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セウォル号事故遺族の半数以上がトラウマを経験、平均の93倍

ハンギョレ新聞 7月24日(日)15時33分配信

セウォル号特調委、被害者の実態を発表 211人が6カ月に渡る深層面接調査 116人中75人が事故後に辞職 生存者生徒、「救助」の言葉に抵抗感 「生き残ったのは脱出の結果」

 「何よりも家族は…ええ…子どもを安らかに見送りたいのが親の心情です…はぁ(ため息)…なぜ事故が起こったのかを明らかにし…責任者を処罰して…再発防止をしてはじめて…家族が…私たちの子どもたちを…魂を自由に…見送ることができるのではないかと思います」(セウォル号事故で犠牲になった壇園(ダンウォン)高生徒の父親)

 セウォル号沈没事故から2年がたったが、遺族や生存者が今も精神的、身体的に異常な症状を経験していることが分かった。

 ハンギョレが19日に入手した4・16セウォル号惨事特別調査委員会(特調委)の「セウォル号惨事被害者支援の実態調査」報告書(草案)によると、セウォル号事件で犠牲になった壇園高生徒の遺族の心的外傷後ストレス障害の有病率は56パーセントに達することが分かった。これは韓国国民の1年間の有病率0.6パーセントに比べ、非常に深刻な水準だ。また、遺族は不眠症などの睡眠障害(75.4パーセント)や頭痛(72.7パーセント)などのストレスに関連する身体症状を経験していることが分かった。今回の実態調査は、犠牲となった壇園高生徒の遺族145人、壇園高の生存者生徒および家族39人、一般人の生存者と犠牲者の家族27人からなるセウォル号の被害者211人を被害者群別に分け、1月から6月まで深層面接調査をしたものである。国家機関が大型災害の被害者を対象に実態調査を行ったのは今回の特調委の調査が初めて。特調委の関係者は「被害者に対する支援の過程での問題点や不備などを評価分析し、解決案を用意するためのもの」と話した。特調委は20日、実態調査の内容をソウル市の白凡金九記念館で発表する。

 実態調査の結果によると、セウォル号事故は犠牲になった壇園高生徒の遺族に稼業の放棄や価値観の変化など、急激な変化をもたらしている。事故前には116人(81.3パーセント)が職場に通っていたが、このうち75人(64.6パーセント)が事故発生後に仕事を辞めたことが分かった。子どもや兄弟を失った悲しみと事故後に経験したトラウマにより「自殺を考えた」という人は42.6パーセントにのぼった。実際に自殺を試みた人も4.3パーセントいた。

 壇園高生徒の遺族を調査した亜洲大学産学協力団のジョ・ソンミ教授チームは「事故初期は気力と意志で保っていた遺族が、真相究明など明確な進展がなく時間が流れていく中で無力感と懐疑心により健康が悪化している」とし、「トラウマの治癒のためには、信頼を通じた安定感の回復、社会関係の復元などの段階を経なければならないが、セウォル号の真実究明作業が非常に重要な要因になることは間違いない」と明らかにした。

 生き残った人々も事故の衝撃からまだ抜け出せずにいる。壇園高の生存者生徒は深層面接調査の中で「救助」という言葉に強い抵抗感を示した。生き残れたのは救助ではなく「脱出」の結果だったと認識している。彼らは海上警察の救助活動について「部屋に閉じ込められている友達を引っぱり出してくれれば、皆脱出することができたのに」「私の後ろにまだ友達がたくさんいると言ったのに」「船内に入って来なかった」などの表現で怒りを表した。壇園高の生存者生徒の家族を調査した高麗大のキム・スンソプ教授チームは「彼らは『生きて帰ってきた罪悪感』からまだ事故の衝撃から抜け出せずにいる。その後、大学の特例入学などについてのメディアのセンセーショナルな報道で傷ついた人も多かった」と話した。

 一般人の生存者と犠牲者の家族は、高校生の被害者が大多数である状況のために、各種の支援内容が地域ごとに執行上の違いがあることによる疎外感、誠意のない政府機関の態度などに傷ついていることが分かった。彼らを調査した梨花女子大のヤン・オクキョン教授は「被害者支援が地域ごとに差異が出ないよう、中央政府レベルで支援システムを用意しなければならない」と明らかにした。

キム・ミヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:7月24日(日)15時33分

ハンギョレ新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。