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静岡の茶でボラ茶漬け 穴水の里海里山協、世界農業遺産で連携

北國新聞社 7月24日(日)3時30分配信

 穴水町伝統のボラ待ち櫓(やぐら)漁に取り組む新崎(にんざき)・志ケ浦地区里海里山推進協議会は、郷土食であるボラ茶漬けに、世界農業遺産「静岡の茶草場(ちゃぐさば)農法」で生産した茶を使った商品の開発に乗り出す。静岡県菊川市の生産者と商品化に向けた協議に入った。ともに同遺産に認定された地域と連携することで「能登の里山里海」が育んだふるさとの味を全国に発信するとともに、衰退する櫓漁の振興につなげる。

 茶草場農法は、茶園周辺で刈り取ったススキやササを敷き、肥料として土壌を豊かにする農法で、2013(平成25)年に菊川市など静岡の4市1町が世界農業遺産に認定された。

 6月24、25日に穴水町職員と協議会員5人が菊川市を訪れ、市茶業振興課の職員や地元の上倉沢茶農業協同組合員と互いに持ち寄ったボラと茶を味わい、商品化に向けた協議を行った。

 市側は「白身の高級魚のようだ」と好評だったという。協議会はボラを長期間保存できるよう薫製や干物にし、粉末の茶を添えることで手軽に味わえるような商品を計画しており、今後、試作を重ねていく。世界農業遺産の認定地域と連携することで、菊川市との交流にもつなげる。

 穴水町ではボラの切り身を照り焼きにして茶漬けにして味わう「ぼらちゃず」が郷土食として親しまれてきたが、近年はボラ漁の衰退で地元でもボラを食べる機会が減っている。

 ボラ待ち櫓は最盛期の明治期には町内に約40基が建てられていたが、担い手不足で1996(平成8)年にいったん途絶えた。協議会は2013年に漁を再開し、5~7月にかけて新崎沖で漁を行っている。

 協議会の岩田正樹会長(67)は「世界農業遺産のブランドイメージを生かして穴水のボラのおいしさを広め、櫓漁の再興に弾みをつけたい」と話した。

北國新聞社

最終更新:7月24日(日)3時30分

北國新聞社