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ポケモンGOだけじゃない拡張現実の活用法。スタンプラリーや動物園の案内にも

ニュースイッチ 7月24日(日)13時41分配信

ウルトラマンと記念撮影いかが?

 22日に日本で配信が始まったスマートフォンのゲーム「ポケモンGO」は、拡張現実(AR)という技術を活用し、利用者が現実にいる場所とゲーム上の仮想空間を同期することによって臨場感を演出している。今、ARはスマホのゲームにとどまらず、スタンプラリーといった地域興しや、娯楽施設の誘客にも使われている。災害対策や作業・建設分野への応用なども研究されており、もはや単なる娯楽のためのツールではなくなっている。

 福島県は、県内観光地で実物大のウルトラマンなどと記念撮影できるスタンプラリーを始める。スマートフォン(スマホ)の画面上で、現実の風景と画像を重ね合わせるAR(拡張現実)技術を活用。東京電力福島第一原発事故の影響で落ち込む観光客を呼び戻したい考えだ。

 スタンプラリーは鶴ケ城(会津若松市)など県内15コース40カ所で、10月16日まで行う。事前にスマホにダウンロードした専用アプリを使うと、画面上に実物大のウルトラヒーローや怪獣が出現し、一緒に撮影できる。撮影画像はフェイスブックやツイッターなどに投稿できる。

 一方、NTTドコモ中国支社は、広島市安佐動物公園に、来園者用スマートフォンアプリ「あさ図鑑」を納入した。入園者が増えるゴールデンウイークに向け、利便性の向上と飼育動物に関する知識の普及が目的。AR(拡張現実)機能や全地球測位システム(GPS)機能を活用し、来園者に情報を提供する。手持ちのスマホやタブレット端末に無料でダウンロードでき、ドコモ以外の端末にも対応した。

 あさ図鑑は動物の飼育情報を動画、写真、音声ガイドで見聞きでき、GPSで園内を効率的に周遊し、リアルタイムでイベント情報が得られる。飼育動物と一緒に写真が撮れる機能や、鳴き声クイズなども搭載した。

 スマートフォン用アプリケーション「きこりんアプリ」を開発したのが住友林業。コンテンツは2種類。拡張現実(AR)機能を採用した「きこりんカメラ」はスマートフォンなどのカメラ機能で緑色を認識すると画面上に同社のキャラクター「きこりん」が出現する。「実例コレクション」は住友林業の家の実例を検索・閲覧できる。内観・外観の写真、設計やデザイン、使用部材などのこだわりを閲覧可能で、住宅購入検討者の家づくりをサポートする。利用は無料。

 建設分野への適用を進めているのが富士通研究所(川崎市中原区)。保守点検などの現場において、現場の全景を遠隔地で把握できる技術を開発。作業者がタブレット端末(携帯型情報端末)のカメラで撮影した時系列の画像から、現場の全景が分かる3次元のパノラマ合成画面を生成する。これに拡張現実感(AR)技術を組み合わせることによって、遠隔地から作業者に的確な指示が送れる。2016年度中に実用化する計画だ。

 作業者が撮影したカメラ画像とセンサーから位置や向きを推定し、複数枚の画像を立体的に配置した3次元画像をオンラインで生成する仕組み。これを遠隔地で監視し、画面上に指示を出せば、作業者の端末にその指示が表示され、作業の効率化が見込める。

 熟練技能者の不足などに伴って、若手の作業者に対して経験者が遠隔で作業支援を行うなどのニーズが高まっている。しかし、作業者側のカメラ画像を使う従来の遠隔支援技術は、視野が狭いなど現場の状況をつかみづらい課題があった。今後、作業現場だけでなく、物流や建設、小売りなどへの展開も視野に入れる。

最終更新:7月24日(日)14時43分

ニュースイッチ