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心を痛めるハンター 首都圏でジビエ料理提供、そこにある意味 JR東日本系飲食店で

乗りものニュース 7/23(土) 9:00配信

意味がある「東京でジビエ料理を出すこと」

 2016年7月25日(月)より、JR東日本の駅構内などに出店する同社グループの飲食店「ベックスコーヒーショップ」が「信州ジビエ 夏鹿カレー」を、「ベッカーズ」が「房総ジビエ 猪肉のスパイシーピタポケット」を発売します。

「ジビエ」とは、フランス語で「狩猟で得た野生鳥獣の食肉」を意味する言葉で、それを使用した料理は、ヨーロッパでは貴族の料理として古くから発展してきました。日本でジビエというと、シカ肉やイノシシ肉などが挙げられます。

 このジビエを使用したメニューの提供は、JR東日本が行う「地域再発見プロジェクト」の一環として、2011年から行われているものです。地方にある魅力的な商品や観光資源を、地域の人たちとともに掘り起こし、鉄道のネットワークや駅ナカなどの販路を利用して首都圏などへ発信する、というプロジェクトで、JR東日本 事業創造本部 地域活性化部門の名川 進次長は「旅行に行きたくなるような仕掛けを作る取り組み」といいます。

 メニューが開発されたきっかけとしてJR東日本フードビジネスの佐野正人取締役は、シカ肉やクマ肉などを商品化できないかという相談があったとき、ジビエを食べたことがなく、シカ肉などに「臭い肉」というイメージを持っていたものの、食べてみるとやわらくて臭みもなかったことを挙げます。そして、美味しいジビエを探したところ長野県のシカ肉に出会い、商品化へ至ったそうです。

活用率わずか14% 心を痛めるハンター「殺しているだけだ」

 長野県などではシカなどの野生動物が増加し、農作物が食い荒らされる被害が大変多く、全国における被害総額は年間200億円以上。日本ジビエ振興協議会の藤木徳彦理事長によると、毎年農作物が食い荒らされることに嫌気がさし、農業を辞めてしまう人もいるといいます。

 そういった被害をくい止めるべく、各自治体は猟友会などに野生動物の駆除を要請します。しかし捕獲されたシカなどの肉のうち、活用されるものの割合は全国平均で14%、長野県ではわずか5%。土に埋めて捨てることも多く、ハンターたちも「無駄な殺生はしたくない」と、嫌な思いをしていたそうです。

 長野県の蓼科(たてしな)高原でレストランも営む藤木理事長はあるとき、ハンターに「“殺生”というからには、肉を生かさなければ殺しているだけだ」と言われ、衝撃を受けたとのこと。そして、駆除された動物の肉を料理へ生かすことを決意。これによって地方と都市部が結ばれ、高齢化が進むハンターのモチベーションも上がるといいます。

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最終更新:7/23(土) 10:07

乗りものニュース

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