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「FRB」「FED」「FOMC」って何ですか?

ZUU online 7/24(日) 6:10配信

経済ニュースで「FRB」「FED」「FOMC」といった略語を見聞きすることがあります。ともに米国の中央銀行に関係した略語ですが、日本の中央銀行と仕組みや位置付けが異なるため、「何となく分かっているが、違いを正確には説明できない」という人も多いでしょう。大まかには「FED」が中央銀行制度で、「FRB」がFEDを運営する機関(理事会)、「FOMC」がFRBが開催する会合を指します。

■FRBとFED、FOMC いずれも米国の「中央銀行」に関係あり

FRBは米国の連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board)の略です。この理事会は全米に12ある連邦準備銀行と共に、さまざまな米国の金融政策を決定します。

FEDは連邦準備制度(Federal Reserve System)を指します。頭文字をとってFRSと呼ぶこともありますが、「Federal」の頭3文字をとって、“FED”や“The Fed”と呼ばれるのが一般的です。

連邦準備制度は、前述の連邦準備制度理事会(FRB)、連邦公開市場委員会(FOMC)をすべてひっくるめた米国の中央銀行制度の総称です。

FOMCという略語がまた出てきましたが、これはFRB(連邦準備制度理事会)が定期的に開く会合のことです。FRBの理事と連邦準備銀行の総裁5人が出席します。年8回開かれ、金利の誘導目標などが話し合われます。

日本や英国の中央銀行は、それぞれ日本銀行やイングランド銀行単体ですが、米国では12の連邦準備銀行の集合体となっています。米国ではそれぞれの州が非常に強い独自性を持っており、一つの州に中央銀行を置くとその州の力が強くなってしまうためです。

12の連邦準備銀行は、ボストン(マサチューセッツ州)、ニューヨーク(ニューヨーク州)、フィラデルフィア(ペンシルベニア州)、クリーブランド(オハイオ州)、リッチモンド(バージニア州)、アトランタ(ジョージア州)、シカゴ(イリノイ州)、セントルイス(ミズーリ州)、ミネアポリス(ミネソタ州)、カンザスシティ(ミズーリ州)、ダラス(テキサス州)、サンフランシスコ(カリフォルニア州)となっています。

米ドルはこの連邦準備銀行が発行しており、どの連銀が発行した紙幣かは、印刷されたアルファベット記号(AからL)を見ると分かる仕組みです。

■運営しているのはどんな人?

連邦準備制度理事会(FRB)は7人の理事によって構成され、議長は大統領が指名します。2016年5月時点で、FRBの議長はジャネット・イエレン氏(第15代)です。過去には、ベン・バーナンキ氏(第14代)、アラン・グリーンスパン氏(第13代)などが務めました。

イエレン氏は、カリフォルニア大学バークレー校のビジネススクールで教鞭をとったほか、サンフランシスコ準備銀行の総裁を務めた過去を持ちます。2008年以降の経済危機の際には副議長として大規模な量的緩和政策を実行、経済を回復させたとして評価されています。

現在の副議長はスタンレー・フィッシャー氏。イスラエル中央銀行の元総裁で、マサチューセッツ工科大学(MIT)の教授時代にはバーナンキ前FRB議長やサマーズ元財務長官、加えてドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁などをも指導したそうです。

■FRBやFEDの役割とは

FRBの役目としては、「最大限の雇用」と「物価の安定」という二つの使命(デュアル・マンデート)を果たすためにさまざまな金融政策を駆使することです。

たとえば、「利上げ・利下げ」をするかどうか、するとしたら何%上げる(下げる)ことを目標とするのかを決めるのがFRBであり、その会合がFOMCです。

「利上げ」とは何の金利を上げることかと言うと、「フェデラル・ファンド・レート」(FF金利)です。米国の場合、民間の銀行はフェデラル・ファンド(準備預金)を連邦準備銀行に預けなければなりません。フェデラル・ファンド自体は無利息です。このときの民間銀行同士の貸し借りの金利がFF金利と呼ばれます。「利上げ」とはFF金利を上げるということです。

民間銀行同士の貸し借りの金利を、中央銀行であるFRBがどうやって上げるのでしょうか。FRBは民間銀行に「何%でお互いに貸し借りしなさい」と強制できないので、出回っているお金の量を調整することで間接的にFF金利が上がるように誘導します。利上げの際に、「金利の誘導目標をゼロ-0.25%から0.25-0.50%に引き上げた」というような言い方をするのはこのためです。

■FRBが注目される理由

FRBの動向が世界から注目される理由は、米国の金融政策が世界中の株価や為替に影響を与えるからです。

たとえば米国がFF金利の誘導目標を引き上げると、民間銀行が米国企業に貸し出す際の金利も上昇すると考えられます。すると企業の借入金の負担が増し、業績が悪化、株価の下落を招く可能性があります。これが米国の個人消費の悪化につながり、貿易相手側の企業業績を悪化などを通じてその国の株価にも影響を及ぼすと考えられます。

グローバル化が進んだ今、米国の金融政策が他の国に与える影響はより大きくなっており、慎重な舵取りを求められています。

■略語のまとめ

FED(Federal Reserve System、連邦準備制度)……中央銀行に相当する制度のことで、以下のFRBやFOMCからなる。

FRB(Federal Reserve Board、連邦準備制度理事会)……FEDを運営する機関で、議長はイエレン氏。FOMCを開いて金融政策を決定する。なお、全米に12ある連邦準備銀行(地区連銀、Federal Reserve Bank)を指すこともある。

FOMC(Federal Open Market Committee、連邦公開市場委員会) ……連邦準備制度理事会が開催する会合。
(提供:お金のキャンパス)

最終更新:7/24(日) 6:10

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