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「消費増税延期」が自動車業界に与えた功罪……その2

エコノミックニュース 7/23(土) 20:16配信

 参議院選挙戦がはじまる直前になって自民党党首である安倍晋三首相が、来年2017年4月に予定していた消費税10%への増税を2019年10月に延期するとした。

 消費税が日本で導入されたのは1989年4月からだ。当初3%。1997年に5%に増税され、しばらく安定的な運用が続いた。が、2011年東日本大震災後の2012年に、民主党政権下で自民党・公明党同意のうえで10%までの消費増税が決定した。増税案では2014年に8%へ、2015年に10%に増税するはずだった。

 事実、この決定に基づき、その後の衆院選で政権交代を果たした安倍首相率いる自民党政権は2014年4月に8%に引き上げる。が、しかし、翌年4月の10%への増税は、「景気の落ち込みを懸念して」2017年4月まで延期すると発表した。

 そして今回の再延期だ。完全に参院選対策だった。この10%への消費増税延期で、2017年春の駆け込み需要を期待していたメーカー各社の新車ディーラーは肩を落とす。駆け込み需要対策の販売促進企画を準備していたからだ。

 加えて、日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が7月6日に車名別新車販売の2016年1~6月累計実績と2016年1~6月期のブランド別(メーカー別)新車販売確報を同時に発表した。それによると、登録車(含む輸入車)と軽自動車の新車販売台数累計は、254万7310台。前年実績を13万台ほど下回り、前年比95.2%となった。

 これらの統計数字を受けて日本自動車工業会などは、「2016年の自動車販売が500万台を割り込む」と極めて低調な新車販売予想を発表した。“若者のクルマ離れ”や“カーシェアリングサービス”といった構造的な要因のほか、三菱自動車やスズキの燃費データ不正問題も追い打ちをかける。だからこそ、年明けの2017年1月から消費増税前の積極的な販促キャンペーンを予定していた販売会社が多かった。

 もちろん、そうしたキャンペーンを利用して年明けに格安で新車を購入しようと目論んでいたユーザーの買替え需要も縮み込む。

 ただ、販売店の見方は「増税前の販促キャンペーンは利用し甲斐はあるが、現実的に増税といっても、わずか2%。影響が大きいとはいっても、僅かだ」という。新車販売で“値引き”といえば、ライフサイクル終盤のモデルなら10-20%値引きは通例。増税額など吹き飛んでしまう。しかし、「消費増税前の販促企画」のチャンスが失われたのは痛いとも。

 消費税増税とは別に心配なのは、三菱自、日産、スズキの3社の燃費不正問題の影響をモロに受けている系列販売会社だ。日産と三菱は4月からの販売停止を解除したものの販売店から客足は遠のいたままだ。この6月の三菱車の乗用車販売(軽自動車含む)は2460台で前年比38.4%。この数字は「MINI」単一ブランドよりも少ない。

 日産は8月に発売するミニバン「新型セレナ」に高速道自動運転システム「Nissan Pro Pilot」を搭載して既にティーザーキャンペーンを仕掛ける。三菱自やスズキについては、国土交通省が両社の新型車認可を厳しくするため、スズキ・ワゴンRやスズキ・スイフトのフルモデルチェンジ&発売の遅れが懸念される。ただ、スズキ車については、正規ディーラーも必死で、スズキ車乗り換えユーザーには大幅値引きなどがあり、今なら既存車の買い得感は高いかもしれない。(編集担当:吉田恒)

Economic News

最終更新:7/23(土) 20:16

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