経済的要因があり、ポピュリズムに走らなかったことが大きい」と分析する。

 また、貧富の格差が大きいにもかかわらず生活満足度調査で満足と答える人の割合が9割を超えている要因について、最低賃金でも生活できる仕組みや失業率の低下、充実した社会保障政策などを挙げている。

 赴任前は「危険な国」との印象を抱いていたという寺澤氏。帰国後にまとめたコロンビアに関する概説の中から、経済に関する著述部分を再構成した。四六判196ページ。1944円。

最終更新:7月22日(金)18時7分

カナロコ by 神奈川新聞