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砂糖業界の陰謀!?3児のママが斬り込んだ社会派ドキュメンタリーに衝撃

Movie Walker 7月25日(月)14時14分配信

1日3食、1か月間ファーストフードを食べ続けたら?…そんな1アイデアで社会現象にまで発展したドキュメンタリー『スーパーサイズ・ミー』(04)の衝撃もいまや昔。作り手自らが「○○してみた」系の作品はネットに溢れているのが現状だ。そんな中、そうした悪ノリ系とは一線を画す、異色の“食”探求作品が話題を呼んでいる。

【写真を見る】妊娠中の監督。まさか妊娠糖尿病だったとは…!

その作品こそ、“砂糖”にまつわるドキュメンタリー『シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ』(7月23日公開)だ。角砂糖発祥の国チェコで生まれた本作は、「精製された砂糖ってそんなに身体に悪いものなの?」という疑問を、カメラ片手にひたすら探求していく女性監督アンドレア・ツルコヴァーの姿を映し出していく。

「まさか自分が妊娠糖尿病になるとは、全く思ってなかったんです。私はコーヒーに砂糖を入れることもしないし、まさか自分が砂糖を取りすぎている、なんていう自覚は全くありませんでした。ましてや、自分の食事が不健康だなんて、これっぽっちも思っていませんでした!」

そう語るアンドレア監督は妊娠中に、妊娠糖尿病を発症。その後、3人の子育てに忙殺されながらも、我が子の健康を守るため“砂糖”に闘いを挑む彼女の視線はどこまでも真剣だ。

「砂糖はADHDや統合失調症、アルツハイマーなど、様々な脳疾患のリスクをもたらす」――アンドレア監督自身のカメラが捉えた取材映像の中には、そうした証言の数々が登場。「私が(ヨーロッパ、アメリカ、アフリカの)3大陸8か国を周り集めた調査結果を通して、あなたは甘い砂糖の思いもよらない別の顔を目の当たりにすることでしょう」と彼女が自信を覗かせるように、研究者や医師、糖尿病の患者、砂糖業界の関係者へのインタビューを通して、衝撃的な事実が次々と明らかになっていくのだ。

オーストラリアでも、砂糖版『スーパーサイズ・ミー』と言える類似作品『あまくない砂糖の話』(14)が大ヒットを記録したが、本作はといえば“砂糖業界”にまで切り込んだ社会派作品といえるだろう。そういう意味では、あのマイケル・ムーア監督作品のスタイルに近いかもしれない。

「砂糖は麻薬よりも中毒性があって、それが今の社会で病人を作り、病気の子どもたちを作っているのに、たばこみたいに『悪いものだ』とまだあまり知られていないことが問題。そしてその背景には、大企業が利益を追求する社会構造や、政治の問題が密接につながっています。私たちは知らないうちに、自分と自分の子どもたちの健康を奪っているかもしれないんです」。真っすぐ前を見据えて、そう言葉を強めたアンドレア監督。

「砂糖がもたらす危険に、ひとりでも多くの人に気づいてもらいたい。映画の影響力は大きいんです。まずは、一人一人が、知ることから始めて欲しいと思います」。監督の言葉をどう受け止めるか?私たちの日々の食生活をちょっと見直したくなる、そんな異色のドキュメンタリーだ。【取材・文/ギール里映 構成/トライワークス】

最終更新:7月25日(月)14時32分

Movie Walker