ここから本文です

【インタビュー】天月-あまつき-、人生の中で起こるドラマチックなことや他者の箱庭を想像して作ったアルバム『箱庭ドラマチック』

BARKS 7月23日(土)15時3分配信

動画共有サイトで音楽活動をスタートし、2014年にメジャーデビューを果たしてから早2年。現在ではナレーションや声優などの声の仕事や舞台俳優としても活動の幅を広げているシンガー・天月-あまつき-。そんな彼がメジャー2作目のアルバム『箱庭ドラマチック』を7月27日にリリースする。BARKSには初登場ということで、改めて、彼のプロフィールをなぞりつつ、新作の話、ライヴ活動への意気込みなどから、天月-あまつき-というアーティストを探る。

■途中で諦めてしまう人や疲れてやめてしまった人がいたなかで
■僕は続けてきたから、いまこうして自分の歌を聴いてもらえる

――本格的に歌を唄うようになったのはニコ動に投稿するようになってからとのことですが、それ以前の音楽との関わりは? もともとは体育会系だったんですよね。高校球児だったそうですが。

天月-あまつき-(以下、天月):はい。よくご存知で(笑)。音楽を聴くのは好きでしたけど、自分の方から歌に寄っていくようなことはなかったんです。だから、まさか自分がプレイヤー側になるとは1ミリも思ってませんでした。今でも歌を唄うことが得意だと思ってないんですよ。ただ、母が言うには、子供の頃からよくテレビに張り付いて、「ポケモン」とかアニメの主題歌を歌っていたらしいです。それで、僕が歌うことが好きなんだと思って「学校の合唱団に入ったら?」って母に勧められたこともあったんです。でも、子供の時は声が高かったので、合唱の時は女の子のパートに入れられていて。それがすごく恥ずかしくて、合唱団には入らなかったんです。

――ちなみに子供の頃の将来の夢は?

天月:仮面ライダーですね。

――今もそうなんですよね(笑)。

天月:はい。出演させていただけるなら、ぜひ変身したいです。物心ついてからも、夢ややりたいことは明確じゃなかったんです。その中で、音楽が見つかったという感じで。高校も大学も、ぼんやりと「これかなぁ?」みたいな感じで進んでいました。

――そういう言葉を聞くと、若い世代の間で夢がなくて悩んでいる人も、「そんなに悩まなくていいんだな」って、勇気付けられますね。

天月:僕はたまたま運がよかっただけなので、後押しできるのかわかりませんが、「好きだな」とうっすらでも感じているものに対しては、それを隠さずに、胸を張って自信を持って欲しいと思います。

――天月-あまつき-さんが音楽を見つけたきっかけは?

天月:僕の場合は、動画サイトで先にカバー動画をやっていらっしゃる人たちがいて、そういう人たちのことを「すごい」と思っていました。ユーザーが誰でも生放送できるというシステム、いわゆるリアルタイムでコメントが流れるラジオみたいなものなんですけど、これなら僕もできるかもしれないと始めたのがきっかけです。しゃべることを簡単だと思っているわけじゃないので、本当に挑戦という感じだったんですけど、その生放送の中で、ゲームを実況したり、唄ったり。歌い始めたのはこれがきっかけなんです。

――誰かに歌を聴かせるのって、最初のうちは恥ずかしさもあったと思いますが、どうでした?

天月:僕は緊張するタイプなので、すぐにお腹が痛くなっちゃうんです。だから、恥ずかしい気持ちもありながら、楽しいという気持ちもあって、両方がせめぎ合っている感じでしたね。

――やってみたら、それに楽しさを見つけてしまうタイプ?

天月:そういうとポジティヴな人と思われそうですが、実は相当ネガティヴなんです。自分に自信もないし、「俺の歌を聴け!」みたいなタイプでもない。特別な才能が自分にあるとも思っていなくて。でも、「好き」ゆえに続けてきた結果が「今」なんです。途中で諦めてしまう人や、疲れてやめてしまった人がいた中、僕は続けてきたから、今、こうして自分の歌を聴いていただけているだけかなと思っています。今回のアルバム『箱庭ドラマチック』でもお世話になっている作家さんって、だいたい僕の知り合いとか、同じ年の友人が多いんですけど、そうやって同じシーンで活動している人たちのことをすごいなと思いますし、羨ましく感じて日々劣等感があるんです。

――でも、天月さんはそんな方々と同じシーンにいるわけだから、日々、努力もしてきたと思うんだけど。

天月:努力らしい努力をしたという感覚はなかったです。さっき言ったように、好きで続けていたら、他の人がやめてしまって、自分が成長して、残ったという感覚があります。

――まるでロールプレイングゲームに出てくる勇者のようですね。最初は勇者じゃなかったけど、経験値が増えるにつれ勇者になるという。

天月:なるほど、なるほど(笑)。

――今では舞台に挑戦したりもしていますね。

天月:はい。僕がやっていることって、どれももともと興味のあったものなんです。ただ、舞台とか演技の経験がなかったので自分からやっていなかったんですけど、きっかけは誰かからもらっているんですよ。最初に舞台に立つきっかけをくれたのは「劇団大人の麦茶」の方々なんですが、挑戦してみたらみなさんがとても温かくていい人たちで、今でも交流があるんです。そこで舞台の楽しさ、演じることの楽しさを教えてもらって、その後、朗読劇をやったり、シングルにも関わるような大きな舞台「幻の城~戦国の美しき狂気~」に出演させていただいたりして。夢も希望もなかった自分だったのに、自分を出すことで楽しんでもらえるというのが生きがいになっています。音楽だけじゃなくて、演技とかナレーションや声優のような、声のお仕事でも自分を表現できることが今はすごく楽しいので、続けたいと思っています。

――7月27日にはアルバム『箱庭ドラマチック』がリリースされます。インディーズ時代に初めてアルバム作りにチャレンジした『Melodic Note』の時は、アルバム作りに対して「ハードルが高い」とか「挑戦」とおっしゃっていましたが、もうメジャーでは2枚目になりますね。

天月:はい。最初のうちは、動画として自分で歌ったものを上げていた感じだったので、ずっとお金のかからないところで音楽をやっていて、自分の頭の中で完結しているような感じだったんです。だから、CDを作るということは、すごいハードルが高かった。実際、世間での音楽はCDという形で発表されていて、僕もそういうところで作品を作れたらいいなぁと思って頑張ってみたという感じなんです。

――その当時と比べて、今は制作に対する気持ちは変わりました?

天月:そうですねぇ……あまり変わりない気がします。楽しんでやっていますし。当時はカバー曲が多かったんです。今作や、前作の『君ヲ想フ月』にも入っていますが、カバーは好きだし、続けてきたことなので、今後もやりたいと思っています。自分で作詞した曲や作家さんと一緒に作り上げるオリジナルにも面白さを感じているので、その両方が入っています。僕個人としての色はどんどん強くなっているけど、好きで続けていることだけは以前と変わらないんです。

■一つ一つの人生の中で起こりうるドラマチックなことや他者の箱庭を想像して
■映画や小説に描かれるような世界を想像しながら曲を詰め込んだアルバムなんです

――今作のコンセプトとして「箱庭」というキーワードがありますね。

天月:はい。今作はアルバムのリリース前にシングルが出ているんです。そのシングル曲「虹の向こうへ」「星月夜」を収録することが前提でアルバムを作ることになりました。「虹の向こうへ」はドラマ『南くんの恋人~my little lover』のオープニングテーマで、「星月夜」は、僕も出演した舞台『幻の城~戦国の美しき狂気~』のテーマソングだったんです。どちらもドラマチックな物語なので、アルバムも人生におけるドラマチックな出来事を詰め込んだ作品にしたいと思いって。

――それで「ドラマチック」という言葉がついているわけですね。「箱庭」のほうはどんな意味合いなんですか?

天月:今となってはネットで検索すれば、行ったことがないところにも行ったような気分になれたりしますよね。でも、仕事でいろんな地方に行かせてもらって思うんですが、今まで行ったことがなかった場所に実際に行くと、ゲームで言えばマップが広がるような感覚があるんです。それで、一人一人の人生は、自分が訪れたり経験したことしか知りえない箱庭のようなものだなと思ったんです。その箱庭の中にいろんなものが散らばっているんですけど、もしかしたらアイテムが落ちていたのに通り過ぎているかもしれない。自分の箱庭の中では日々いろんなことが起きていて、自分が把握していることだけじゃなく、自分の知らないことも起きていたり。友達の箱庭がくっついて、またそこで世界が広がったり。一つ一つの人生の中で起こりうるようなドラマチックなことや他者の箱庭を想像して、映画や小説に描かれるような世界を想像しながら曲を詰め込んだアルバムなんです。前作はちょっとファンタジーっぽいところに寄ったので、今作はリアルな部分も入れました。

――どれも映像が浮かぶようですよね。

天月:そういう作品であってほしいなという思いはありましたね。

――ポジティヴで疾走感のある曲が多い中、「愛鍵」はしっとりと切なくて、作品の中でもアクセントになっていますね。これがそのリアルな部分なのかな。

天月:はい。この曲は特にリアルに寄った曲ですね。ラブソングと言えども、ハッピーエンドとか、告白するような曲だけではないと思っているので。でも、こういうのもドラマチックかなと。

――「ミカヅキリサイズ」を作っている“まふまふ”さんの作曲ですが、またタイプが違う。

天月:彼は家が近所なので一緒に遊んだりもするんです。「愛鍵」も相談しながら作り上げていったんですよ。

――通常盤では「地球最後の告白を」「サマータイムレコード」をカバーしていますね。

天月:「地球最後の告白を」はkemuさんが作っているんですけど、僕はkemuさんの曲がすごく好きなんです。kemuさんのほとんどの曲をカバーさせていただいているんですけど、「地球最後の告白を」だけ歌っていなくて。

――それには何か意味が?

天月:好きゆえに歌えなかったんです。でも、今回のアルバムにすごく合うなと思って、満を持してというか、意を決してというか……(笑)。ずっと好きな曲だったので、やっと機会を作れました。「サマータイムレコード」も、ずっとお世話になっている“じん”さんの曲なんですけど、この曲はニコニコ動画の中でカバーさせていただいた時に、一番最初に100万再生に達したものなんです。この曲って「この夏を思い出して、またどこかで出逢おうよ」っていう夏の終わりの曲なんですけど、自分も大好きな曲ですし、この機会に久しぶりに歌い直したらどうなるのかなということで生音で録り直しました。

――初回限定盤には朗読が入っていますね。

天月:「ナノレンズ」でラップのリリックと、ラップもやってくれている“はしやん”さんが、“高坂はしやん”名義で小説家や脚本家の活動もされているので、今回のアルバムのテーマに沿った朗読の脚本を書いてもらったんです。あまり明るい話ではなく、僕の過去を振り返るような暗い人生を送っている男の子がふとしたきっかけで、ただ明るくなるのではなく、少し顔の角度を上げて歩いてみようかなという。今日くらいは人にぶつからないようにちょっと顔を上げて外に出てみようかなみたいな、少しだけ気持ちが動くような話になっています。すごく素敵な脚本を書いてくださったので、聴いてみてほしいですね。僕がそうだったように、他にも僕と似たような人生を送ってきている人もいると思うので、そういう人たちにどう刺さるのか楽しみです。

――天月さん、そんなに暗い過去をお持ちなんですか……。

天月:そうなんです(笑)。友達が多いわけでもなかったですし、さっき言ったように夢もなく、学校に行きたくないと思っていたこともありましたし。

――そんな経験をしている天月さんだけど、動いてみたら、いろいろと世界が広がったわけですよね。ネットの世界からスタートしたけど、今ではライヴ活動も積極的にしていて、すごくリアルな存在としていろんな人に共感される作品を作って。最近ではロンドンでもライヴをしたそうですが。

天月:海外で僕の曲を聴いてくれている人がいるなんてホントかな? と思っていたので、恐怖もありつつ頑張ろうと思って行ったんですよ。初めましての人も多かったんですが、たくさんの人たちが僕のライヴを見てくれて。

――反応はどうでしたか?

天月:ライヴは三日間やったんですけど、どんどんお客さんが増えていきました。日本だとライヴをやったらアンコールは当たり前っていう風潮がありますけど、海外だとそれって当たり前じゃないらしいんです。だから他のバンドもアンコールはやってなかったし、僕もアンコールの曲を用意していませんでした。でも、最後の日に、僕のライヴのあとにアンコールをいただけて。それがすごく嬉しかったんです。言葉は違えども、音楽を楽しんでいるのは変わらないものだなと。それこそ、中国や台湾、シンガポールでやったときも、僕が楽しんでいたらそれがちゃんと伝わったし、聴いている人が楽しんでいたら僕も楽しくなってくるんですよね。本当に刺激を受けたし、良い経験になりました。

――日本でもライヴがありますよね。

天月:はい。アルバムきっかけでまたツアーをやらせてもらいます。音源自体は、一つの作品として完成させてはいるんですけど、ライヴも一つの作品として、映画を見るような始まりがあって終わりがあるというところで楽しんでもらえたらいいなと思います。

――天月さんにとってのライヴってどんなものですか?

天月:もともとネットを介して音楽活動をはじめて、誰が聴いてくれているんだろうと思っていたところがあったんです。男性なのか女性なのか、いくつくらいな人なのか。直に顔を合わせる機会って本当になかったんです。だから、今、ライヴをたくさんやるようになって、それこそ47都道府県全部でライヴをやったんですけど、ライヴは直に言葉を伝えられるし、会って「ありがとう」と言える場なんです。

――直接、何かを伝える場として天月さんにとっても大事な場所なんですね。

天月:もちろん。音楽って、聴くだけなら音源だけでいいわけですよね。でも、直にしか伝えられないものがあるから、みんなライヴをやるわけです。僕も、ライヴに来てくれた人たちは、この日のために時間を割いてくれて、お金を出してくれて、フリーライヴでも交通費を使って来てくれる。その人の人生の中で、その一点に対して、自分の人生を使ってくれているわけです。それに対して、僕は裏切らず、心に残るものをやりたいと思っています。ステージのセットだったり、ライヴの流れだったり、自分が込めた思いっていうものは、押し付けるというものではないけれど、ちゃんと持って帰ってもらえるものにしたいと常々思っています。

取材・文●大橋美貴子

2nd Album 『箱庭ドラマチック』
2016.7.27 Release
【初回限定盤(CD+DVD)】KICS-93374 ¥2,685+ 税
収録内容:CD全13曲+朗読、DVD
◆CD(全13曲)
M-1 シューティングスター ※再レコーディング
M-2 虹の向こうへ(ドラマ「南くんの恋人~ my little lover」オープニングテーマ)
M-3 LIFE!!(docomo 東北復興・新生支援 笑顔の架け橋『Rainbow プロジェクト』応援ソング)
M-4 流れ星
M-5 ナノレンズ
M-6 ミカヅキリサイズ(アニメ「政宗ダテニクル」オープニングテーマ)
M-7 星月夜(舞台「幻の城~戦国の美しき狂気~」テーマソング)
M-8 愛鍵
M-9 お邪魔チックLover
M-10 はじまりのうた ※再レコーディング
M-11 気まぐれメリーゴーランド
M-12 White Line
M-13 グッバイドラマチック

朗読「箱庭エトセトラ」
◆DVD
流れ星Music Video+ジャケット & Music Video 撮影メイキング映像
◆ストーリーフォトブック:「箱庭エトセトラ」付き
◆天月- あまつき- ステッカー封入(ランダム1 種 / 全 4 種+シークレット1 種)

【通常盤(CD ONLY)】KICS-3375 定価:¥2,037+ 税
収録内容:CD全13曲+カバー2曲
◆CD(13曲+COVER 2曲)
M-1 シューティングスター ※再レコーディング
M-2 虹の向こうへ(ドラマ「南くんの恋人~ my little lover」オープニングテーマ)
M-3 LIFE!!(docomo 東北復興・新生支援 笑顔の架け橋『Rainbow プロジェクト』応援ソング)
M-4 流れ星
M-5 ナノレンズ
M-6 ミカヅキリサイズ(アニメ「政宗ダテニクル」オープニングM-7 星月夜(舞台「幻の城~戦国の美しき狂気~」テーマソング)
M-8 愛鍵
M-9 地球最後の告白を(COVER)
M-10 お邪魔チックLover
M-11 はじまりのうた ※再レコーディング
M-12 気まぐれメリーゴーランド
M-13 White Line
M-14 サマータイムレコード(COVER)
M-15 グッバイドラマチック
◆天月- あまつき- ステッカー封入(ランダム1種 /全4種+シークレット1種)
※初回プレス分のみ

ライブ・イベント情報
<~ぼくらの夏色音日記~>
2016年7月2日(土) 横浜BAYSIS
2016年7月3日(日) HEAVEN'S ROCK 熊谷
2016年7月8日(金) 神戸Cafe fish!
2016年7月15日(金) 広島Club QUATTRO
2016年7月18日(月)  福岡スカラエスパシオ
2016年7月20日(水) 岡山CRAZY MAMA KINGDOM
2016年7月24日(日) 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
2016年7月25日(月) 金沢AZ
2016年8月1日(月) 札幌cube garden

<~Looking for a shooting star~>
2016年8月12日(金) 仙台PIT
2016年8月16日(火) Zepp Namba
2016年8月18日(木) Zepp Nagoya
2016年8月23日(火) Zepp Tokyo
【チケット】
ぼくらの夏色音日記 \3,500(ドリンク代別)
Looking for a shooting star \4,200(ドリンク代別)チケットサイト→eplus.jp/at2016web/ (PC・携帯・スマホ)

最終更新:7月23日(土)15時3分

BARKS