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日経平均、8月後半に2番底をさぐる展開か? 2016年下期シナリオ

ZUU online 7月24日(日)17時41分配信

今年上半期の主要株式市場のパフォーマンスをみると日経平均は18.2%安となり、イタリア株の24.4%安に次ぐ下から2番目に悪いパフォーマンスだった。先物や現物のショートや新興市場のトレーディングを積極的にやっていなければ日本株で利益を出すのは難しかったのではないだろうか。今年前半を振り返りながら今年後半の日経平均を予想してみよう。

■16年上半期の日本株はワーストパフォーマー

円高による企業収益の悪化を懸念した外人投資家の日本株売りが目立った。外人投資家の上期の売りは4.5兆円に達した。アベノミクス以来、外人は2012-2014年で18.8兆円ほど買い越しており、2015年は3000億円の売り越しに転じ、2016年に大幅な売り越しとなっている。

一番パフォーマンスがよかったのはブラジル株で年初来18.9%のプラスだった。ブラジルレアルとブラジル株がともに大きく上げている。ルセフ大統領の弾劾の影響でブラジル経済が立ち直るとの見方が強く外国人の買いを集めた。

米国のNYダウは2.9%高とプラスを維持、英国は国民投票でEU離脱を決めながらも年初来4.2%高、ドイツ銀行の破綻が懸念されるドイツ株ですら9.9%安。日本株の弱さは際立っていた。

2016年年初からの下げは中国株の下落と原油の下げから始まったが、上半期を終えてみると上海総合指数は17.2%安、原油に至っては年初来では30.5%高となっている。バブル崩壊が懸念される中国株式市場より日本市場は売られている。

■2016年上半期の下落率は史上4番目

日経平均の上半期の下げ18.3%安を過去と比べてみよう。今年の下げは過去4番目の下げだ。過去上半期で最も下げたのが1992年の31%安、バブル崩壊が明らかとなり土地の値段が17年ぶりに下げた年だ。2番目は1995年の26%安、阪神・淡路大震災やサリン事件があった年だ、3番目は1950円の22%安、朝鮮戦争勃発の年だ。そして今年が過去4番目。5番目の1990年はバブル崩壊後に不動産の総量規制などが入った年で18%安。今年の上半期の下げはバブル崩壊後の下げを上回っている。

下期も下げが続くようだと「アベノミクス崩壊」もしくは「マイナス金利ショック」というような名前がついてもおかしくないほどの下げとなっている。

■2016年下期は為替の動向で景色が変わりそう

下期の日経平均を見通す上で一番大事なファクターは為替だろう。円高は日本企業の業績を確実に圧迫する。日本企業は、16年3月期の決算発表時に出した17年3月期の期初予想連結経常利益は3%増益を見込んでいる。為替の前提は16年3月期比10円ほど円高の110円程度を社内レートに設定している企業が大半だ。ユーロでは125円設定が多い。

トヨタは今期の営業利益で40%減益を見込んでいるが、為替の前提はドル円で105円、ユーロで120円。トヨタは他の日本企業より厳しめの前提で予想を出している。

SMBC日興証券が、「円高の進行が企業業績に与える影響」についてのレポートを7月5日に公表した。2017年3月期の平均円相場が100円になった場合、大企業製造業の経常利益は前年度に比べ26.1%減益になると試算している。円相場が1円円高に振れると、大企業製造業の経常利益は2160億円程度減少する。平均円相場が105円でも19.8%の減益になるとしている。

上半期の日経平均が18%安と言うことは、市場はBREXIT後の100円を上回る円高と今期の日本企業の20%程度の減益をすでに織り込み始めていたのだろう。

ただ為替が円安に振れれば話は別だ。110円よりも円安になると今期の日本企業は増益になる可能性が高くなる。増益ならば株価の位置は違ってくるだろう。

■2016年下期は為替次第 2番底をさぐりに行く展開か?

日本市場は年初からの中国株安、原油安で大きく売られた2月13日安値1万4865円が今年の安値になると思っていた人が大半だった。ただ英国のEU離脱ショックで6月24日には1万4864円をつけ、小幅ではあるが今年の一番底となった。その後、英国が国民投票前のレベルを早々に奪回、米国も全値戻しを達成した。日本株も円がBREXIT前の水準まで戻したため、順調に戻している。

ただ、過去の海外の要因による日本株の急落局面を振り返ると、一番底をつけてショートカバーなどで一旦戻った後に、実体経済の悪化、企業業績悪化などが表面化し、2番底を探りに行く展開が多いことに注意したい。

三菱UFJモルガンスタンレー証券の分析では、1987年ブラックマンデーも、2013年のバーナンキショックも、2014年の中国元切り下げショックもだいたい2ヶ月後に2番底をつけているという。

欧州の懸念や銀行のバランスシートの悪化が表面化するのはこれからだとしたら8月後半から9月前半にかけて円高がぶり返し、1万4000円から1万4500円程度の底値をつけに行く可能性もありえる。。

2番底確認後、為替次第ではあるものの、年末にかけて日経平均は切り返し1万6000円から1万7000円程度に戻るシナリオが2016年下期のメインシナリオだろう。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

最終更新:7月24日(日)17時41分

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