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イノシシによる被害防げ 葉山町、地元農家らが「対策実施隊」

カナロコ by 神奈川新聞 7月23日(土)7時3分配信

 イノシシによる畑や作物の被害対策が葉山町内で課題となっている。町内には30頭ほどが生息しているとみられ、大きい個体は体長120センチ、体重80キロほどにも上るという。被害を防ごうと今月1日から「鳥獣被害対策実施隊」が結成され、地元農家ら20人が隊員として活動している。

 実施隊長の石井喜三郎さん(63)によると、イノシシの被害は町内では3年ほど前から確認され始めた。ジャガイモやカボチャなどを掘り起こして食べるほか、畑を歩き回って苗が踏まれる被害も多い。

 県の調査によると、2014年度のイノシシによる葉山町の農作物被害は0・4トン、8万円。県内全体の被害214トン、5100万円からみれば少なくみえるが、石井さんは「少額や金額が算出できない場合も多い。農業被害に含まれない家庭菜園の被害もある」。石井さんらは以前から被害対策に取り組んでおり、昨年は7頭、今年も既に4頭を捕獲した。

 実施隊は町から委嘱され、国の交付金を受けて捕獲用のくくりわなや箱わなを購入。設置したわなの状況を週2回見て回る。捕獲したイノシシはほとんどを埋設処分か自家消費する。

 山間部にカメラを設置するなどして現地を調査している日本大生物資源科学部の中島啓裕助教(動物生態学)は、「イノシシは移動能力の高い生き物。例えば房総半島など多く生息する場所から泳いできたとも考えられる」と推測する。

 イノシシは雑食で、農作物の味を覚えると山に餌があっても畑に来るという。一度に4~5頭の子どもを産むため、増えるスピードが非常に速い。中島助教は「全頭駆除はなかなか難しい。畑の周囲に電気柵を設置し、雑草を刈ってイノシシが隠れる場所をなくすことなどが農作物の対策として効果的だ」と指摘している。

最終更新:7月23日(土)7時3分

カナロコ by 神奈川新聞