ここから本文です

JR全駅乗降達成 高松市の会社員が偉業 次は私鉄制覇目指す

カナロコ by 神奈川新聞 7月24日(日)7時3分配信

 全国の鉄道駅を訪ね歩いている高松市の会社員、渡辺律人さん(46)が23日、横浜市鶴見区のJR鶴見線国道駅に降り立ち、4563あるJR全駅での乗降を達成した。仕事の合間に100回以上の旅行を重ね、たどり着いた偉業だ。

 昭和初期に造られ、高架下にアーチ状の梁(はり)が連なる国道駅。古い駅舎が好きな渡辺さんは、この駅をとっておきのゴールに選んだ。「思った通り、時代を感じさせる。8年7カ月もかかったので…ホッとした」。その表情は満足げだ。

 きっかけは山口県に住んでいた2006年、買い物などで乗り降りしていたJR下関駅が放火で焼失したこと。不便さと名残惜しさを覚えながらも「駅への関心が高まった」。全駅訪問の苦労をつづった本にも刺激され「自分も全部巡ってやろう」と心に決めた。

 とはいえ、鉄道ファンでもない渡辺さんにとって、登山初心者がいきなりアルプスに挑むようなもの。時刻表の路線図を開いて驚嘆した。「すごい数やな!」

 はるかな“頂上”を思い旅を始めた頃、出会いがあった。広島県の山間部にあるJR芸備線の内名(うちな)駅。1日3往復の列車が来るだけの人跡まれな無人駅に、自分のほかに客がいた。

 それが、同じ目的で全国を旅していた横須賀市の地方公務員、佐藤孝之さん(45)。10年にJR全駅、13年には私鉄も含めた国内の全駅を制覇した先達で、当時やっと300駅程度を数えた渡辺さんに対し、佐藤さんは3千を超えていた。「この出会いが刺激となってエンジンがかかった」と渡辺さんは振り返る。

 自分なりのルールは、ホームに降りるだけでなく改札口を通ること。それだけに難易度が高く、達成者は全国でも数十人程度とみられる。渡辺さんは、本数の少ない区間で隣の駅まで何キロか歩き、訪問数を稼ぐという手も使った。鉄道旅行なのに健脚を要した。なにしろ1日に上下1本ずつしか列車の止まらない駅が、北海道にはあるのだ。

 駅巡りの旅は月に1度のペース。妻は「それがあなたの生きるエネルギーだから」と認めてくれる。旅費は毎月のお小遣いから充当するが、渡辺さんは「500万円には達したと思うけれど、怖くて計算していない」と苦笑い。JRの次は私鉄の全駅乗降を目指している。終点はまだ先だ。

最終更新:7月24日(日)7時3分

カナロコ by 神奈川新聞