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株価を先読み?急騰のシグナル「5%ルール」とは

ZUU online 7/23(土) 18:10配信

株式の値動きを読む上で非常に重要な「5%ルール」をご存知だろうか。正式には「大量保有報告制度」と呼ばれるもので、株券等の大量保有の状況等に関する開示制度のことをいう。保有状況に関する報告から株価の先行きを読み解く投資法を紹介していこう。

■5%ルールとは?

上場企業の発行済み株式の5%を保有した株主は、個人であろうと法人であろうと、保有した日から5営業日以内に内閣総理大臣宛ての「大量保有報告書」を管轄する財務局に提出しなくてはならない。

大量保有情報は株価に影響を及ぼすため、市場の透明性、公平性を高め、投資者保護のために1990年の証券取引法改正で導入された。5%保有した時点で報告するだけでなく、5%超保有する投資家がその割合を1%以上増減させた場合にも、5営業日以内に報告が義務付けられている。2007年4月には、金融庁の開示システムであるEDINET(電子開示システム)での報告が義務付けられた。

■アクティビストが買い増す川崎汽船のパフォーマンス

この開示された情報から、ファンドなどが株式を買い集めていく流れが把握できる。 たとえば、シンガポールのヘッジファンドでエフィッシモ・キャピタル・マネジメントという会社。

村上ファンド出身者が設立したファンドで、銘柄数を絞り込み、割安株を長期で大量保有する戦略をとっている。日本市場を代表するアクティビスト・ファンド(物言う株主)の一つで、株主提案や訴訟を通じて企業に株主還元の強化など経営改革を求めている。総運用資産は5500~6000億円とされている。

エフィッシモは、2015年9月4日の報告書で、初めて海運大手の川崎汽船 <9107> の大量保有者として登場。当初、保有比率は6.18%だった。9月24日には、保有比率を7.94%まで上げたことを報告している。その後1%買い増しが増えるたびに変更報告書を提出、16年7月4日には33回目の変更報告書で、発行済み株式数の35.37%まで保有比率を上げている。

エフィッシモが初めて、5%ルールに登場した2015年9月4日を基準にパフォーマンスを検証してみよう。川崎汽船は、15年9月4日の264円から16年7月15日の258円までマイナス2.3%安で一見上がっていないように見える。しかし、その間同業の日本郵船 <9101> はマイナス37.7%。商船三井 <9404> はマイナス29.3%と円高やドライバルク市況の低迷などで、海運セクターは大きく下落していたのだ。その間日経平均もマイナス7.3%と下落しており、川崎汽船の相対的なパフォーマンスは、同業他社や市場を大きく上回っている。 仮に、川崎汽船買い/商船三井売りのロング・ショート戦略をとっていれば大勝ちだ。

■「新興市場×機関投資家」の5%報告は急騰のシグナル

5%といっても大型株の5%と小型株、特に新興市場の5%はインパクトが違ってくる。小型株を大量保有する投資信託などの5%報告がでてくると、新興市場株は急騰することが多い。新興市場株は、個人の売買が主力であるだけに、長期保有とみられる機関投資家の手口を好感することが非常に多いのだ。

たとえば、マザーズ上場で葬儀・仏壇・お墓のポータルサイト運営の鎌倉新書 <6184>。2016年4月6日に大和証券投資信託委託の名義が5.13%で出てきたことが、場中にEDINETで報告されると、当日の株価は305円高(9.2%高)の3620円と急騰した。さらに4月21日の報告書で7.84%まで買い増したことが伝えられると、当日700円高(17.7%高)とストップ高の4665円までの高騰を演じた。その後、個人投資家に人気となり、4月25日には5070円高値まで買われている。

小型株を積極的にポートフォリオに加えることで知られる「ひふみ投信」のレオス・キャピタルワークスの名義も好感されることが多いため追い続けると面白いだろう。

■ファンドの保有銘柄に相乗りも立派な戦略?

ここで、注目しておきたいファンドをいくつか紹介しておこう。

・ブラックロック/米運用大手で日本株を世界一保有、ETFなどパッシブ系大手
・フィデリティ、FMR/米投資信託大手でアクティブ系の小型株長期運用が得意
・JPモルガン・アセット・マネジメント/米資産運用大手、小型株が得意
・キャピタル・グループ/米資産運用大手、大型株長期投資が主体
・ブランデス/米資産運用大手、超割安株の超長期投資
・野村アセットマネジメント/日本運用会社最大手
・大和証券投資信託委託/日本運用会社大手
・エフィッシモ・キャピタル・マネジメント/アクティビスト系ヘッジファンド
・レオス・キャピタルワークス/独立系投資顧問
・タワー投資顧問/独立系投資顧問

5%ルール報告を集めたサイトも多数存在するが、EDINETでの提出が義務づけられていることから、どのサイトもベース情報はEDINETだ。「書類検索」から提出者の名前を入れると、該当の大量保有報告書一覧がチェックできる。名前を空欄のまま、大量報告書を選んで検索すると直近報告の大量保有報告書一覧が表示される。提出の日時だけでなく、時間も表示されるので、場中に開示されているかどうか、引け後かどうかも見ておこう。

ただ5%ルールで気をつけなければならない点もある。提出義務は5営業日内なので、週末をはさむと1週間ほど遅れた情報だということだ。5%ルールに名前がでて、市場で買われた時に、その保有者はすでに売ってしまっていることもあり得る点には注意が必要だ。

米国でも、ウォーレン・バフェット氏や有名ファンドであるフィデリティのコピーをするファンドもあるという。自分が気に入っているファンドやファンドマネージャーの保有銘柄に相乗りするのも立派な投資法だ。お手本となる投資家やファンドを探してみてはいかがだろうか。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

最終更新:7/23(土) 18:10

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川崎汽船9107
274円、前日比+3円 - 12/8(木) 15:00

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243円、前日比+3円 - 12/8(木) 15:00

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