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岡山でもポケモン探し 公共施設などで立ち入り禁止も

山陽新聞デジタル 7月23日(土)10時40分配信

 「ようやく遊べる」「捕まえたぞ!」―。海外で大ヒットしているスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」の配信が始まった22日、岡山県内でも、待ちわびたファンが早速ダウンロードしてキャラクターの「捕獲」を楽しんだ。一方、警察や鉄道は「歩きスマホ」による事故や私有地への侵入を懸念して注意を呼び掛け。公共施設などの利用者への配慮から、ゲーム目的の立ち入りを禁止するケースが早くも出てきている。

 「昔からポケモンの大ファンで、ゲームの配信を楽しみにしていた」

 岡山市内の大学1年男子学生(18)は興奮気味に話す。午前10時半の授業終了と同時に、友人と一緒にポケモンGOをプレー。キャンパスを歩き回って5匹捕まえた。「インターネットで情報を集め、レアなキャラを捕獲したい」と笑みを浮かべた。

 ゲームをしていると、ポケモンやアイテム(道具)がいろいろな場所に出現する。観光名所もその一つとされ、後楽園(同市北区)では県立高3年の生徒(18)がスマホを片手に「ポケモンがたくさん見つかった」。岡山城(同市北区丸の内)では、同市立中2年の男子学生(13)が「城や遺跡はアイテムがたくさん取れる」と熱中していた。

 アイテムが入手できるマクドナルド各店にはゲーム目的に客が来訪。JR岡山駅店のアルバイト女性店員(25)は「ポケモン効果のおかげか、今日はお客が多い。ゲームをきっかけに新たなニーズが生まれれば」と言う。岡山駅前商店街振興組合の土居和正青年部長は「ポケモンを探すために若者が市街地に繰り出し、そのついでに商店街も巡ってほしい」と相乗効果を期待する。

 一方でポケモンGOを巡っては、交通事故の誘発や私有地への立ち入りなどトラブルが海外で頻発。岡山市内の商業施設に買い物に訪れた同県勝央町の主婦(45)は「ドライバーの立場からすると、ゲームに夢中になった歩行者に道路を歩き回られると困る」。岡山市連合町内会の目黒宏平会長は「見知らぬ人が住宅街をうろうろすると怖い。保育園や幼稚園に侵入しないかどうかも心配だ」と気をもむ。

 岡山県警は「車や自転車に乗りながらのゲームは道交法に触れる行為。農業用水路が多い岡山では転落死亡事故も頻発しており、歩きスマホとともに決してすべきではない」と強調。22日、携帯電話などに配信する「ももくん安心メール」で注意を喚起した。JR西日本岡山支社は線路への転落などを防ぐため、各駅の構内アナウンスで歩きスマホをやめるよう促している。

 さらに、ゲーム目的の施設立ち入りを禁じる動きも出ている。

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は同日、外来診察の玄関や院内の柱に「院内でのポケモンGOは禁止」とするちらしを張った。光生病院(同厚生町)でも同様の注意書きを玄関に張り出した。岡山赤十字病院(同青江)の忠田正樹院長は「メーカーはゲームで遊ぶ場所の設定から、ふさわしくないとみられる施設は除外すべきだ」と訴える。

 このほか、「滑走路など制限区域に立ち入ったら110番する」(岡南飛行場)▽「神域である神社にゲーム目的で訪れるのは望ましくない」(吉備津神社)▽「他の人の迷惑になる」(矢掛町立図書館)―など、ゲームに対する懸念や否定的な考えが少なくない。

 青少年のネット利用に詳しい兵庫県立大の竹内和雄准教授は「海外の熱狂ぶりを見ると国内でもかなりの混乱が懸念され、地域や家庭で歩きスマホの禁止をあらためて徹底すべきだ。遊ぶ場所の設定についてもメーカーがノウハウを蓄積し、検討していく必要がある」としている。

最終更新:7月23日(土)10時40分

山陽新聞デジタル