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親日国トルコのクーデター、日本企業にも暗雲か?

投信1 7月23日(土)8時10分配信

過去にクーデターで政府が退陣したこともあるトルコ

トルコで2016年7月15日夜(日本時間16日未明)、軍の一部がクーデターを試み、主要な道路や国営テレビなどを占拠して「国の全権を掌握した」と表明しました。しかし、16日の昼ごろまでに正規軍に鎮圧され、未遂に終わりました。

実は、トルコでクーデターが起こるのは珍しいことではありません。1960年、71年、80年の過去3回、クーデターで軍が権力を奪っています。このほか、失敗を含めて何度も、軍部が武力を使って、政治的な圧力をかけてきました。

なぜ軍がそこまで、政治介入を図ろうとするのでしょうか。背景にはトルコの歴史があります。1923年にトルコ共和国が建国されたとき、「建国の父」と呼ばれるケマル・アタチュルク将軍(初代大統領)は、政治から宗教の影響を排除する「世俗主義」を国の方針に掲げました。

トルコは、国民の圧倒的多数がイスラム教徒ですが、世俗主義は憲法にも明記されている国是です。長い間、公務員の女性がヒジャブ(スカーフ)をかぶることも禁止されていました(2013年に禁止令を廃止)。

軍や裁判所などは、この世俗主義を順守することで、自分たちの権力を守ることができました。このため、政府が親イスラムに向かうたびに、圧力をかけて退陣させてきたのです。

今回のクーデター決起は、ギュレン派粛正への抵抗か

トルコの現在の政権は、2002年に発足したイスラム保守の公正発展党(AKP)政権です。レジェプ・タイップ・エルドアン大統領は、同党の創設者であり党首です。

エルドアン氏は、首相(当時)就任後、欧米との関係を深め、10年間で年平均5%もの経済成長を実現しました。その一方で、軍や裁判所の権力を弱めるために、数千人もの世俗主義派のエリート層を辞任させたり異動させたりしました。

ただし、今回のクーデターは、これまでのような、世俗主義派と政権との衝突とは異なるという見方もあります。というのも、クーデターを試みたのは、エルドアン大統領の政敵であるイスラム宗教指導者ギュレン師を支持するグループであるとされているのです。

ギュレン派はもともと、エルドアン大統領とは親密な関係にありました。2013年ごろに政権と対立するまでは、率先して世俗主義派の排除を行っていました。

しかし、袂を分かつと、エルドアン大統領はギュレン派の静粛に取りかかりました。7月中旬には、ギュレン派の多くの将軍が逮捕される予定であるとされたことが、クーデターのきっかけだとも言われています。

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最終更新:7月25日(月)0時20分

投信1