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日馬富士 8度目Vでも消えない「白鵬コンプレックス」

東スポWeb 7月25日(月)16時57分配信

 大相撲名古屋場所千秋楽(24日、愛知県体育館)、横綱日馬富士(32=伊勢ヶ浜)が横綱白鵬(31=宮城野)を寄り切りで破り、昨年九州場所以来4場所ぶりとなる8回目の優勝を決めた。体中に故障を抱えるなかで賜杯をつかみ、かねて目標に掲げる優勝10回が視界に入ってきた。その一方で、あの人に対する“コンプレックス”は相変わらず消えないようで…。 白鵬を撃破して4場所ぶりに賜杯を抱いた日馬富士は優勝インタビューで「素直にうれしい。一日一番の積み重ねが今日の千秋楽につながった。悔いのない相撲を取ることだけを考えて、真っ向勝負できました。最近はケガが多くて。僕を信じて支えてくれた親方やおかみさん…何より熱く応援してくれる相撲ファンの皆さまのおかげで優勝することができました」と喜びをかみしめた。

 古傷の両足首や右ヒジのほか、右ヒザの半月板を損傷するなど満身創痍。執念で賜杯をつかみ取り、かねて目標とするV10が視界に入った。2桁優勝をマークした横綱は過去に14人しかいない。優勝10回に限っても、初代若乃花や栃錦、北の富士ら、そうそうたる顔ぶれが並ぶ。優勝回数では「一流」の領域に入りつつあると言っていい。

 それでも、日馬富士の白鵬に対する“コンプレックス”は簡単には拭い去れないようだ。今でも白鵬のことを、うっかり「大横綱」と呼んでしまうこともしばしば。それだけではない。今場所11日目。日馬富士と本紙記者の間で、次のようなやりとりがあった。

 日馬富士「何日か前に、白鵬関が幕内で900勝(8日目)をしましたよね。僕は幕内で何勝しているんですか?」

 記者「すみません、勉強不足でした。すぐに調べますので…。638勝ですね」

 日馬富士「なんで、そんなに少ないんだ!」

 記者「……」

 日馬富士は千秋楽の白星で幕内642勝。あと21勝すれば兄弟子の安美錦(37)と並んで歴代10位に浮上する。大相撲の長い歴史の中では、どんな記録であれトップ10に入るだけでも至難の業。恥ずべきどころか、むしろ十分に胸を張れる数字なのだ。日馬富士が“卑屈”とも受け取れる態度を見せるのは、最強横綱の成績が突出しすぎていることに尽きる。

 その白鵬は優勝37回をはじめ、史上3人目となる1000勝の大台が目前の通算997勝、幕内では903勝…。現役同士だけに意識せざるを得ない部分があるにせよ、あの大鵬をも超えてしまった“超大横綱”に劣等感を抱くこと自体が無意味に思われる。

 この日に白鵬を倒したことで対戦成績は21勝33敗。印象ほど圧倒されているような差はない。日馬富士は、もっと自信を持っていいはずだ。

最終更新:7月25日(月)16時57分

東スポWeb