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英航空ショーでじわり存在感を発揮したニッポンの中小企業

ニュースイッチ 7月23日(土)9時47分配信

海外市場にらみ技術をアピール

 地方の中小企業グループが海外の航空機市場参入に向けて動きだした。国内市場は世界全体のごく一部であり、海外企業からの受注が航空機事業の成功には不可欠。広島県、石川県の中小グループは、英国でこのほど開かれた世界最大級の航空宇宙産業展「ファンボロー国際航空ショー」で、それぞれの方法でアピールに挑んだ。

 「ゆくゆくは受注したいが、まずは世界を知ることから」―。明和工作所(広島県福山市)の菊田九常務取締役に焦りはない。減速機の歯車を手がけ、航空機産業の成長性や長期間仕事を得られることに魅力を感じ、2012年に営業活動を始めた。

 広島県が14年に設立した組織「ひろしま航空機産業振興協議会」では、同社など県内の会員5社が初出展。IHIの調達部門OBの支援を得て、各社と来場者の商談を実施した。これまでは国内での商談を支援していたが、「市場のほとんどを占める海外を狙わなければならない」(井上隆志広島県商工労働局ものづくり・新産業支援担当課長)と方針転換した。

 石川県産業創出支援機構は県外企業6社を含む12社と出展した。本多保夫事務局参事は「石川県の企業かどうかにはこだわらない」と説明する。

 12社は航空機部品の受注から納入までの各工程を共同で手がける組織「ジャパンエアロネットワーク」(JAN)に所属する。各社が得意とする工程を分担し、高林製作所(金沢市)など石川県の中小が中心的な役割を担う。

 JANは主に、降着装置など航空機関連が主力の住友精密工業から仕事を受注する。同社がサプライヤーの強化を狙って、13年のJAN設立を支援した。JANの仕事の多くは、同社から受注したものだ。

 住友精密工業OBで、JANの五十嵐健最高執行責任者(COO)は「航空機産業の課題であるコストを抑えることが一番の目標」と説き、「石川県の企業でほとんどの工程をカバーできる」と同県の中小の技術力を評価する。

 ファンボロー、パリと主要航空ショーにはこれまでも出展しており、アピールよりも来場者との交流を意識した。五十嵐COOは「航空ショーは展示会というよりはサロン」とどっしりと構える。

 初出展の広島、常連の石川の姿勢は対照的だが、海外での存在感を高めようという思惑は同じだ。地方の航空機産業が飛躍するには、海外で評価されることが不可欠だ。今回の出展を第一歩に、粘り強く取り組むことが期待される。

最終更新:7月23日(土)9時47分

ニュースイッチ

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