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世界一のショコラティエ新店舗出店 2度の水害乗り越え

両丹日日新聞 7月24日(日)8時0分配信

 世界一のショコラティエ、京都府福知山市の水野直己さん(38)が21日、猪崎の三段池公園近くに「洋菓子のマウンテン」の新店舗をオープンさせた。福知山城周辺にぎわい創出施設・ゆらのガーデン内に構えていた店舗が、2年続きで水害に遭ったことから、移転を決意した。「洋菓子文化を地元に根付かせ、スタッフを世界へ羽ばたかせたい」と思いは強い。

 洋菓子づくりを始めたのは高校卒業後。店を創業した父親の亘さん(68)から諭された「限界を出し切って心を込めて作る」ことを忘れず、五感を研ぎ澄ませて修業に打ち込んだ。07年にはフランス・パリであったチョコ細工大会「ワールド・チョコレート・マスターズ」で総合優勝。アジア人初の快挙だった。

来店客やスタッフのことを思い移転決断

 世界最大のチョコ原料メーカーのバリー・カレボー(本社・スイス)の大使に任命され、海外にもたびたび渡り、コンクールの審査員を務める。一方で、教えを乞いたいと全国からやって来るスタッフの指導にもあたる。 12年春、ゆらのガーデンに出店したが、苦労の連続だった。世界最大級のチョコの祭典「サロン・デュ・ショコラ」への参加などで名が広まり、京阪神などからの来店客も増えたが、13年9月の台風18号で店が浸水。11月に営業を再開したが、翌年の8月豪雨で再び水につかった。

 2回目は土間から上に2メートルまで浸水し、厨房機材や販売機材も全滅。「これ以上、来店客に迷惑をかけられない。一流パティシエをめざすスタッフが作業に専念できる環境にしたい」と、移転という苦渋の決断をした。

カフェスペースも新たに設ける

 移転先に選んだのは市民の憩いの場・三段池公園の南側にある第1駐車場の隣。「緑に包まれた静かな環境」が気に入った。広さ1千平方メートル近くの敷地に、今年2月上旬から鉄骨造り2階建て延べ床面積約470平方メートルの建物を建築した。

 修業を積んだフランスの菓子店をイメージし、白を基調とした気品ある外観に仕上げた。1階は主に販売スペースと厨房、2階は50人以上が利用できるカフェと事務室などを配した。

 木をふんだんに使った温かみのある内装だが、水野さんが得意とするボンボンショコラ(一口サイズのチョコ)の販売スペースは、煉瓦の壁のワインセラーのような空間にした。ショーケースの中に宝石のように並び、1粒から購入できる。このほか、マカロン、ケーキ、焼き菓子などを置く。

 「洋菓子の魅力を多くの人に伝えたい。出来立てのスイーツを味わっていただけるように、今までなかったカフェスペースを設けました。公園にお越しの際はぜひお立ち寄りください」と話す。

 営業時間は午前10時から午後7時(日曜、祝日は午後6時)まで。水曜日定休。店の前などに25台駐車できる。同店は、電話(22)1658。

両丹日日新聞社

最終更新:7月24日(日)8時0分

両丹日日新聞