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「パパと私、すごく似てるって思った」 父と娘の“答え合わせ”の結末は?

ITmedia Mobile 7月24日(日)11時10分配信

 成人した娘とその父が、(娘が)思春期だったころを回想しつつ本音で語り合う連載「育児の答え合わせ」。脳内で考えてはいたけどいえなかったあんなこと、つい口を滑らせて誤解された余計なひとこと、恥ずかしくていえなかった言葉を、少し照れながらも赤裸々に語り尽くします。

【画像】対談を終えた鈴木親子

 連載最後のテーマは「子供の将来と親への感謝」。前回、「彼氏と同棲する」という娘さんからの告白に動揺を隠せなかったお父様でしたので、もう少し心拍数低めに落ち着いて話せる「これからの未来と親への感謝」を話すことで締めくくろうと思います。

<父(60歳)>
宇都宮在住で都内に勤務する実直な公務員。勤続42年で3週間後に定年退職を迎える。娘とは高校生のころからほぼ会話がない。

<娘(25歳)>
都内のIT系企業で働く社会人3年目のビジネスウーマン。高校3年時のある事件をキッカケに、父と会話が途絶えて今に至る。

●禁煙してほしい娘 VS かたくなにあらがう父

――お父さんに対して、娘として要望はありますか?

娘 禁煙してほしいです。ずっと思っているんですけど、数少ない楽しみを奪ってしまうのがイヤで言えてない。

父 分かってはいるけど、タバコはなかなか止められないんだよ(笑)。

娘 やめてほしい理由は健康第一だからだよ。パパには元気でい続けて、私の子供の面倒をみてほしいから……(笑)。

父 家族皆が禁煙して欲しがっているなーってのは伝わっている。タバコが身体に良くないのも重々承知してる。でも、やめられないし、多分やめないと思う(笑)。

娘 それで病気になってもいいの? 寿命が短くなってしまっても、後悔しないの?

父 そうなったら諦めるしかないでしょ。

娘 パパが良くても、家族が諦められないんだってば。

●LINEではヒトコトしか発しない寡黙な父

――父を思いやる娘さん、いいじゃないですか。ちなみに理想の父との関係ってどんなですか?

娘 ……最近、友人がFacebookに、「父と二人でシンガポール旅行に行ってきました」って投稿していたのを見て、「すげーな……よくやるな」って思った。仲良さそうな親子を見ると……。

父 うらやましい?

娘 いや、その、なんというか、(一緒に旅行に出掛けるなんて)よくできるな……と思う。

父 やってみたい?

娘 わりと気まずいかも(笑)。

父 旅行とか大げさなイベントもいいが、それ以前にもっと日常生活で雑談したほうがいいかもな。我が家は雑談が少ないよ。

娘 私はママとは話しているけどね(笑)。

父 まあ、父さんはおしゃべりが苦手ではあるんだが。

娘 家族のグループLINEがあって、全員で会話もするけど、パパはいつもひと言だけじゃない。

父 そうか? でも最近、ようやく絵文字とスタンプを使えるようになったぞ。

娘 もうちょっと趣味とか増やせばいいのに。

●生活をミニマムにしたい父

――お父さんは、何か趣味はお持ちですか?

父 (間髪入れず)ありません!

娘 趣味がなにもないって、娘として心配だよ。今月末で退職だよ? そうしたら毎日が日曜日だよ?

父 いや、のんびり休むのは2カ月だけだ。再就職先を見つけるつもりだよ。

娘 じゃあ2カ月間、何をするの?

父 取りあえず旅行だな。母さんをずっと旅行に連れてあげられなかったから、まずは京都めぐりだ。

娘 それはいいことだけど、生活を縮小しようかと考えているって本当? 家計のどこを節約しようか夫婦で考えているってママから聞いたよ。どうするつもり?

父 車を2台から1台に減らし、固定電話を解約し、ついでに新聞も解約しようかなと。

娘 えっ! でも、それでいいの? 困るよきっと。

父 将来を考えて、老後のためにやるんだよ。パチンコにお金を使いすぎちゃったから、節約しないとさ。

娘 正直に言うと、タバコと一緒にパチンコもやめてほしいんだけど。

父 すまん。そこだけは譲れないんだ(笑)。

●「ネットは生涯使わない」宣言をする父

娘 娘としては、今後の両親の生活を助けたい気持ちはあるよ。

父 親はそういうのを当てにしちゃいけないんだよ。親は親で、自分で生活を維持していくべきなの。

娘 でも、新聞と固定電話を解約しようかどうか考えているパパの姿を見せられるとさ……。

父 固定電話なんて、いまどき不要なんだよ。かかってくるのはどうせオレオレ詐欺ばっかりだし(笑)。

娘 娘としては、生活をミニマムにしすぎてほしくない。人生を楽しんでほしいよ。

父 健康さえあれば、十分に楽しいもんだよ。

娘 PCやインターネットもほとんど使わないでしょ?

父 そうだな。メールもネットショッピングも、やるつもりはさらさらないぞ。

娘 実家にネットは引いているけど、あまりにも使わなさすぎて、料金体系を従量課金に切り替えたほどだよね。せめてネットくらいたしなんでもいいって思う。ママはわりとネットでショッピングをしているみたいだけど。

父 ネットなんてべつにいいよ……。そもそも何に使えばいいかよく分からないし……。

娘 池上彰さんとかの時事系番組が好きでしょう? 動画とかネットで視聴することもできるんだよ。

父 いや、遠慮する。そういうのって、無料か有料か分からないし、いつのまにか月額料金を取られるかもしれないから怖い。

●留年の報告をアッサリと受け入れてくれた父の度量に感謝

――お父さんにもっとも感謝したいことは?

娘 60歳まで、ずっと勤め上げてくれたことかな……。

父 いっぺんだけ、父さんに泣きついてきたことがあったな。

娘 え? いつだっけ。

父 高校に入ってすぐ、聞いたこともない妙な会社から高い学習教材を買ってしまっただろ。

娘 そうだった。夜中に訪問販売されて、ママと私が口車に乗せられてしまって、大量の教材を購入してしまったんだった。学習室が使えたり、電話相談もできたり、チューターもついてくれるので安心だよ……って調子いいことを吹聴されてつい。

父 らしいな。

娘 しかも、教材が死ぬほど高いという……。いくらだっけ、50万くらい?

父 100万近かった。

娘 よく買ってくれたね(笑)。買ってからしばらくは良かったけど、担当が数カ月後に異動してから、まったく相手にしてもらえなくなって、「こりゃおかしい」ってネット検索したら、悪い評判が出るわ出るわ(笑)。

父 ふむ。

娘 電話でクレームを入れたんだけど、子供だと思って取り合ってくれなくて、太刀打ちできなかった。で、パパに「どうしよう~」って半泣きで相談したら、目の前で電話してくれて、ものすごく落ち着いた対応してくれて収拾がついた。「パパすごい!」って思ったよ。

父 そうか(笑)。

娘 あと、もう1つパパに感謝しているのは、留年の報告をしたときの対応かな。よくあっさりと受け入れてくれたなあ、と。普通はカミナリが落ちてもおかしくない。

父 カミナリを落としたら、留年が取り消されるのか? 卒業できるのか? ってことだよ。意味のないことは言わないポリシーなの。

娘 その性格は自分にも受け継がれてるね。今、すごく似てるって思った。

●自分の幸せ&家族の幸せを両立させたい

――仕事も将来の伴侶も大切な娘さんにとっての幸せってなんでしょう?

娘 私にとっての幸せは、やりたい仕事を家族のそばでやることじゃないかと。(実家のある)栃木の家族のそばで、好きな仕事ができることだと思います。将来的に栃木で働きたいって気持ちがありますね。

父 お前が東京に就職が決まって、一人暮らしのために家を出るとき、母さんがしょんぼりしていたよ。

娘 高校からずっとお母さんが送り迎えしてくれてたからね。

父 急に話し相手がいなくなって、さみしかったんじゃないかな。

娘 私も、一人暮らしをして初めて家族のありがたさ、親の偉大さを知った。将来のことだからまだ分からないけど、栃木で子どもを育てた方がいいんじゃないかなって気はしてる。両親に孫を育ててほしいし(笑)。

父 孫の世話を父と母に押し付けるつもりか!(笑)

娘 うれしそうな表情で何言ってんの。まあ、互いに近くに住んでいるってのはいいことだよね。

父 遠くに行かれるよりは全然いいよ。将来的に栃木に居住する可能性が聞けて、父さんもほっと一安心だよ。

――お父さんが内心ホッとしたところで、お開きということに!

●今回の答え合わせ

Q:娘に向かって、父として最上級の愛情を込めた言葉をかけてください。

自分自身で選んだ道なのだから、楽しんで頑張ってほしい。お父さんとお母さんの娘に生まれて来てくれて、ありがとう。孫の顔を早く見たいな。

Q:父に向かって、娘として最上級の感謝を込めた言葉をかけてください。

定年おめでとう。口数が少なく、背中で見せるタイプのパパは、心が幼かった頃の私にはそのかっこよさは伝わりづらかったけど、今なら分かる。私もそんな風に、無償の愛を家族にそそげるような人になりたいと思ってるよ。

 プライバシーがダダ漏れの父と娘のインタビューにご協力くださった鈴木親子に深く感謝です。そしてお読みくださった方もお付き合いありがとうございました。最初から読みたい方は関連記事からどうぞ。

最終更新:7月24日(日)11時10分

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