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響く「カンカン」、点滅する赤色灯 東海道新幹線N700Aが踏切を通過

乗りものニュース 7/23(土) 10:54配信

遮断機が降り、現れたのは純白の新幹線

「東海道新幹線に乗って踏切を通過する」という珍しい体験が2016年7月23日(土)、行われました。

【動画】強い違和感? 踏切を通過する新幹線

 高速走行時の安全性を確保するため、新幹線は踏切を排除しているのが大きな特徴です。「カンカン」と鳴り響く踏切を新幹線が通過していく姿は、想像しやすいものではないでしょう。しかし、“例外”もあるのです。

 東京~新大阪間を結ぶ東海道新幹線。その「本線」から分岐し、車両整備などを行う浜松工場(静岡県浜松市)への「引き込み線」に、実は1か所だけ踏切(西伊場第1踏切)が存在しており、「東海道新幹線で唯一の踏切」として鉄道ファンに知られているほか、浜松市のウェブサイトでも「珍百景」として紹介されています。

 この7月23日(土)、JR東海は浜松工場の一般公開イベント「新幹線なるほど発見デー」を行うのにあわせ、新大阪駅からその引き込み線、すなわち踏切を通過して浜松工場へ直通する特別列車を運転。親子連れなど大勢の乗客が窓外に向かって手を振り、写真を撮りながら、「新幹線で踏切を通過」という貴重な体験を楽しみました。

 浜松工場には車両整備のため、しばしば新幹線電車が出入りします。よって、この西伊場第1踏切を新幹線電車が通過すること自体はそう珍しくはありませんが、乗客のいる営業列車は普段、そこを走りません。このように乗って「唯一の踏切」を通過できるのは、相当にレアな体験です。

 もちろん「引き込み線」なので、走行は低速。安全に問題はありません。

実は、かなりややこしい「新幹線の踏切」

 ただ、「新幹線の車両」に乗って踏切を通過すること自体は、いつでも体験できるものでもあります。山形、秋田新幹線です。両新幹線で踏切がある区間(福島~新庄、盛岡~秋田)は分かりやすさから「新幹線」と表現されていますが、法的に、また構造的にも「在来線」で、最高速度も130km/hですが、途中に踏切がいくつもあります。

 しかし「東海道新幹線で」、また「フル規格の新幹線電車が自走して」という条件が付くと、浜松工場付近にある西伊場第1踏切が“唯一”で、通常は営業列車が走らないため、そこを乗客として通過するのは相当にレアな体験です。

「フル規格」というのは、かんたんにいえば「本来の新幹線」です。東海道、山陽、九州、東北、北海道、上越、北陸新幹線が該当します。これに対し、在来線を「フル規格新幹線」と直通運転できるようにした山形、秋田新幹線は「ミニ新幹線」といいます。そのため西伊場第1踏切は、「本来の規格の新幹線電車が自らの力で通過する唯一の踏切」と表現することもできるでしょう。

 なお、浜松工場の一般公開イベント「新幹線なるほど発見デー」は7月23日(土)と24日(日)の2日間にわたって開催され、クレーンを使った新幹線車両の“空中移動”実演、車両展示などを実施。入場は無料で、浜松駅からシャトルバス(無料)が運行されます。

恵 知仁(鉄道ライター)

最終更新:7/26(火) 12:51

乗りものニュース