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アルツハイマー病遺伝子持つ人、脳萎縮は3歳から

The Telegraph 7月23日(土)9時30分配信

【記者:Sarah Knapton】
 アルツハイマー病の発症リスクを著しく高める原因遺伝子を持つ人は、3歳時点ですでに脳萎縮が進み、認知能力も低下しているとの研究結果が、米医学誌「ニューロロジー(Neurology)」に掲載された。

 認知症リスクが15倍になる「APOEe4」という遺伝子変異を持つ子どもは、記憶力テストや注意力テスト、機能テストの結果があまり優れないことが判明したという。また、アルツハイマー病で影響が出る海馬や頭頂葉の脳回も最大22%萎縮していることが分かった。

 APOEe4変異を持つ人の割合は約14%。今回の研究で、アルツハイマーの原因となる遺伝子変異が、人生のごく初期のうちからすでに脳に影響を及ぼしていることが初めて示された。

 研究をまとめた米ハワイ大学、エール大学、ハーバード大学による研究チームは、遺伝子のスクリーニング検査を行えば、早期の治療的介入がどの子どもにメリットとなるかを医師が判断する助けになるとしている。こうした介入には教育支援や予防治療、検診、運動の増量などが含まれる。

 研究では、3~20歳までの1187人を対象に調査を実施。被験者は遺伝子検査と脳スキャンに加えて、思考力や記憶力を測るテストを受けた。被験者は脳の発達に影響をもたらす脳障害などの問題は抱えていなかった。

 研究論文の主著者リンダ・チャン(Linda Chang)博士は「APOEe4を持つ人への影響が最も大きかった。脳の構造や認知能力にマイナスの影響がみられ、それらは高齢者やアルツハイマー病患者への影響と類似したものだった」と指摘した。

 研究チームは、APOEe4型の遺伝子は脳の発達を遅らせており、将来、治療対象となる可能性があると捉えている。APOEe4は疾患にかかりやすくなることでも知られており、一部の研究者は、アルツハイマー病は感染によって引き起こされるもので、抗生物質が治療に効果を発揮する可能性があるとも考えている。

 アルツハイマー協会(Alzheimer’s Society)のイアン・ル・ギュー(Ian Le Guillou)氏は、「これらの興味深い研究結果は、APOEe4型遺伝子を持つ人の脳は子ども時代から異なっていることを示唆している」と述べつつ「しかし、結果の解釈は注意深く行わなければならない。この研究は1000人超の子どもを対象としたが、最もリスクが高いグループの子どもは30人に満たなかった。もっと大規模な調査でも同じ結果になるかどうかや、長期間にわたる観察で加齢に伴い脳がどう変化するかを検討していく必要がある」と指摘した。

 ル・ギュー氏は「この遺伝子変異を持つ人は認知症リスクが高いが、状態の悪化を抑えるためにやれることはある。例えば定期的な運動や禁煙、血圧上昇を抑えることなどだ」という。【翻訳編集】AFPBB News

最終更新:7月23日(土)9時30分

The Telegraph